日本/東日本大震災/福島(公開日:2014.04.20)
福島:飯舘村再会プロジェクト 『いいたてっ子だよ!全員集合♪』〜会えなかった友だちにもメッセージを〜(2014.04.22)
福島県飯舘村の子どもたちのための再会プロジェクト『いいたてっ子だよ!全員集合♪』のポスター報告書がこのほど完成しました。この再会活動は昨年12月22日〜23日に福島県のホテルリステル猪苗代にて行われたものです。乳児から13歳の子ども44人と保護者ら33人が集い、飯舘村から避難して離ればなれになった懐かしい友だちと再会し、一泊二日の時間をともに過ごしました。
参加したメンバーが、当日そこに集まれなかった仲間たちへ向けて絵やメッセージをしたためていましたが、それらを一つに集めたポスター報告書がこのたび完成し、年末に参加できなかった人々のもとに送られました。
飯舘村は高原の緑豊かな自然に恵まれた村でしたが、原発事故後に避難区域となり、村民は福島県内のみならず全国に避難してしまいました。2013年度は福島市飯野町に設けた幼稚園や小・中学校の仮設校舎には約200人の子どもたちが通園、通学していますが、約150人は県内外に転校してしいました。
サントリーホールディングス株式会社とセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は福島の子どもを支援するために行っている「フクシマ ススム プロジェクト」の一環として、NPO法人クラブネッツ主催、福島大学と日本大学の学生ボランティアの協力のもと、飯舘の子どもたちが家族とともに集う再会の場をつくろうとこの活動を実施しました。
風と雪で寒さも厳しい2日間でしたが、子どもたちはそり遊びや屋内プールで体を動かしたっぷり汗をかいていました。幼い子どもたちが楽しめる室内の工作コーナーもあり、ろうそく飾りやクリスマスリースなどを作って、思い思いの時間を過ごしました。
夜のレクリエーションタイムでは、クイズやダンスを楽しんだあと、一人ひとりの思いや願いをメッセージボードに表現しました。ある子どもは飯舘の美しい風景を描き、またある子は今回参加できなかった友だちにむけて「こんどはぜったいあそぼうね」と呼びかけていました。これらのメッセージを集め、参加者の表情とともにポスターにしたものがこのたび完成です。今回参加できなかった飯舘の人々にも、避難後の3年間に子どもが成長した姿をこのポスターを通じてお伝えすることができました。
震災と原発事故から3年が経過した今も飯館の人々は避難生活を余儀なくされています。予期せぬ別れや転校先での慣れない生活を経験する中では言葉にできない様々な苦労もあったことでしょう。時間を取り戻すことはできませんが、この再会の場では互いの成長を感じ、元気を交換して、また明日からの生活につなげてくれたことと思います。大学生のボランティアの皆さんが裏方仕事をしながら、子どもたちの元気を上手に引き出してくれたことも、この活動の成功のカギとなりました。
(福島事務所 金谷直子)