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日本/東日本大震災/福島
(公開日:2014.10.15)

【福島:コメラさんさん(16)】冒険遊び場夏休み1日体験ツアーに、福島市学童12クラブが参加しました(2014.10.15)

 



この夏セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)では、福島市内の学童クラブを対象に、「冒険遊び場1日体験ツアー」を計10回実施しました。地元のNPO法人いいざかサポーターズクラブ(いいざかSC)とSCJによる協働事業で、学童の子どもたちとともに、比較的放射線量が低い同市茂庭地区の冒険遊び場「茂庭プレーパーク」を訪問し、思う存分「外遊び」を楽しむ日帰りツアーです。

今年5月から7月に実施したパイロット事業の様子は、7月2日のブログ記事で紹介されています(福島:コメラさんさん10冒険遊び場に行ってみよう!学童っ子34人と茂庭プレーパークを訪問)。


今回の夏休みツアーに参加したのは、福島市の12の学童クラブ。7月29日〜8月20日の間に計10回実施し、合わせて238人の児童、42人の指導員が参加しました。

子どもたちは、午前10時から午後3時までの約5時間、茂庭プレーパークで、自由に遊びます。「5時間もいるの?うちの学童の子どもたちは遊び方もよく知らないし、長すぎて退屈するんじゃないかしら」という指導員の方の心配も聞きましたが、終わってみれば、全くの杞憂でした。「時間がたくさん⇒退屈⇒つまらない」という図式は子どもには必ずしも適用されません。子どもは遊びの天才です。きっかけさえあれば、いくらでも遊びは勝手に生み出されてきます。「もう終わり?もっと遊びたい。まだ帰りたくないよ〜」という子どもたちの声を何度聞いたことか。

灼熱の夏休み、比較的高所にある茂庭も例外ではありませんでした。本当に暑い!(手元の温度計では35度以上の日もありました) しかし、子どもたちにとって暑さはそこまで苦ではありません(もちろん熱中症対策などは怠ってはいけませんが)。立木を利用したロープ遊び(滑車ロープ、ブランコ、つなわたり、ハンモックなど)や、竹や角材を使った木工(弓矢、水鉄砲、竹とんぼなどの制作)、火おこしからの野外クッキングなどプレーパーク定番の遊びから、夏ならではの川遊びまで。5時間の滞在が「あっという間」に思えるくらい、子どもたちは無我夢中で遊びまわっていました。

つなわたりを占拠する女子たち。「全然こわくない〜」そうです。


火の管理人として、すっかりベテランの風格を見せる少年たち。大人は用無しですね。

竹で水鉄砲をつくるため、電動ドリルも使います。緊張の一瞬、穴が開いた瞬間の手ごたえがたまりません。



疲れたら、ちょっとハンモックで一休み。焼きたてのパンをほおばりながら、子どもだけの作戦会議。「おとなは入っちゃだめだよ!」。すみません。。。


ここからは、夏ならではの遊び場名写真集。やっぱり、水を使った遊びが大人気でした。


ペットボトルの手作り水鉄砲。相手にかけず、自分にかけています。だって、ほんと暑いんです。


底まで見える透明度の摺上川。冷たい水が、こんな青空の日には最高。


浅瀬で、ペットボトルロケットに挑戦。発射直前、ドッキドキの瞬間です。


今回の全10回のツアーは、大きな事故やケガなどもなく、無事に終了しました。参加してくれた子どもたちに意見を聞いたアンケート(有効回答数207)では、実に93.2%が「とても楽しかった」、93.7%が「また行きたい」と答え、非常に高い評価でした。また、同行した指導員の皆さんからも、「のびのびと自由に遊べたのが良かった」「危ないと思っていた活動も、やってみたら、意外と子どもたちはできるのだということが分かった」「おぜん立てされた遊びではなく、子どもが自分で考えて、遊びを発展させていっていたのが良かった」という、冒険遊び場ならではの、子どもの主体性を重視するアプローチを評価する声がたくさん寄せられました。また「普段は放射線を気にして、森の中でご飯を食べるようなことはできないので、野外でお弁当を食べられたのも貴重でした」といった声もありました。



ちなみに、今回のツアーで人気のあった遊びトップ3は、「木工・工作」「ブランコ」「川遊び」の順でした。一方、アンケートで、普段学童クラブや自宅でよくする遊びについて聞いたところ、ダントツの1位が「ゲーム(スマホ、テレビ)」、そして「トランプ・ウノ」「読書」と、インドア活動がトップ3を占めました。いくつかの学童クラブでは、いまだ子どもの外遊びを控えさせていることもあり、屋内でもできる活動が上位を占めたようです。
とはいえ、茂庭プレーパークでは、多くの子どもたちが「もっと外で遊びたい」と話していました。こういった子どもたちの思いに少しでも答えられるように、SCJとしても福島県内のプレーパークと連携した協働事業を今後も続けていきたいと思います。


(報告:福島事務所 中村雄弥)


 

〈コメラさんさんプロジェクト〉
 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは福島プログラムの一環として、震災後、「コメラさんさんプロジェクト」を開始しました。このプロジェクトは福島第一原発事故後、放射線被ばくへの不安や、長期化する避難生活の影響などから、福島県で野外活動や体を思い切り動かす機会が減少した地域の子どもたちが、安心できる環境で、自然体験をしたり、思い切り遊んだり、運動できる機会を提供することを目的としています。
※コメラは福島の方言で「子どもたち」の意。


 

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