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日本/東日本大震災/福島
(公開日:2014.09.19)

【福島:コメラさんさん(15)-?】ユニリーバ子ども笑顔プロジェクト2014「みずうみの楽校」7月31日〜8月2日(3日目)(2014.09.19)

 

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)では、2012年から、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社(以下、ユニリーバ)の「ユニリーバこども笑顔プロジェクト」の支援により、外遊びの機会が限られている福島の子どもたちのための野外教室を実施しています。

9回目となる今回は、県内の野外活動系NPOでつくる「子ども自然と遊ぶ楽校ネット」と協働し、福島の湖の魅力をトコトン味わってもらう野外キャンプを企画しました。題して「みずうみの楽校」です。郡山市や須賀川市を中心に県内各地から参加した13人の子どもたち。1日目は水遊びや星空観察2日目のハイキングや魚釣りを楽しみました。今回のブログは、最終日の3日目の様子をお届けします!


◆3日目「子どもたちの成長と自然からの学び」

楽しい時はあっという間に過ぎるもの。今回も例外ではありませんでした。たった3日、されど3日。この3日間で子どもたちにはそれぞれの「成長」を見せてくれました。初日の夕方、子どもたちはスタッフから火おこしの方法を学びました。薪をナタで細かく割るところからはじまり、かまどに木を組んで、マッチで着火する。

ナタ女子の誕生です。



いよいよ着火。この瞬間が一番ドキドキします。


最初は、マッチをつけるのもおっかなびっくりだった子どもたちも、3日目の朝には、大人の手を借りず自分たちだけで火おこしができるようになりました。立派に食事準備を終えた子どもたちは、ちょっと誇らしげです。

キャンプの中では、自然の織りなす神秘的な光景に遭遇することもありました。2日目の夜、バンガローの近くで、2匹のセミが羽化していました。セミの羽化は夜に行われるので、普段はなかなか見ることができません。当たり前のようにこんなシーンに遭遇できるのが野外キャンプの醍醐味です。


さなぎから脱皮する純白のセミの様子に目が釘付けだった本宮市の3年男子ヒロくんは、「初めて見た!今回のキャンプで一番の思い出になった」と話していました。

3日目午前中は、それぞれが好きな遊びを思い切り楽しんだあと、みんなで振り返りの時間を持ちました。キャンプを通じて感じたこと、思ったことを絵や文にして、模造紙に書き込んでいきます。「釣りが楽しかった」「火おこし、ご飯づくり、全部が楽しかった」そんな言葉が並びました。


現在の福島では、子どもたちが自然体験をする機会がどうしても少なくなりがちですが、自然を知り、自然を感じることで、得られる新しい気づきもあります。郡山市の6年男子ツーくんは、今回のキャンプを通じて、「きれいな自然を守らなくてはなくてはならない」と感じたといいます。キャンプ場から無駄なゴミを出さない。守らなければ、目の前の湖が汚れる。そんなことを意識して過ごした3日間でした。


こうして、3日間のキャンプは無事に終わりました。わずかな期間ではありましたが、水辺で遊ぶ楽しさを子どもたちに経験してもらうことができたと思います。いま、福島で生きる子どもたちは、自然と触れ合う機会が制限されることで、野外活動の純粋な「楽しさ」を感じる機会とともに、そこで得られるさまざまな「学び」や「気づき」の機会についても失っていると思います。子どもの成長にとって、自然の中で過ごし、遊ぶ時間はかけがえのないものだとSCJでは考えます。今後も福島の子どもたちが、のびのびと自然体験できる機会を提供すべく、関係するみなさまと協力して活動を続けていきたいと思います。


(報告:福島事務所 中村雄弥)



〈コメラさんさんプロジェクト〉
 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは福島プログラムの一環として、震災後、「コメラさんさんプロジェクト」を開始しました。このプロジェクトは福島第一原発事故後、放射線被ばくへの不安や、長期化する避難生活の影響などから、福島県で野外活動や体を思い切り動かす機会が減少した地域の子どもたちが、安心できる環境で、自然体験をしたり、思い切り遊んだり、運動できる機会を提供することを目的としています。
※コメラは福島の方言で「子どもたち」の意。

〈ユニリーバこども笑顔プロジェクト〉
「ユニリーバこども笑顔プロジェクト」ではセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを通じて、東北の子どもたちがのびのびと遊べる場所や機会を継続的に提供しています。2011年にはラックスやダヴの売り上げの一部が公園再建のための寄付になるキャンペーンを実施。2012年からは、コメラさんさんプロジェクトを中心に支援しています。


 

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