日本/東日本大震災/福島(公開日:2014.08.19)
【福島:コメラさんさん(14)】ユニリーバこども笑顔プロジェクト2014
ぽんた山元気楽校 7月26日〜28日(2泊3日) (2014.08.19)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、2012年から、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社(以下、ユニリーバ)の「ユニリーバこども笑顔プロジェクト」の支援により、外遊びの機会が限られている福島の子どもたちのためのキャンプを実施してきました。今年の夏も福島県のNPO等で組織された「子どもが自然と遊ぶ楽校ネット」と協力し、豊かな自然の中でのびのび遊べるキャンプを実施。ユニリーバの社員の方もボランティアとして参加してくださいました。2012年3月から通算すると今回で9回目のキャンプとなります。ここでは7月末に実施した『ぽんた山元気楽校』の様子をお届けします。
初めて出会った子どもたち
福島県いわき市から10人の小学生が参加しました。兄弟での参加もありましたが、その他は初めて出会う子どもたち。さあ、楽しい2泊3日が始まります。
1日目(7/26) ぽんた山探検と自由遊び
ところで「ぽんた山」ってなぁに?NPO法人あぶくまエヌエスネットの代表の進士徹さんのニックネームは「ぽんた」。だから、福島県鮫川村のぽんたさんの敷地にある山を「ぽんた山」と呼ぶのです。おいしい空気、きれいな水、美しい山と田んぼの緑に囲まれたぽんた山。小川遊び、虫取り、ウォールクライミング、工作など楽しい遊びでいっぱいです。自分がやりたいこと、挑戦したいことをどんどん見つけ、時間が過ぎるのも忘れて遊びました。
ぽんた山元気楽校名物? 『係のお仕事』
ぽんた山元気楽校には朝晩の「係のお仕事」があります。2匹の親子犬(母チロ・息子ボールド)のお散歩、お風呂や食事の火起こし、食事の準備と片付け、畑作業、朝の体操などなど。みんなで話し合って決め、それぞれの役割を責任を持って行います。だって火が付かなかったらご飯が食べられない、お風呂にも入れない!そんなのヤダ!!さあ、責任重大です。一生懸命頑張りました。
ぽんた山元気楽校名物? 『ドラム缶風呂』
ぽんた山のお風呂はドラム缶風呂!川の水を引いてドラム缶にためて、火を起こして沸かします。こんなお風呂はもちろん初めて。最高に楽しかったね!
ぽんた山元気楽校名物? 『明日へのこども会議』
1日の終わりは「明日へのこども会議」。翌日の係や遊びについて話し合います。みんな明日は何をしようかと真剣そのものです。初めての会議だったので、話し合いにはおとなのスタッフも加わって、助けてくれました。
(係決めの様子)
「明日、犬の散歩したい人、手挙げて〜」
「うーん、多いな〜。どうやって決めたらいいのかな・・・」
2日目(7/27) 楽しい1日のはじまり
朝は7時に起床。体操をした後、昨日決めた朝の係の仕事をします。朝ごはんが済んだら自由遊び。昨日できなかった遊びや、他にもやってみたいことにチャレンジ!あっという間に時間が過ぎます。
3-4mはある高いつり橋。初めは怖かったけど2日目になるとへっちゃらだよ!
ぽんた山元気楽校名物? 『石窯ピザ』
お昼ごはんは生地からトッピングまで、みんなで作るおいしいピザ。仕上げはぽんたさんが自慢の石釜でこんがり焼いてくれます。自分たちで作ったピザは最高でーす!
トッピングもきれいにできたよ〜。とってもおいしそうですね!!
お出掛け?〜トレーニングセンタープール〜
午後はぽんたさんが運転するマイクロバス「ぽんた号」に乗って、鮫川村のトレーニングセンターにある室内プールに行きました。涼しい鮫川村といっても昼間はやっぱり暑い!みんなプールで大はしゃぎでした。
お出掛け?〜鹿角平観光牧場〜
プールの帰りはドライブ。鹿角平(かのつのだいら)観光牧場へ行っておやつを食べました。北海道にワープしちゃった!!・・・ような素晴らしい場所でしたね。
北海道みたい(?)に雄大な鹿角平でハイチーズ!
