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日本/東日本大震災/福島
(公開日:2014.12.11)

【福島:子どもの場所づくり支援(6)】 NPOの運営強化 〜資金を確保するための工夫〜(2014.12.11)

 

サントリー・SCJ フクシマ ススム プロジェクト(以下、フクシマ ススム)の一環として展開する「子どもの場所づくり支援」に参加する団体の最新活動紹介。今回は第4弾です。

「子どもの場所づくり支援」は、地元のNPO団体とともに、福島県の子どもたちが安心して学び、遊べる環境づくりを目的として、県内で展開する7つの取り組みです。このプロジェクトは、?資金支援による活動の質の向上、?技術支援による運営強化という2つの柱からなります。

第1回から第3回のブログでは、各団体が、フクシマ ススムの資金支援によって、どのように活動の質を向上させているかをご紹介しました。第4回からは、それらの活動を支える運営基盤の強化のため、フクシマ ススム「子どもの場所づくり支援」がパブリックリソース財団(以下PRF)と協力して、進めている技術協力の様子をお伝えします。

質の高い活動をするためには、しっかりした運営が行われることがとても大切。理事会の開催状況や構成員、確実な事業実施のための計画作りや人員配置、安定した財源確保、広報活動など、多義にわたります。そこで、フクシマ ススム「子どもの場所づくり支援」では、団体を個別訪問し、それぞれが抱える課題を洗い出し、それぞれのニーズに合わせた技術支援を行っています。

今回は、資金を確保するために、様々な取り組みにチャレンジする「みんなのひろば」、「ココネット・マム」、「ふれあいサポート館アトリエ」、「ふよう土2100」の活動をご紹介します(1回目のブログ2回目のブログ3回目のブログはこちら)

? 助成金を獲得する 〜コツをつかんで6つの申請のうち、5つが採択!〜
助成金は、多くのNPOにとっても貴重な財源。でも、申請書は、事項も多く、具体的で的確な記述が求められ、なかなか神経を使う仕事です。

みんなのひろばは、今回、PRFの指導のもと、6つの申請にチャレンジし、なんと、5件の助成を獲得!学習教材やカメラ、送迎車両の助成も受けることができました。これで、燃費の悪い古い車ともお別れ、ガソリン代の節約にもつながります。みんなのひろばでは、「職員以外の第三者でもわかる言葉で書くこと」と、「何のための助成金が必要なのか、主軸をはっきりさせて書くこと」を意識しました。

このほか、NPO法人ふれあいサポート館アトリエでも助成獲得に向けて取り組み、目標を達成しています!大型絵本や餅つきイベント用の杵と臼などの助成を受けることができました。「申請は、コツをつかめば、慣れてきますよ」とは、PRFの弁。今回の一連の学びをこれからの助成申請にぜひ活かしてほしいですね。


大きな絵本を手にしてにっこり!



? 透明性の高い財務管理 〜会計見直し〜
活動資金をきちんと管理するための会計は大切な仕事です。ですが、経理専門の職員がおらず、外部に委託したり、自分たちで時間をかけて処理せざるをえない団体も少なくありません。




帳簿の記載の仕方や決算書作成についてアドバイスを受けました


そこで、みんなのひろばやNPO法人ふよう土2100(以下ふよう土)では、PRFが勉強会を開き、帳簿の整理、伝票作成のルールの確認、職員同士で収支を確認しあうなど、すぐに活用できる取り組みを導入しました。現在、決算書も少しでも効率的に作れるよう、指導が続いています。これらの技術支援により、外部委託の経費節約が見込まれています。


? 自主財源を増やす(1) 〜利用料金の見直しと利用者の理解とりつけ〜
これまで無料だった施設使用を有料にしたり、参加料金を上げたりすることは、地域密着型のNPOほど、勇気のいることです。

みんなのひろばは、学校になじめない子や障害がある子どもたちの学びの場として、有料で運営してきましたが、料金は比較的低く設定されており、経営的には厳しい面もありました。また、遠方から来る子どもたちの送迎も行っていますが、ガソリン代も値上がりしたこともあり、思い切って、これらの料金の見直しをしました。このような場合、利用者に値上げの理由をきちんと説明し、理解と協力を得ることがとても大切です。みんなのひろばでは、3か月かけて、保護者の方々に料金改定のお知らせの手紙を送り、あわせて、団体の収支決算も伝え、利用者の保護者の理解を得ながら10月より新料金の導入に踏み切りました。


? 自主財源を増やす(2) 〜 新しい活動・事業の開始〜
事業収入を増やすための技術支援も始まっています。NPO法人ココネット・マム(以下ココマム)では、毎月黒字にするという目標をどのように達成するか現場スタッフで話し合い、託児室の空き時間を有効活用しながら現場スタッフの活躍場面を増やすために母親向けのサロンを開催することに決めました。それから、何度も話し合いを重ね、会員向けに試作サロンとして、「プレサロン」を開いたりして、10月からついにサロンをスタート!まずは、4回参加すると1つの作品が仕上がる「手作りサロン」を実施しました。

PRF講師のワークショップでアイディアがたくさん出ました!


ふよう土では、第2弾のブログでもお伝えしたように、安定した事業収入の確保をめざし、2015年より放課後等デイサービスを始める予定です。事業開始に向けて認可取得に奔走するふよう土は、PRFの技術支援のもと、諸規程の整備や事業申請の書類作成を進めているところです。また、放課後等デイサービスの分野で先進団体である、東京のNPO法人にじのこを視察し、デイサービスの認可取得に必要な手続きについて助言を得たり、現在の活動や組織運営についてお話を聞きました。その後もふよう土と、にじのこの交流は続いています。


     交流が続いているにじのこがふよう土を訪問し、事業のアドバイスをしました

活動資金の工夫編と題して色々いろいろご紹介しましたが、どの団体も取り組み始めて半年近くが経ち、徐々に成果が表れつつあります。次回は広報活動の工夫についてお伝えしていきたいと思いますので、お楽しみに!


(報告:福島事務所 佐々木未央)

【サントリー・SCJ フクシマススムプロジェクト】
「サントリー・SCJ フクシマススムプロジェクト」は、サントリーホールディングス株式会社と公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとが取り組む福島の子ども支援事業です。東日本大震災発生後、福島の子どもたちは、多くの困難に直面しながら、少しずつ前に進んでいます。学童保育クラブ支援や子ども支援に取り組むNPOとの協働や助成事業を通じて、福島の子どもたちが安心して学び遊べる環境をハード、ソフト両面からきめ細やかにサポートし、フクシマススムは「ススムっ子」の健やかな成長と明るい未来を支えます。
サントリー・SCJ フクシマススムプロジェクト

【子どもの場所づくり支援】
サントリー・SCJ フクシマススムプロジェクトの一環として支援する取り組みで、福島県の子どもを支援する地域のNPOが協働し、子どもたちの発達にかかすことのできない「日常的な遊び場、居場所」活動の質を向上させ、継続的かつ安定した活動を展開し、さらなる子どもたちの成長環境の改善を目指します。子どもの健全な成長発達や子どもたちの安心安全を考慮したモデル事業として、福島の子どもたちの遊び場・居場所全体の質向上を実現していきます。


 

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