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日本/東日本大震災/福島
(公開日:2016.04.20)

【福島:放射能リテラシー(18)】放射能リテラシーハンドブック「みらいへのとびら」ができました!〜話してみない?自分のこと、みんなのこと、放射能のこと〜

 

セーブ・ザ・チルドレンでは、2013年11月から2015年12月まで、福島の子どもたちを対象に、「放射能リテラシーワークショップ」を実施してきました。ワークショップに参加した子どもたちは、実に490人!参加した子どもたちは、被ばくから身を守るために必要な基本的な知識を学び、食の安全や避難など、放射能に関係する社会問題について、話し合ったり、意見を出し合ったりして、放射能に関係する問題について、いろいろな考えや立場にある子どもたちについて理解を深めました。

この度、セーブ・ザ・チルドレンは、「みらいへのとびら 〜話してみない?自分のこと、みんなのこと、放射能のこと〜」というハンドブックを作りました。このハンドブックは、ワークショップで子どもたちが学んだ放射能についての基本的な知識、放射能に関連する社会問題ワーク、それらのワークについての子どもたちの意見や感想、そして、子どもたちが答えたアンケートをまとめたものです。

みらいへのとびら 〜話してみない?自分のこと、みんなのこと、放射能のこと〜」PDF版はこちら


表紙(左)は、4つのとびらを開いて段階的に学んでいくことをイメージして作りました。放射能から身を守るための基本的な知識を紹介するページ(中央・右)は、子どもたちからの質問をもとに作りました。

 

放射能に関係する社会問題を扱ったワークは全部で9つ。これまでのワークショップに参加した子どもたちが書いたカードやアンケート結果も読むことができます。

「みらいへのとびら 〜話してみない?自分のこと、みんなのこと、放射能のこと〜」について

「みらいへのとびら」は、主に10歳から15歳までの子どもを対象にしています。ひとりで学ぶセルフワークブックとしても、また、学校の授業や課外活動、学校外での子どもたちのグループ活動の一環としてワークショップ形式でも使うことができます。

「みらいへのとびら」は以下のように4つのとびらから構成されています。

とびら1: 2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故発生で、どんな経験をしたか、それから家族、友だち、住むところや学校などで、どんななことを経験したか、どんな気持ちだったかを振り返ります。

とびら2: 被ばくから身を守るために必要な放射能についての基本的な知識を学びます。子どもたちから出された質問を中心に、図や絵を使って、23の質問にわかりやすく答えます。また、緊急時の対応についても一覧でまとめてあります。

とびら3: 放射能に関係しての子どもを取り巻く社会問題を考えます。4つのワークを通じて、食の安全、避難、風評被害などについて、考えてみます。これまでのワークショップで出された子どもたちの意見やアンケート結果も載せました。

とびら4: 原発事故を経験した子どもたちが、これから就職や進学をして、事故や放射能の影響、出身地の状況について聞かれ時、どのように答えるかを考えていきます。高校教員の新聞投稿記事や日本に留学する学生からの質問のワークを通じて、子どもたちが自分の立場を客観的に取られ、他者に説明できるようになることを目指します。

ワークショップのための進行案、アンケートなどもあります!
「みらいへのとびら」をワークショップでご活用いただけるよう、全9ワークの進行案を作りました。またワークショップ実施にあたり、実施者と参加団体間で、事前に確認しておくべき事項をまとめた事前チェックリスト、ワークショップの実施前や後に使えるアンケートなどもご用意しました。

放射能リテラシーワークショップ進行案(ワーク1〜9)  ワード文書版
放射能リテラシー事前確認リスト     ワード文書版
放射能リテラシーワークショップ事前アンケート   ワード文書版
放射能リテラシーワークショップ事後アンケート(通常)  ワード文書版
放射能リテラシーワークショップ事後アンケート(最終)  ワード文書版
※ これまでの放射能リテラシープロジェクトのブログ(1)〜(17)は、本ページ最下部をご参照ください。
※  事後アンケート(通常)はそのワークショップについてのみ質問したもの。事後アンケート(最終)は、ワークショップについての質問に加えて、事前アンケートと同じ質問(放射能については話したいと思うか、放射能について学ぶことは大切だと思うか)を設けています。これは、ワークショップ参加前後での参加者の考え方の変化を見ること目的としています。

2016年3月で東日本大震災、原発事故発生から6年を迎えます。放射能の影響を受けている子どもたちひとりひとりが、「みらいへのとびら」を使って、できるだけ放射能から自分の体を守り、身の回りにある放射能の問題を考え、それぞれの意見や立場をわかり合えるようになることを願っています。
(担当 五十嵐和代)

<放射能リテラシーワークショップについて>
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、東日本大震災復興支援事業福島プログラムの一環として、 2013年9月から放射能リテラシープロジェクトを始めました。このプロジェクトは、福島県の子どもたちが、放射能について学び、さまざまな情報や報道を 読み解き、自分なりに判断する力を養うことを目的として、2013年11月から子ども向けの放射能リテラシーワークショップを実施しています。これまで、 福島市、いわき市、郡山市、双葉町、楢葉町で主に小中学生を対象にワークショップを行っています。



セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 東日本大震災復興支援プログラム
福島プログラム 放射能リテラシープロジェクト ブログ

【福島:放射能リテラシー(1)】〜ワークショップが始まりました〜(2013.12.26)
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【福島:放射能リテラシー(4)】イギリスの雑誌記者が福島の子どもたちにインタビュー(2014.07.04)
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【福島:放射能リテラシー(17)】 避難ってどんなこと?転校、引っ越し、家族、友だち (2016.2.1)


 

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