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日本/東日本大震災/福島
(公開日:2014.12.03)

【コメらさんさん(19)】 ユニリーバこども笑顔プロジェクト2014 リスク マネジメント ディレクター養成セミナー(2014.12.03)

 

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ) では、2012年から、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社(以下、ユニリーバ)の「ユニリーバこども笑顔プロジェクト」の協力のもと、福島県内の比較的放射線量の低い地域で、子どもたちが四季折々の自然体験ができる機会づくりを支援しています。

また、昨年夏からは、子どもたちの自然体験の機会をさらに広げるため、県内の指導者やプレーリーダーを対象とした研修支援をスタート。より質が高く安全な自然体験プログラムの企画・実施に役立てていただいています。本ブログでは、4回目を迎える研修「CONEリスクマネジメントディレクター養成セミナー」についてご報告いたします。

11月17日と18日の両日、福島県猪苗代町にある国立磐梯青少年交流の家で、「CONEリスクマネジメントディレクター養成セミナー」を開催しました。今回の研修は、自然体験の普及や推進に取り組む全国規模のネットワーク団体であるNPO法人自然体験活動推進協議会(以下、CONE)のカリキュラムに沿ったもの。講師にも、山・海・川での体験活動のベテランぞろいのCONEメンバーをお迎えしました。


二日間の研修が始まりました。豊富なご経験と実践で鍛え抜かれた
講師の方々のお話は実に説得力があります。

一方の研修参加者は、県内で子ども向けの自然体験活動に取り組むNPOのネットワーク「子どもが自然と遊ぶ楽校ネット」のメンバーや、県内で子どもの遊びやキャンプ活動で活躍するプレーリーダー、指導者など合計20人。豊富な経験と知識に裏打ちされた講師陣の素晴らしい講義に、参加者もどんどん引き込まれ、メモを取っていきます。



「活動におけるリスク」の時間では、想定される事故、予防策や発生したときに対処策、事後処理について、班ごとに話し合い、発表していきます。今回の研修では、屋外での実習はありませんでしたが、そのかわり、様々な事例を使った演習やグループワークをみっちり行い、安全管理を多角的に非常に深く学びました。研修科目は全部で6つ。「リスクマネジメント概論」「活動におけるリスク」「事故事例の研究」「ヒューマンエラー」「安全管理体制」「緊急事態への対応」です。「活動におけるリスク」の時間では、起こりうるリスクの想定、予防策や軽減策、事故が起こってしまった時の対処策、リスクを担保して備える方法、事後処理方法などをグループに分かれて話し合い、発表していきます。

また、「ヒューマンエラー」の時間では、「うっかり」「思い違い」「慣れ」「疲労」などによる人的な事故をいかに防ぐか、みんなで考え、話し合いました。そして、「緊急事態への対応」では、非常時にあわてず行動できるようにするためには、日頃からの訓練や、誰にでも使っても同じ結果が得られるマニュアルづくりが大切であることを、テーマパークなどでの実例を交えながら学びました。また、自然体験活動を実施する際に入っておくべき保険や、保険が適用されない活動、保険に入っていないばかりに大変な不幸な結果を招いた事例などのお話を聞きました。


今回の研修を受講し、試験に合格すると、CONEのリスクマネジメントディレクターの修了証と認定資格が得られます。二日目の午後は、いよいよリスク マネジメントディレクターになるための試験!自分の団体で抱えるリスクマネジメント上の課題と、取り組むべき安全対策を考え、行動計画を作る、というものです。普段は冗談を言ったりして、子どもたちを楽しく過ごすプレーリーダーたちも、この時ばかりは、姿勢をただし、頭をひねりながら一生懸命考え、ペンを走らせます。


(上)試験に挑む受講者の皆さん!
(下) 「ここは、どうやって対処したらいいでしょうね」、
行動計画について話し合う受講者


60分の検定試験を終え、講師、参加された皆さんからの振りかえり、そして、気がつけばあっという間に閉会式。皆さん、修了証を受けとり、嬉しそう。でも、研修はそれ自体が目的ではなく、参加者が、研修で学んだことを現場に活かし、安心・安全な自然体験の環境づくりができて、初めて研修の成果が出ます。



SCJでは、これからも、福島の子どもたちが、のびのびと自然体験や遊び、運動ができる環境づくりに取り組むとともに、それらの活動を支えるおとな達の応援も続けていきます。
報告:福島事務所 五十嵐和代


<コメラさんさんプロジェクトについて>
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、福島プログラムの一環として、震災後、「コメラさんさんプロジェクト」を開始しました。このプロジェクトは、福島第一原発事故後、放射線被ばくへの不安や、長期化する避難生活の影響などから、福島県で野外活動や体を動かす機会が減少した地域の子どもたちが、安心できる環境で、自然体験をしたり、思いきり遊んだり、運動したりできる機会を提供することを目的としています。2014年夏には、福島県の裏磐梯や阿武隈高地における野外キャンプなどを計画しています。
※コメラは、福島の方言で「子どもたち」の意。

<ユニリーバこども笑顔プロジェクトについて>
「ユニリーバこども笑顔プロジェクト」では、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを通じて、東北の子どもたちが思いきり遊べる場所や機会を継続的に提供しています。2011年にはラックスやダヴの売上の一部が公園再建のための寄付になるキャンペーンを実施。2012年からは、コメラさんさんプロジェクトを中心に支援しています。


 

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