2日目の「明日へのこども会議」
子どもたちの成長はすごいものです。昨日、会ったばかりの子どもたちが一緒に遊び、いろいろな当番や係の仕事をしていく中でどんどん仲良くなり、お互いの意見を出し合えるようになります。時にはちょっとケンカもします。2日目の「明日へのこども会議」は、おとなたちが手伝わなくても、自然と自分たちで話し合いが始まりました。「司会は誰がする?」「僕がホワイトボードを持つね」「この係は人が多すぎるからジャンケンで決めよう」みんなで協力することができました。
最後の夜〜お楽しみキャンプファイヤー∼
「明日へのこども会議」の後は、子どもたちに内緒でおとなスタッフが企画したキャンプファイヤー。「今夜はお楽しみがあるよ」とだけ聞いて、昼間から「今夜何するの?」と興味津々だった子どもたちは、会場で赤く燃え上がる炎を見て大喜び!ゲームで大きな声を出したり、体を動かしたりして楽しみました。きれいな星空と深い山々に子どもたちの元気で楽しい声が広がりました。
暗闇の中でみんなで大きな声を出したり踊ったり、楽しかったね!
3日目(7/28) ぽんた山名物? 『お餅つき』
最終日。3日間、「うちに帰りたい」と言う子どもは誰もいなかったのに、今朝はどことなくみんなさびしそうでした。朝の体操、係のお仕事、朝ごはんの後は荷物の整理と大掃除。そして最後となる自由遊びを思い切り楽しみました。お昼ごはんはお餅。お餅つきはぽんた山元気楽校の最終日名物なのです。全員で作ったつきたてのお餅のおいしいこと!お雑煮の他、あんこ・きな粉・おしょうゆを付けていただきました。あっという間になくなっちゃいましたね。
また会おうね!
お別れの時間が迫ってきました。「まだここにいたい」「1ヵ月くらいあればいいのに」みんなそう言っていました。あっという間の3日間でしたが、子どもたちは大きく成長しました。自分の役割を果たすこと、仲間と協力すること、話し合って決めること、チャレンジすること・・・。子どもたちの成長にスタッフも心を打たれるものがありました。ユニリーバのボランティアの1人は「この10人の子どもたちと出会えたことはとても意味があるように感じました。機会があればまた参加したいです」と語ってくださいました。
ぽんた山で出会い、過ごした10人の子どもたち。楽しかった思い出を胸に元気に力強く成長して欲しいと願っています。また会おうね!
【福島事務所:藤井由佳】
楽しい思い出をいっぱい作り2泊3日で大きく成長した子どもたち。また会おうね!
〈ぽんた山元気楽校〉
福島県東白川郡鮫川村に拠点を置くNPO法人あぶくまエヌエスネット(子どもが自然と遊ぶ楽校ネットの構成団体のひとつ)が実施する体験プログラムです。様々な自然体験活動を通して、子どもの笑顔と元気を応援し、生き抜く力を育てます。
〈コメラさんさんプロジェクト〉
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは福島プログラムの一環として、震災後、「コメラさんさんプロジェクト」を開始しました。このプロジェクトは福島第一原発事故後、放射線被ばくへの不安や、長期化する避難生活の影響などから、福島県で野外活動や体を思い切り動かす機会が減少した地域の子どもたちが、安心できる環境で、自然体験をしたり、思い切り遊んだり、運動できる機会を提供することを目的としています。
※コメラは福島の方言で「子どもたち」の意。
〈ユニリーバこども笑顔プロジェクト〉
「ユニリーバこども笑顔プロジェクト」ではセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを通じて、東北の子どもたちがのびのびと遊べる場所や機会を継続的に提供しています。2011年にはラックスやダヴの売り上げの一部が公園再建のための寄付になるキャンペーンを実施。2012年からは、コメラさんさんプロジェクトを中心に支援しています。