日本/東日本大震災/福島(公開日:2012.04.13)
【福島:コメラさんさん(1)】みんなの元気を復興に!春休みの思い出作りin南会津(2012.04.13)
3月26-27日、福島県郡山市、須賀川市周辺の小学生を対象に、春休みスキーキャンプが実施されました。日常からすこし離れ、福島県内の土地で雪原で思い切り体を動かすことを目的としたスキーキャンプが、「福島の子どもたちにスキーを楽しんでもらうプロジェクト実行委員会」主催、ユニリーバとセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの特別協賛のもと開催されました。
参加した子どもたちはスキーの講習を始め、「ふるさと」をテーマにしたコンサートを楽しんだり、雪上運動会などで思いっきり体を動かしたり、自然と触れあたったりしながらの2日間を過ごしました。子どもも大人も大はしゃぎで笑い転げた、2日間をご報告いたします。
3月26日の昼、南会津のだいくらスキー場に郡山と須賀川の小学生が到着。
子どもたちは、だいくらスキ―学校(代表 阿久津久弥校長)の協力を得て、1日目午後と2日目の午前にスキー教室に参加しました。スキ―指導には、スキー国体、技術戦の福島県選手団からの有志、ナショナルデモ兼子稔選手、さらには地元の中高生スキ―ヤ―もボランティア参加してくださり、初心者から中級のクラスに分かれて講習を受けた59名。子どもたちのうち、46名がこの日、初スキーだったのにもかかわらず、初日の講習が終わるころには全員がリフトに乗ってゲレンデを降りてくるという上達ぶりに、インストラクタ―もびっくり。
初日の夕食後のアクティビティは、声楽家岡里美幸さん、林義直さんによる「ふるさと合唱コンサート」。お二人は、震災後、地元福島県南会津町の針生小学校においてコンサートを実施された実績があり、この日も子どもたちは楽しい歌の世界に自然に引き込まれていました。本格的なオペラを静聴した後は、全員で大合唱。最後は、「ビリーブ」「ふるさと」をみんなで歌って、故郷への思いを馳せる一夜となりました。
左から、声楽家の林さん、岡里さん、子どもたちに大人気キャラ、カエルくん、クマのだいちゃん、トラのくらちゃん。着ぐるみの中のスタッフも地元のボランティアの方々です。
3月27日、朝から晴天。真っ白なゲレンデはキラキラ輝いています。
午前中は、それぞれの級に分かれてスキーレッスン。時間がある限り何度もリストにのって、ゲレンデを滑走します。
インストラクターのきめ細やかな指導で、子どもたちはスキーをどんどん習得していきます!
一方、他のスタッフは午後からの運動会に備えて会場作り。
2日間のアクティビティや演出の全てが、子どもたちが楽しむことを最優先にした、スタッフの知恵とハートを結集させた手作りのプロジェクトなのです。
ポールを建てたり、バナーを張ったり。竹ざおにポリバケツを取りつけて、、、一体何に使うのでしょう?
昼食後は、お待ちかね“雪上運動会”。
全員が6つのチームに分かれて対戦しました。ここからは地元針生小学校の小学生チームも参加し、全7チームの対戦です。最初の競技は、ソリ競争。子どもたちは、スキーブーツを履いたまま、ソリを持って雪の上を全速力で走ります。なかなかうまく走れなかったり、ソリが思うように滑らなかったり、みんな大奮闘です。
往路はソリを引いて走り、復路はソリに乗って帰ってくるのですが、ソリをうまく操るのは意外と難しい!!
競技は、子どもたちが雪の感覚に慣れながら思いっきり全身を動かして楽しめるように、スタッフのアイディアがいっぱい。子どもたちはチームで協力し合ったり、仲間に声援を送ったりしながら、運動会は大いに盛り上がります。
雪玉を作っては投げ、作って投げ! 先ほどスタッフが作っていたのは、 “雪玉入れ”合戦用のカゴでした。
子どもたちの歓声の中、チーム競技が次々と行われていきます。高さを競う“雪の塔つくり”。思い思いに雪をただ積み上げても、高くなるほどに崩れてしまうので、各チームともアイディアとチームワークが問われ、楽しみながらもみんな真剣です。
2メートルを超える雪の塔も。最後の高い部分は大人にお任せ。
今回のスキー体験には、一人で参加した子どももいましたが、活動を通して同じ時間を共有し、子どもも大人もひとつの家族のような気持ちで、みんなの心に同じ思い出が残ったのではないかと思います。
閉会式では、「スキーが初めての人もいたけれど、2日間でみんな滑れるようになった。チャレンジすればできないことはないんだってことがわかったと思います。これからも新しいことにどんどんチャレンジしていって欲しい、そしてスキーも続けていってください」とだいくらスキー学校の阿久津校長がおっしゃっていました。
子どもたちが思いきり体を動かし、子ども同士交流を深める機会づくりは、これから福島の復興へつながっていくと願い、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンはこれからも支援を続けていきます。
ご支援いただきました企業、実行委員会の皆さまのご協力に感謝いたします。そして何より、参加してくれた子どもたちへ「ありがとう!」を送ります。
(報告:広報 佐藤則子)