日本/東日本大震災/教育(公開日:2013.11.20)
「キラキラしてキレイ。おもしろかった!!」〜おもしろびじゅつ教室in東北 @宮古市〜 (2013.11.19)
「すごい!キラキラしていてきれいだよ。」「難しくないよ。面白かった!」あちこちから聞こえてくる嬉しそうな声。その声の主は、小学生の子どもたちです。日本の伝統的な漆芸品の美しさにはうっとりしてしまいますが、今回はなんと蒔絵の技法「地蒔き」に子どもたちがチャレンジしましたよ!
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、サントリーホールディングス株式会社が主催する岩手県宮古市での『サントリー&日本工芸会 「おもしろびじゅつ教室 in 東北」』(以下、「おもしろびじゅつ教室in東北」に運営協力しました。この出張授業は、公益社団法人 日本工芸会の特別協力と公益財団法人サントリー芸術財団の運営協力によって実施。著名な工芸作家の方々を講師に招き、作家との交流や作品の鑑賞、ワークショップなどを通じて、被災地の子どもたちに日本美術や伝統工芸の面白さ、ものづくりの楽しさや喜びを感じてもらうことで、子どもたちの心が日常性を回復していけるよう貢献することを目的としたものです。
10月6日(日)、岩手県宮古市教育委員会の協力により「宮古市産業まつり」のイベントの1つとして第1回目の「おもしろびじゅつ教室in東北」が行われました。今回は、小学4年生から6年生の子ども36人、大人2人の計38名が参加しました。
工芸界の第一線で活躍されている4名の漆芸作家の方々を先生としてお迎えし、和やかな雰囲気で行われました。
メイン講師:藤田 正堂先生メイン講師:藤田 正堂正堂先生メ三好 かがり 先生
野口 洋子 先生 AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA 豊平 江都 先生
■はじめに、メイン講師である、藤田先生から漆についてお話がありました。子どもも大人も、漆の話に興味津々です。はるか昔から器や装飾品に使用される万能の塗料として重宝されてきた漆。海外へも輸出されヨーロッパの王侯貴族にも人気があったそうで、漆器は英語で“japan”と呼ばれているほどです。
※尚、藤田先生はこのたび紫綬褒章を受章されました。
蒔絵を制作する際に使用する様々な道具。筆はネズミや猫の毛、粉筒は竹や葦、鶴などの
鳥の羽根を使っています。道具自体が大変貴重なものです。AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
実際に先生が作成した漆を使った様々な器の展示もありました
■お話のあとは、いよいよ体験です!!AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
〜 菊の型紙を、黒い板に糊で貼ります。aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
この文様は、サントリー美術館所蔵 国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」の蓋裏に施された
3種類の草花のひとつです。aaaaaaaaaAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
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〜 文様を避けながら、漆に見立てた”蜜陀油(みつだゆ)”を地に塗っていきます。 塗る場所により筆の使い分けが必要です。
とても細かい作業。筆を握る姿は真剣そのものです。
〜 金粉に見立てた真鍮粉を文様を避けながら蒔いていきます。
粉筒から、トントントントン・・・と丁寧に真鍮粉を蒔いていきます。思うように蒔けるようになるまで、10年かかると言われている難しい作業ですが、先生方が優しく教えてくださいました。
体験した子どもたちからは、「粉をまくのが面白かった。きれいにできたよ」、「漆についてもっと知りたいと思いました」、「この技法には性格が表れると思う」と話し、世界に一つしかない自分の作品を大事そうに持ち帰りました。
「おもしろびじゅつ教室in東北」は、岩手、宮城、福島の3県で順次開催していきます。
(遠野事務所:藤原 和歌子、平瀬 千登世)