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シリア危機
(公開日:2025.07.25)

【国際青少年デー】第1弾:トルコにおける青少年の就労・起業支援を通したエンパワメント

 
毎年8月12日は、国連に制定された記念日「国際青少年デー(International Youth Day)」です。世界中で青少年を取り巻く困難に目を向けると同時に、青少年が持つポテンシャルを祝う日です。
セーブ・ザ・チルドレンでは、青少年が持つ力を強化し、能力を最大限発揮できるような支援を世界各国で行っています。そこで、8月12日の国際青少年デーに寄せて、当会が行っている3ヶ国での事例を紹介します。第一弾はトルコ事業の紹介です。

「国際青少年デー」に関する第2弾、第3弾のブログ記事は下記をご参照ください。
【国際青少年デー】第2弾:バングラデシュにおける青少年の就労・起業支援を通したエンパワメント
【国際青少年デー】第3弾:マダガスカルにおける青少年の貧困・栄養改善支援を通したエンパワメント



 
啓発セッションの様子

トルコのイスタンブールでは、2023年12月から青少年を対象とした就労・起業のための支援を行っています。

詳細は以下のブログを参照ください。

【シリア危機】ト ルコで活動開始:シリア難民と地域の青少年、女性のレジリ      エンス向上にむけて生計支援・心理社会的支援  

【事業完了報告】ト ルコ:シリア難民と地域の青少年、女性の生計支援および
    心理社会的支援を実施しました

【シリア危機 】トルコ・イスタンブールに住む難民と地域の青少年の生計支
     援・心理社会的支援を開始しました



●トルコにおける青少年の状況
トルコは中所得国に分類されますが、近年の物価上昇やトルコリラの通貨価値下落、2023年のトルコ・シリア大地震の影響などで国内の経済状況は厳しさを増しています。深刻なインフレは、国内の低所得者層だけではなく中所得者層にも影響を与えており、このような経済的困難は困窮世帯の子どもたちが教育を中断し児童労働に従事することにもつながり、世代を超えた貧困の連鎖を生み出してしまいます。
また、青少年の雇用機会が少ないことも、厳しい経済状況に拍車をかけています。大学を卒業しても職を見つけられない青少年も多く、トルコにおける大学卒業者の失業率はOECD諸国の平均と比べて2.7倍ともいわれています[1] 。若い頃に労働市場に参加できないことは、将来的な収入や雇用機会にダメージを与えるだけでなく、心理的にも悪影響を与えます[2] 。


●支援の内容
このような状況を受け、私たちはトルコの中でも経済活動が活発なイスタンブールにて、青少年を対象にした就労・起業のための支援を実施しています。青少年や大人の経済状況が安定することは、個人のウェルビーイングの改善だけではなく、世帯全体の生活状況の改善にもつながります。経済的に安定している世帯の子どもたちは児童労働や教育の中断といったリスクが少なくなるため、この事業では子どもは直接的な支援の対象には入っていませんが、間接的に子どもたちの安心・安全な成長にも貢献しています。


この事業では、青少年の中でも特に厳しい状況に置かれている難民(主にシリア難民)や、女性を主な支援の対象にしています。正規雇用や起業に向けた能力強化研修や、個別の雇用支援を行ったり、ウェルビーイング改善のためにメンタルヘルスに関して話し合えるセッションを提供しています。また、地域行政や企業といった雇用者側への働きかけも行い、困難に直面している青少年が多くの経済的機会を利用できるように支援しています。


起業コースのカウンセリングの様子


●活動に参加した青少年の変化
活動に参加してもすぐに就労や起業にたどり着くのは難しいこともありますが、参加者の意識や行動には多くの変化がみられています。例えば、雇用支援に参加したある青少年は、セッションの中で提供されるさまざまな情報の中で、自身の大学が提供しているインターンシップの内容を知りすぐに大学に問い合わせたり、心理学や教育学を学んでいる青少年は、キャリアカウンセリングを行う中で、自身の学位や資格を活かすために近隣の学校でのボランティア活動を行うことを視野に入れて情報収集を始めました。さらに、既に学歴や職歴があり、英語やアラビア語、数学などを教えることができる参加者は、副業として一対一の語学レッスンが提供できるオンラインプラットフォームの存在を支援の中で知り、そこに登録することで収入向上を目指しています。セーブ・ザ・チルドレンは、さまざまな他団体や行政団体と連携し、青少年が目指す業種などに応じて適切な団体や窓口も紹介しています。


このように、さまざまな情報やキャリアのアドバイスを受けたり、研修やこころのケアに関するセッションに参加することで、多くの参加者が自信をつけ、就労や起業に向けた具体的な行動を起こすことができています。その姿は、参加者の家族や周囲の人々にも影響を与え、周りの人も同じように就労・起業の機会を探し始めたという声も聞かれました。このように、知識を身につけてさまざまな機会が利用できるようになり、自信をもって未来のために行動を起こす青少年が増えることで、地域全体へポジティブな影響をもたらすことにつながります。


私たちは、青少年が持つポテンシャルを信じ、それが最大限発揮できる環境を提供するために引き続き支援を続けてまいります。


本事業は、ジャパン・プラットフォームからのご支援と、個人・法人の多くの皆様のご寄付により実施しています。


来週は、国際青少年デーの第2弾としてバングラデシュの事例をお届けします。

(海外事業部 清水奈々子)

[1] EsasSosyal (2024). SUMMARY: YOUTH UNEMPLOYMENT AND YOUTH NEEDS IN TURKEY.[online] Available at:https://www.ilkfirsat.org/files/raporlar/es_sia_arastirma_ozeti_en.pdf[Accessed 25 Apr. 2025].

[2] ILO(2022). Youth employment in Turkey: Structural challenges and impact of thepandemic on Turkish and Syrian youth. [online] Available at:https://www.ilo.org/sites/default/files/wcmsp5/groups/public/@europe/@ro-geneva/@ilo-ankara/documents/publication/wcms_849561.pdf[Accessed 25 Apr. 2025].


 

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