日本/東日本大震災/福島(公開日:2013.07.24)
【福島:学童(2)】身近な所から防災を始めよう!〜南相馬市・会津若松市で防災研修を実施〜(2013.07.24)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは2012年6月より、岩手県、宮城県の学童保育施設や児童館の子どもたち、指導員の方を対象に、NPO法人プラス・アーツと共に防災研修を実施しています。そして2013年6月、福島県では初めて、南相馬市・会津若松市において研修を開催しました。
午前中は、学童指導員の方々を対象に防災研修を行い、南相馬市では32名、会津若松市では35名の指導員の皆さんが参加しました。この研修では、地震のメカニズムなどについて学ぶほか、ハンカチやスーパーの袋などを使用した応急手当のシミュレーションを行いました。研修後、指導員の皆さんからは「身近なものでも応用すれば様々なものができることを再確認できました」「私も含め、子ども達に説明出来る内容でした」といった感想が寄せられました。
南相馬市で、学童指導員の方々を対象に行われた防災研修の様子。ハンカチと新聞紙を使って、骨折した腕を固定する処置を練習中。
会津若松で、学童指導員の方々を対象に行われた防災研修の様子。三角巾の代わりにスーパーの袋を使って、骨折した腕を固定します!
会津若松市の研修では、市内にある「松長第一こどもクラブ」で、指導員の皆さんの防災実地研修も行いました。実地研修では、12名の指導員の方々が、小学校1〜3年生の児童クラブの子どもたち約50名と一緒に、新聞紙や広告を使った紙食器づくりに挑戦しました。
ビニールをかぶせた紙食器に麦茶を入れ、実際に飲んでみると、子どもたちは「すごーい!水がもれない!」「家までお茶持って帰ろう!」と、紙食器の丈夫さに驚いた様子。
指導員の皆さんも早々と紙食器の作り方を覚え、子どもたちに教えていました。
「東日本大震災の時、実際に避難所で小学生に『何故地震はおきるの?』という質問をされ、自分の持っている知識の中で説明しましたが、もっと小学生にわかる言葉で説明が出来たのではないかという思いをもっていました。」
今回の研修に参加したある指導員さんの言葉です。このような体験をして子どもたちにわかりやすく自身について伝えたいという理由で参加した指導員さんも多くいらっしゃいました。
「大震災を経験しても、いざ何かに取り組んだり防災グッズを準備するなど行動を起こすのはできないんだなと実感した。まずは車の中に必要最低限のものをそろえようと思った。」
といった声も聞かれ、今回の防災研修が、防災について改めて考える一つのきっかけになったようです。
また南相馬市では、市内の幼稚園・小中学校・学童児童クラブを対象に、防災活動の一環として防災頭巾と防災ヘルメットの配布を実施しました。防災ずきんを受け取った幼稚園では、早速子どもたちがずきんをかぶって避難の練習をしてくれたようです。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは今後もこのような防災研修や備品の配布を通して、学童指導員の先生方や学校の先生方が、子どもたちと一緒に防災の知識やスキルが身に付けられるよう、今後もお手伝いしていきます。
(報告:会津若松事務所 望月里紗)