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日本/東日本大震災/福島
(公開日:2013.08.29)

福島:子どもを理解して、より良い自然体験の提供を目指そう!〜福島県郡山市で指導者向け研修を実施〜(2013.08.29)

 

楽しかった夏休みもついに終わりですが、この夏みなさんはいかがお過ごしでしたか?夏休みと言えば、野外で思いっきり遊んで、真っ黒になった子どもたちの姿が思い浮かびます。私も子どものころには、毎日朝から晩まで、外で遊びまわっていました。日が暮れるまで遊んでも、まだまだ遊び足りない、この夏、きっと同じような気持ちを抱いた子どもたちも多いのではないでしょうか。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)はこの夏休み、福島の子どもたち向けに様々なスポーツイベントや野外キャンプを用意しました。そんなイベントを実施するのに欠かせない指導員の皆さんを対象に、“子どもを更に理解する”“自然体験を更に面白いものにする”ことをねらいに、指導員研修を行いました。研修では、座って講義を聞くだけでなく、実際に森へ探検に出かけたり、保育園の子どもたちに参加してもらったりと、体験しながら学ぶ実践的なワークショップにも挑戦してもらいました。研修を通じて、指導員の皆さんはどう変化したのでしょうか?!(詳しい研修内容はこちら


「まずは自分で考えて、子どもたちと遊んでみてください」と講師。元気いっぱいの保育園児が今日は遊びの“先生”です。


飛んだり、跳ねたり。「こうやって遊ぶと楽しいでしょ!」子どもたちの遊びの創造力は際限ありません。

福島県では、原発事故後、2年以上たった今なお多くの地域で屋外遊びが制限されており、避難によって離れ離れになっている子どもたちがたくさんいます。そのような状況の中で、毎日を過ごす子どもたちのために、SCJは、福島県内の、比較的線量が低く、豊かな自然環境の中で安心して、元気に外遊びができる場を提供することを目的として、「ふくしまコメラさんさんプロジェクト」(コメラは、福島の方言で「子どもたち」の意)を展開しています。

同プロジェクトでは、ユニリーバ・ジャパン社の全面支援を受け、福島県内各地に拠点を置いて活動している総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型SC)や自然活動系NPOを軸として、子どもへ運動機会・自然体験を提供していくことを狙いとしています。今年の8月には、南会津町で、同町を拠点に活動している、ひのきスポーツクラブ(南会津町に拠点を置く総合型SC)と協働して、最長3泊4日の移動野外教室「南会津冒険王プロジェクト」を2回実施しました。

総合型SCは県内に約90あり、各地でスポーツ少年団を運営しており、住民向けのスポーツ教室や各種イベントなどを開催しています。そのためスポーツについてのノウハウは豊富ですが、自然環境における体験活動については、それほど経験のないクラブも少なくありません。そこで、夏の野外キャンプに向けた準備が必要となり、7月4,5日に、2日間の宿泊研修を開催したというわけです。


子どもやアウトドアに関する講義も満載。各分野を代表する専門家の講師に対して、受講者から積極的な質問が目立ちました。

会場は、郡山市郊外にある、県郡山自然の家です。市街地から車でわずか20分の立地ながら、森に囲まれた素敵な環境です。今回は、夏の野外教室に直接かかわるクラブの若手指導員を中心に、計10団体から計17人が受講しました。2日間の研修は、野外プログラムの実習から子どもの発達段階に合わせた運動理論まで、計6科目で構成。講義ばかりでなく、実際に体験しながら学ぶ実習をたくさん盛り込みました。あいにくの雨模様でしたが、屋外での実習も予定通りに実施することができました。


真剣に森の中を観察する指導員の皆さん。「こんなに時間をかけて、森を見るのは初めて」。じっくり見ることで、普段は見落としがちな植物と虫たちの多様な世界が見えてきます。」 

終了後に実施したアンケート結果を見ると、いずれの講座も、満足度が高く、「有益だった」とのコメントが多数寄せられました。また、「普段あまり接する機会のない、他のクラブスタッフと交流する機会が持てて良かった」とネットワーキングの効果を上げる声も目立ちました。二日間に及んだ研修は、講座の時間が長く、実習も多かったため、体力的にはとても大変そうでしたが、みなさん集中力を切らさず、最後まで熱心に受講いただきました。本当にお疲れ様でした。



手前味噌ではありますが、計6講座、いずれも自然体験・運動機会の提供に関して、非常に重要な示唆に富んだ研修内容であったとあらためて思います。アンケート結果を見ると、いずれの講座も満足度が高く、「有益だった」とのコメントが多数寄せられ、主催者としても、手ごたえを感じるところです。また、「普段あまり接する機会のない、他のクラブスタッフと交流する機会が持てて良かった」とネットワーキングの効果を評価する声も目立ちました。

地域に根付いた総合型SCは、今後も、福島県内の子どもたちに自然体験・運動機会を提供する上で、非常に重要な存在になると思います。SCJでは、今後とも総合型クラブや自然活動系NPOのみなさんと協働して、福島の子どもたちに必要な、運動や自然体験の場を提供していけるよう、努力していきたいと思います。

(報告:会津若松事務所 中村雄弥)


 

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