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日本/東日本大震災/教育
(公開日:2013.01.11)

「キリンSCJ『絆』奨学金」のつながる輪(2013.1.11)

 

「キリンSCJ『絆』奨学金」は、被災地の将来の発展を支える子どもたちの学びの機会を大切にしたいと願うキリングループと、東日本大震災で被災し学業に支障が生じた子どもたちの支援も行うセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)が、岩手・宮城・福島県内の県立農業高校および、県立高校の農業関係科目を履修している高校生を対象に、協働で実施しています。2011年10月31日より奨学金給付を開始しました。
今回、奨学金の受給生が在籍している宮城県の亘理高校文化祭と、福島県の磐城農業高校収穫祭に参加させて頂きました。両校とも東日本大震災で被害を受け、今も不自由な学校生活を送らざるを得ない中、奨学金の受給生を含めた両校の生徒さんは、各自の目標を見つけ充実した学校生活を送っています。

■亘理高校文化祭
2012年10月26日、27日の2日間、亘理高校文化祭『亘高祭2012』が開催され、お二人の生徒にお話しを聞きました。


演劇部で活動している食品化学科2年生の橋爪さん


文化祭の野菜販売スタッフとして店に立った園芸科の小野さん

橋爪さんは演劇部に所属し、日々発声練習や台詞覚えなどに励んでいます。現在は、歌手を夢見る女子高生が高校卒業後上京するか地元に残って仕事をするか、家族や先生を巻き込み葛藤する『ちゃぶ台の詩』という演劇で、主役の女子高生の祖母役を熱演しています。
この演目で演劇部は、10月上旬に行われた宮城県南部地区大会で最優秀賞を受賞しました。11月に行われる宮城県大会においても、最優秀賞を目指して稽古を重ねていました。将来は、食品化学科での学びを活かし、調理師になることが夢だそうです。


『亘高祭2012』のパンフレット(右)と、演劇部の文化祭講演のチラシ(左)

小野さんは、文化祭2日目である27日、野菜販売でスタッフとして店に立ちました。販売は、日頃園芸科で育てている野菜や花を市価よりもかなり安い値段で販売するため、毎年近隣の住民の皆さんが楽しみにしている恒例行事です。当日は、ねぎ、パンジー、ハボタンが販売され、ねぎは約10〜15本をまとめた束を300円で販売されていました。
発売開始時間である午前10時の15分前から行列ができ始め、発売開始時には約70人の地元の方々が列を作りました。しかし、小野さんに聞くと、この人数は昨年よりも少ないそうです。販売開始後15分で、用意された野菜と花は、全て完売しました。


販売開始前から地元の皆さんの行列ができました。


大きなねぎの束。市価よりも格段に安いため、1人1束限定です。


小野さんも店に立ってねぎの販売を行いました。


色鮮やかに咲いたパンジーも販売されました。

■磐城農業高校収穫祭
2012年11月9日、奨学金の受給生が在籍している磐城農業高校にて収穫祭が開催され、参加させて頂きました。全校生徒がグランドに集まり、各クラス4つのグループに分かれてバーベキュー形式で会食を行いました。
メニューは各グループがそれぞれ話し合って決めることが出来ます。焼きそば、焼き肉、野菜炒め、焼きフランクフルト、野菜がたっぷり入ったみそ汁など、各グループは、学校で収穫した野菜やケチャップなどの加工品を使って、バラエティーに富んだ料理を作っていました。


バーベキューの定番、焼きそば。


収穫した野菜をクラスのみんなと食べると、味もまた格別。


ピザを焼くグループも。とてもうまく仕上がっています。

東日本大震災は、地元の農業にも大きな打撃を与えただけではなく、将来農業を志す高校生たちの教育環境にも大きな困難をもたらしました。そのような状況を受け、「キリンSCJ『絆』奨学金」は、キリングループの「復興支援 キリン絆プロジェクト」活動の一環としてSCJと協働で設立されました。将来、農業を志す生徒の皆さんが学業に明るい未来を見出せること、東北地方に受け継がれてきた豊かな農業を未来につなげていくことに期待が込められています。今後も継続して「キリンSCJ『絆』奨学金」は、農業を志す生徒さんのサポートを行ってまいります。

(報告:広報 三輪 喜則)


 

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