日本/東日本大震災/教育(公開日:2013.06.24)
「農業の明るい未来に、食への『絆』を繋ぐ」柴田農林高校奨学金贈呈式(2013.6.24)
「キリンSCJ『絆』奨学金」 は、被災地の将来の発展を支える子どもたちが学べる機会を大切にしたいと願うキリングループと、世界中で子どもの権利が実現される社会を目指すセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)が、岩手・宮城・福島県内の県立農業高校及び県立高校の農業関係科目を履修している高校生を対象に、協働で実施しているものです。2011年より奨学金給付を開始し、今年度で3年目を迎えました。
6月11日、キリンSCJ『絆』奨学金対象校のひとつである、宮城県柴田農林高等学校(以下柴田農林高校)で2013年度の奨学金贈呈式を行いました。柴田農林高校は創立1908年(明治41年)、今年で105年目を迎える伝統と実績のある農業高校です。食農科学科、動物科学科、森林環境科、園芸工学科の4学科があり、農業はもちろんのこと、様々な分野で地域に多くの人材を輩出しています。部活動にも力を入れており、ウェイトリフティングの強豪校でもあります。今年度、柴田農林高校では18名がキリンSCJ『絆』奨学金の支給を受けることが決定しました。
式典では、先ずキリン株式会社 CSV推進部 絆プロジェクト チームリーダー 野田哲也さんから奨学金受給生たちに対し、次のようなエールが送られました。「食が人々の生活の基本にある限り、農業が秘める可能性は無限大に広がっていると信じています。」「皆さんが農業の素晴らしさを学ばれること、そして東北の農業の明るい将来に向かって食への『絆』が繋がれていくことを切に願います。」また、SCJ理事 横山からも、激励の言葉を送りました。「農林業という、東北の復興、そして日本を支える大切なお仕事をするための勉強に役立ててください。」「高校生時代は勉強だけではなく、好きな事をする大切な時間でもあります。地域の人に甘えながら、先生方に甘えながら、素晴らしい学校生活を送ってください。」横山も同じ宮城県の出身。将来にわたり地域を支えていく高校生達に、困難な環境に負けずに学校生活を十分に楽しみ、羽ばたいてほしいという思いが滲んでいました。
写真 (左)キリン株式会社 野田哲也さん (右)SCJ 横山英子
柴田農林高校校長 ?橋欣也先生からは、受給生達に向けて「色々な人達から支えられている事を感じながら、高校の中で輪を広げ、自分の進路を見定めて学校生活を送ってください。」
とお話がありました。スポーツマンである高橋先生は、ご自身の高校時代の部活の思い出も交えながら、支えられ支えていくことの大切さを語ってくださいました。
柴田農林高校校長 ?橋欣也 先生
その後、野田さんから受給生代表の2年生、日下千鶴さんにメッセージの贈呈がありました。日下さんからは、「この学校で農業を学び、私たちの生活の基本である食糧生産の大切さや、農業が環境に与える影響などを学ぶことができます。」「皆さんが私たちを応援して下さったことを決して忘れることなく、これからも一生懸命勉強に励みたいと思います。」とお礼の言葉がありました。また、「農業や環境の大切さ、世界の人々が飢えることなく幸せに生きることができる社会を目指して勉強していきたい」と決意を述べてくれました。
奨学金受給生代表の2年 日下千鶴さん
東日本大震災は、地元の農業に大きな打撃を与えただけではなく、将来農業を志す高校生たちの教育環境にも大きな困難をもたらしました。こうした状況を受け、「キリンSCJ『絆』奨学金」は、キリングループの「復興支援 キリン絆プロジェクト」活動の一環としてSCJと協働で設立されました。将来、農業を志す生徒の皆さんが学業に明るい未来を見出せること、東北地方に受け継がれてきた豊かな農業を未来につなげていくことに期待が込められています。「キリンSCJ『絆』奨学金」は、今年も農業を志す生徒の皆さんのサポートを行ってまいります。
将来の「食」を支える若い世代を、私達は応援します。
(報告:仙台事務所 早坂貴文)