日本/東日本大震災/教育(公開日:2012.03.26)
「おいしいごはんで、おなかも気持ちもいっぱいに」
石巻市小学校 給食補食支援・デザート支援(2012.3.26)
伺ったのは1、2月のデザート支援の日。デザート支援とは、大震災からもうすぐ1年、被災直後の大変な状況を乗り越えて頑張ってきた子ども達へのプレゼントで、素敵なデザートを1品提供させていただきました。
これまでセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)では、石巻市内の幼稚園、小・中学校に対し、週1回、野菜ジュースの支援や、給食時に使用するお皿・おぼん・箸箱や巾着袋の支援を行ってきました。また7月の土曜日には震災のため、足りなくなった授業を行ったため、お昼の時に「ランチ」を提供するなど様々な支援を行ってきました。
■みんななかよし 鮎川小学校6年生■
牡鹿給食センター担当エリアへは1月31日に「いちごクレープ」を提供。鮎川小学校6年生のクラスへ伺いました。
いちごクレープを手に、はいチーズ
石巻市は、海側の給食センターはもちろん、内陸も大きな被害を受けました。そのため4〜5月は調理ができずパンと牛乳を中心とした給食でしたが、復旧の進んだ6月からは米飯とおかず1品が提供されるようになりました。
その中でSCJは、週1回の野菜ジュースの提供を始めました。ビタミン不足の声が高まっている中、栄養のバランスへ配慮したメニュー選択でしたが「ちょうどいい水分補給にもなった」「暑い季節に冷たいジュースは大変ありがたかった」という声をあちこちからいただきました。
こちらのクラスでも、6月から提供している野菜ジュースのことを聞くと、
「残したことないよ。野菜っていうか、ジュースとして好き。」
「デコポン、紫の野菜ジュースがおいしかった。ナスが嫌いだけど、紫好き。」
と、次々に感想を言ってくれました。
■元気いっぱい 鹿又小学校3年1組■
河南給食センター担当エリアは、2月14日に「ココアワッフル」を提供。鹿又小学校3年生のクラスへ伺いました。
こちらでも野菜ジュースは好評で、「苦手な人はいる?」とたずねると、「はんたーい(反対)、すきー、すきー」と声が上がり、「じゃあ野菜ジュース好きな人は?」と聞くとたくさんの生徒さんが手をあげてくれました。
途中「これもセーブさんから頂いた物ですよね。」と給食担当の先生が声をかけてくれました。先生が指していたのは緑色の箸箱。2学期の始めに提供した箸箱でしたが、みんなキレイに使ってくれていました。
おぼんとお皿、箸箱、巾着袋を提供しました
今年度は給食センターでの食器洗浄のシステムがまだ整わず、生徒さん各自で食器を持ち帰り洗っています。低学年の子どもが、食べ終わった食器の汚れに注意して毎日持ち帰るのは大変なこと。そのため夏にはSCJで箸箱と持ち帰り用の巾着袋、またおぼんやお皿を提供しました。
以前、ランドセルにボロボロの巾着袋がギュっとくくりつけられていたのを見たときは、毎日使ってくれているのだなと嬉しくなりました。
■あかるい笑顔 二俣小学校4年生■
河北給食センター担当エリアへも2月14日に「ココアワッフル」を提供。二俣小学校の4年生のクラスへ伺いました。
「どの野菜ジュースが好き?」
「ピーマン嫌いだけど、緑の(オリジナル味)は飲めた。」
「シークヮーサー味!炭酸の味するから」
炭酸は入ってないけど…美味しいってことかな(?!)
他に好きなメニューを聞くと、カレーライスやハヤシライスが多数。私たちが小学生の時と同じでした。定番メニューは変わらないんですね。
■楽しい笑い声 山下小学校5年1組■
最後は2月28日に住吉給食センター担当エリアの山下小学校5年1組に伺いました。こちらへは「プチシュークリーム(クリーム味、チョコ味)」の提供です。
お話を聞こうとすると最初は恥ずかしがる子がたくさんいましたが、慣れていくにつれてカメラに向かってピースをしたり、こちらの問いに大笑いしながら答えてくれる子もでてきて、とても賑やかな給食時間となりました。
またこの日はちょうど、私たちの提供する野菜ジュースがメニューに入っていましたが、給食全体で十分な量があり、持ち帰る子どもも半分くらいいました。先生によると、苦手な生徒もいるけれど、分けたり持ち帰ったりして、教室に残ることはほとんどないそうです。
石巻市の学校給食は、市職員の方々の尽力で、現在は温かい汁物やおかずも付くようになり、来年度からは完全給食に戻ることになります。
別れ際、「大きいおじさん、バイバイ!」と声をかけられ、振り向くと笑顔の子ども達がいました。これからも、楽しい給食時間で心の栄養も摂ってほしいと思います。
皆さん、美味しく給食を食べて下さいね。
(報告/仙台事務所 斎藤・早坂)