シリア危機(公開日:2020.12.16)
シリア危機 シリア北部 新型コロナウイルス感染症と貧困により学校に通えない子どもが倍増
セーブ・ザ・チルドレンは、報告書『Reversing Gains: The impact of COVID-19 on education in Syria brief』を発表し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、シリアの子どもたちの教育に及ぼす影響について明らかにしました。
私たちは、現在行っている事業や、公表されているデータ、他団体へのインタビュー、500人の教師への調査を通して次のことを明らかにしました。
私たちは、現在行っている事業や、公表されているデータ、他団体へのインタビュー、500人の教師への調査を通して次のことを明らかにしました。
- ・シリア全土で、2019年末までに推定245万人の子どもたち、つまり3人に1人の子どもたちが、すでに学校に通っていなかった[1]。
- ・新型コロナウイルス感染症の影響で、シリア北部ではさらに50%の子どもたちが教育を受けられなくなった。これは、地域の3人に2人の子どもたちが学校に通っていないことを意味する。
- ・2020年上半期に、セーブ・ザ・チルドレンの教育事業に参加する子どもたちは1万1,200人以上から約7,775人に減少した。
- ・シリア北西部で活動するセーブ・ザ・チルドレンのパートナー団体からの報告では、3月の学校閉鎖以降、一部の地域で50%近くの子どもたちが学校に通えなくなった。
- ・シリア北東部でも教師たちは同様の数値を報告しており、同地域のアル・ホル(Al Hol)やロジ(Roj)、アレシャ (Areesha)のキャンプで、少なくとも5,500人の子どもたちが学校に通えなくなった。
調査に協力した教師たちは、子どもたちが通学できなくなった最大の理由として貧困をあげており、教育費用を捻出することができなかったり、生計を支える手段として児童労働に頼らざるを得ない状況があることを指摘しています。
シリア北東部では、児童労働は特に重大な問題であり、79%の教師が家計を支えるために子どもたちが退学したと回答しました。
さらに、およそ60%の教師は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は教室での授業実施に影響を及ぼしたと回答しています。新型コロナウイルス感染症予防のための制限により、子どもたちが学ぶための唯一の選択肢は遠隔学習であるにもかかわらず、多くの子どもたちはそのための手段を持っていません。
子どもたちがスマートフォンやインターネットを使用できない、NGOやパートナー団体が退学した子どもたちの状況を確認することが困難、などさまざまな課題があったものの、学校の休校後、セーブ・ザ・チルドレンはできるだけ多くの子どもたちが学習を継続できるよう教師による自宅訪問、オンラインやテキストメッセージの利用など、遠隔学習の新しい方法を導入しました。
シリア北西部の避難民キャンプに暮らすアミーンさん(12歳)は、母ときょうだいの生活を支えるために日中は働き、夕方に勉強をしています。
「新型コロナウイルス感染症のために学校をやめ、農作業の仕事をしています。通学をやめて1ヶ月間働き続けて、私と母は携帯電話を購入することができました。遠隔学習をあきらめたわけではありません。日中は働き、夕方自宅に帰宅してから携帯のアプリを通じて授業を受け、先生から届く音声解説を聞き、宿題もしています。宿題は、その携帯アプリを通して提出しています。」
セーブ・ザ・チルドレンは報告書のなかで、安全が確保され次第、可能な限り対面授業と遠隔学習を組み合わせながら、学校を再開することを呼び掛けています。また、私たちは、子どもたちが十分に教育を受けられないことが国の将来に及ぼす影響を強く懸念しています。
国際社会や支援国は、教育支援や、貧困解決のための支援へ資金拠出をすべきです。親や養育者が必要とする支援を利用できることで、子どもたちが学習を継続でき、児童労働やその他の負の影響を及ぼすような選択をしないことにつながります。
[1] Save the Children, partner, and UN data
シリア北東部では、児童労働は特に重大な問題であり、79%の教師が家計を支えるために子どもたちが退学したと回答しました。
さらに、およそ60%の教師は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は教室での授業実施に影響を及ぼしたと回答しています。新型コロナウイルス感染症予防のための制限により、子どもたちが学ぶための唯一の選択肢は遠隔学習であるにもかかわらず、多くの子どもたちはそのための手段を持っていません。
子どもたちがスマートフォンやインターネットを使用できない、NGOやパートナー団体が退学した子どもたちの状況を確認することが困難、などさまざまな課題があったものの、学校の休校後、セーブ・ザ・チルドレンはできるだけ多くの子どもたちが学習を継続できるよう教師による自宅訪問、オンラインやテキストメッセージの利用など、遠隔学習の新しい方法を導入しました。
シリア北西部の避難民キャンプに暮らすアミーンさん(12歳)は、母ときょうだいの生活を支えるために日中は働き、夕方に勉強をしています。
「新型コロナウイルス感染症のために学校をやめ、農作業の仕事をしています。通学をやめて1ヶ月間働き続けて、私と母は携帯電話を購入することができました。遠隔学習をあきらめたわけではありません。日中は働き、夕方自宅に帰宅してから携帯のアプリを通じて授業を受け、先生から届く音声解説を聞き、宿題もしています。宿題は、その携帯アプリを通して提出しています。」
セーブ・ザ・チルドレンは報告書のなかで、安全が確保され次第、可能な限り対面授業と遠隔学習を組み合わせながら、学校を再開することを呼び掛けています。また、私たちは、子どもたちが十分に教育を受けられないことが国の将来に及ぼす影響を強く懸念しています。
国際社会や支援国は、教育支援や、貧困解決のための支援へ資金拠出をすべきです。親や養育者が必要とする支援を利用できることで、子どもたちが学習を継続でき、児童労働やその他の負の影響を及ぼすような選択をしないことにつながります。
[1] Save the Children, partner, and UN data