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大船渡市立末崎中学校「ワカメ販売」を支援しました(2012.09.27)

日本/東日本大震災/教育
(公開日:2012.09.26)

“今回の経験を学校生活にも活かしていきたいです”
大船渡市立末崎中学校「ワカメ販売」を支援しました(2012.09.27)

 

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、昨年の震災以降、様々な形で東北の子どもたちの教育支援を展開しています。このたび、岩手県大船渡市立末崎中学校の恒例行事「ワカメ販売」のお手伝いをさせていただきました。


末崎中学校は全校生徒133名、昨年の震災では、校舎こそ被害がなかったものの、校庭には仮設住宅が建設され、約半数の生徒さんが何らか震災の影響を受けていいます。
当校は、11年前から地場産業である「ワカメ栽培」を継承する後継者の育成として学校教育の中で「ワカメ育成・商品化、販売実習」を行っており、毎年修学旅行で訪れた東京でワカメを販売し、大好評のもと完売をしていました。
昨年3月の震災によって、ワカメもその育成施設も全て津波に流されてしまいました。それでも昨年、大船渡市内でワカメの販売を実施しましたが、今年は末崎のワカメで復興の機運を高めたい、という思いで盛岡市内への遠征販売を決定しました。そこで、SCJが大船渡市から盛岡市までの交通としてバス支援を、さらには、SCJの永きにわたるパートナー企業のひとつである株式会社ファミリーマートのご支援を受けて、ワカメ販売にプロの技を伝授いただき、販売に臨みました。

◆9月14日(金) ワカメ販売指導
多目的ホールに集まった、中学2年生は48名。
まずはじめに、SCJスタッフより「子どもの権利」と支援活動について紹介させていただきました。「みなさん、何歳までが子どもと定義されていると思いますか?」「世界で何カ国が子どもの権利を批准しているでしょうか?」20分ほどでしたが、駆け足で子どもの権利に基づくSCJの活動について理解を深めていただきました。

子どもの権利と支援活動について説明するSCJスタッフ。藤原(左)と清水(右)


続いて、ファミリーマート盛岡営業所長 大日方様から販売の「心得」を教えていただきました。大日方様曰く、販売の基本は“気持ちを伝えること”。「みなさん、末崎のワカメのおススメのポイントを教えてください」生徒さん達から、末崎ワカメの魅力を引き出します。大日方様は「みなさんには当たり前すぎてわからないかもしれないけれど、三陸ブランド、栽培日本一、肉厚、歯ごたえがいい、健康食品、、、などなど、ここのワカメはいいところがいっぱいあるんですよ」と、まず製品のことをよく知ることから始まりました。販売指導は「1.ワカメのことをよく知る(モノ)2.接客とマナー(ヒト)3.販売物(努力)」と続きます。接客のマナーでは、“お客様に信頼されること、お客様がいい気持になること”を教えていただきました。「身だしなみは、他人から見て好感をもたれる見ためが重要です」など、プロの心得に一同納得です。
30分の限られた時間の中で充実した講義が続き、生徒さんたちは、真剣に耳を傾けていました。
 
惜しげもなくプロの販売技術「心得」を伝授して下さった大日方様
 
最後はみんなで笑顔の練習。顔の筋肉をほぐして、「ミッキィー」と言って口を横に開いて笑顔を作ります。ファミリーマートでは1時間かけて笑顔の練習をするそう!
生徒代表で今回の講義の感想を述べてくれた山本宗輝さんは「接客が良くわからなかったので勉強になりました。社会人になってからも活かせるのでとてもよかったです。ワカメを売り切りたいです!」と語ってくださいました。1週間後はいよいよ盛岡での販売です。


◆9月21日(金)ワカメ販売 盛岡市内
末崎中学校の2年生48名は7時半にバスに乗り込み、大船渡を出発して盛岡に到着。ワカメの販売場所は4カ所(盛岡駅FESAN、KAWATOKU、肴町アーケード、イオン前潟店)です。朝から小雨が降っていましたが、バスを降りると生徒たちは早速、道行く人たちに手作りのチラシを配ります。

 4カ所それぞれの販売情報を書き込んで、販売開始前に売り場周辺の人たちへチラシを手渡します。お客様がいっぱいきますように!

生徒たちは、十数名のグループに分かれて4カ所の売り場につき、1カ所で300袋を販売します。更に1カ所のグループを2つに分け、交代で売り場を担当します。グループ内で呼び込みをする人、接客をする人、会計をする人、それぞれ作業を分担して効率よく販売に臨みます。

いよいよ販売開始です。
人々が販売所の前で足を止めます。
「大船渡から売りに来たって聞いてきました」
「チラシもらったので来てみましたよ」
「がんばってね!」
と声をかけてくださる方もたくさんいらっしゃいました。
イキイキと笑顔で接客する生徒さんたちの姿に人が集まります。生徒さんたちは何処の会場でも、
「三陸産ワカメだよ?、おいしいワカメ買って行ってくださーい!!」
「おいしいワカメいかがですかー」
と一生懸命声を出し、頑張って販売していました。
販売時間は3時間。「最初は人が来なくて呼び込みが大変だったけど、お客さんがたくさん来てくれて楽しくなってきた!」と徐々にやる気も盛りあがっていきます。それでも客足が途切れると、大日方様からの授業で習った『モノ』の特徴を加えるようにアドバイスを受けて、気合を入れ直し「私たちが作りました。肉厚でおいしいワカメです!!」と声を張り上げ宣伝にはげみました。


【肴町アーケード】
ファミリーマート盛岡営業所長 大日方様も駆けつけて(左から2番目)。 チラシ効果もありアーケードを通り行く人たちが詰めかけて大繁盛。4カ所で一番早くに300袋を完売しました。


【KAWATOKU 公園口入り口】
小雨が降る中、屋外での販売場所でしたが、百貨店に入るお客様が足を止めてワカメを購入してくれました。

【イオン前潟店】
販売ブースを離れ、手作り看板をもって店内を練り歩き、呼び込みもしました。


【FESAN】
盛岡駅ビル内のイベントスペースに販売場所をいただきました。みんな懸命に大きな声で呼び込みをします。完売まであと少し!!


14:30過ぎ、4カ所で全1234袋が完売しました。
完売までに苦労した場所もありましたが、販売を終えた生徒さんたちは充実感と自信に充ち溢れているようでした。
「販売指導の時の“みっきぃー”(笑顔づくり)が役に立ちました」
「滑舌よく、はっきり言うこと。のアドバイスが効きました!」
「ものを売るって、大変ですね」
「ワカメ販売の経験を学校生活にも活かしていきたいです。」
と感想をいただきました。生徒さんたちは販売指導を実践し、実際の販売で多くのことを学んだようです。
販売指導から立ち会った私たちスタッフも、こうした子どもたちの活動、および地域の活性化に貢献できる支援の重要性を改めて実感しています。この素晴らしい支援の機会を与えてくださった、末崎中学校とご協力くださった株式会社ファミリーマート、大日方様に心より感謝します。岩手県教育委員会からも「備品だけでなく、ソフト面でも支援していただけるのは本当にありがたいです。これからもよろしくお願いします」と評価いただきました。
SCJでは、これからも、継続的にソフト面での子ども支援事業を推進していきます。
(報告:広報 佐藤則子)


 

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