日本/東日本大震災/福島(公開日:2015.12.03)
【福島:学童(22)】いわき市平五小第二児童クラブが完成しました!(2015/11/10)
2015年11月10日、いわき市に新しい放課後児童クラブ「平五小第二児童クラブ」が開所しました!
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)はサントリーホールディングス株式会社(以下サントリー)と協働で、サントリー・SCJ フクシマ ススム プロジェクト(以下、フクシマススム)を通じて、福島県内で放課後児童クラブ(学童保育)施設の建設を行っています。今回は、8月18日付のブログでお伝えしたいわき市の平五小第二児童クラブの開所式の様子をお届け致します。
■ 新施設完成前の平五小児童育成クラブ
東日本大震災以降、いわき市平地区にある「平五小児童育成クラブ」は登録児童数が大幅に増えたため、平第五小学校敷地内にある施設に加えて、学校敷地外にある旧飲食施設の二か所に分かれて学童保育を行っていました。
特に、学校敷地外の学童保育に行くまではガードレールが無い道を歩かなければならず、通っていた小学校3年生加藤さんからは、「ぼくは、学校から学童まで歩いて行くのは、大変だなと思っていました。なぜならガードレールがないせまい道路を歩いて行かないとならなかったからです。すぐそばを車が走っていて、雨の日などは傘が車にあたりそうでこわい思いをしました。」といった声もありました。放課後児童クラブ支援員(以下、支援員)も、小学校まで児童を迎えに行く担当とその間一人で何十人もの子どもを見る担当に分かれなければならず、限られた支援員数の中でどちらの状況にいる子どもの安全を確保しなければならず、大変な苦労があったと聞いています。また、両施設ともに登録児童数に対して必要な生活スペースやトイレ・手洗い場の数など、環境整備が十分ではありませんでした。
このような背景から、いわき市の子どもたちが、安心・安全な保育環境で放課後や学校の長期休暇を過ごせるよう、「平五小第二児童クラブ」の施設建設を行うことになりました。
■ 工事完了までの道のり
設計会議には、支援員、保護者会の皆さんをはじめ、いわき市や平五小学校関係者の方々にご参加いただき、皆でより子どもたちが過ごしやすく、安全な施設になるよう相談をしてきました。
新施設建設工事は、大部分が真夏の炎天下で行われました。職人さんたちが毎日頑張っている様子は、囲いがあって工事現場の中は見えなくても、子どもたちに十分伝わっていたようです。「学校から帰るときも新しい学童を見て「すごいなぁ」や「大きいなぁ」と思いました。どんどん完成していくうちに夏休みになって暑い中がんばってもらっているところを見ていました。」(5年 鈴木さん)
■ ついに開所!
そしてついに11月10日、いわき市平五小第二児童クラブが完成し、開所式が執り行われました。
新しい施設はとっても広くて開放的です。いわき市が推奨する40人以下の小規模保育にも対応できるよう、部屋の真ん中を仕切れるようになっています。一人ひとりの生活スペースものびのびととることができ、今まではできなかった屋内遊びにも挑戦できそうです。
子どもたちからは、
「新しい学童は、学校からとても近くで、古い学童より安全に行くことができます」(3年 加藤さん)
「僕は、新しいこの学童でみんなと遊んだり、勉強をしたり、僕のやりたいことをたくさん見つけて楽しく過ごしたいと思います」(4年 佐藤さん )
などの言葉が寄せられました。
開所式後、ようやく緊張から解放された子どもたち。終了後の自由時間には、先ほどまでの真剣な表情とは打って変わって、みんな溢れんばかりの笑顔で新しい施設の中を駆け回り、遊び始めました。これからもずっと、この新しい放課後児童クラブの中がこんな素敵な笑顔でいっぱいになりますように!
多くの方々のご協力により、平五小第二児童クラブが完成しました。これからもSCJは放課後の子どもたちの安心・安全な居場所づくりのための支援を続けていきます。
(報告:福島事務所 望月)
【サントリー・SCJ フクシマ ススム プロジェクト】
フクシマ ススム プロジェクトは、福島の子どもの健やかな成長を願い、サントリーホールディングスとSCJで進める、子ども支援の取り組みです。学童保育支援のほか、教育、NPO助成、子どもの場所づくり支援など、福島への想いをひとつにして、明るい未来にススム福島の子どもたちを応援します。
【福島県における学童保育(放課後児童クラブ)支援】
SCJは、福島市、相馬市、南相馬市、いわき市の学童保育施設に、日常の遊び場の提供、施設整備、そして学童関係者の学びや情報共有の場づくりなどの取り組みを行っています。これらの包括的な支援活動を通じて、安心・安全な学童保育の環境づくりを後押ししています。