日本/東日本大震災/教育(公開日:2012.11.19)
「つくって、わかる。発電・蓄電ワークショップ」
ソニー・サイエンスプログラム@山王小学校・城南小学校
(2012.11.19)
10月25日、26日にセーブ・ザ・チルドレンとソニー株式会社の協働プロジェクト「RESTART JAPAN」の支援により、宮城県多賀城市の山王小学校と城南小学校でソニー・サイエンスプログラムが開催されました。
25日には山王小学校の3年生・4年生・5年生、26日には城南小学校の5年生・6年生を対象に実施しました。
「発電・蓄電ワークショップ」は、小学生が発電のしくみや、電気をためる方法など電気への基礎的な知識を学び、それを発展的に体験できるプログラムです。身近な生活への応用例や未来への展望を感じることで、学校の理科授業に対する自発的な学習意欲の向上を目的にしています。
それぞれ、前半の授業ではスティックジェネレーターと呼ばれる手動の発電機を作成し、後半の授業では、9種類のパビリオンで発電・蓄電を体験しました。
では、さっそく当日の授業の様子をお伝えします。
【授業前半:スティックジェネレーターの組み立て】
今回は、多賀城市のソニー(株)仙台テック、白石市のソニーセミコンダクタ(株)白石蔵王テック、さらには東京のソニー社員やソニー仙台FCの選手が講師や実験補助スタッフとして参加してくれました。
まずはコイルを巻きつけた筒の中に、強力なネオジム磁石を入れて、ジェネレーターを振った時に磁石が飛び出さないようストッパーをしてふたをします。
続いて、磁石を入れた筒に巻かれたコイルから出ている細いホルマル線を回路基板に接続します。
回路基板と振動発電用筒を接続するところは、とても細かい作業です。子どもたちはみな集中して取り組んでいます。
LED電球を取り付けてスティックジェネレーターを振ったときに、LED電球がピカピカ光る様子に子どもたちは、「わぁ、すごい光ってる!」と大興奮。
さらにコンデンサーを基板に取り付けて振ってみると、コンデンサーに蓄えられた電気で、振るのを止めてもLED電球は光っています。「停電の時に使えるね!」「ずっと使えるの?!」など、子どもたちは自作のスティックジェネレーターをとても気に入った様子でした。
【授業後半:つくって、ためて、みんなで遊ぼう!電気フェスタ】
先ほど作ったスティックジェネレーターを持って、みんなで体育館へ移動しました。
体育館はいつもの体育の授業のときと様子が違い、9種類のパビリオンが体育館いっぱいに並んでいました!
●パビリオンは以下の9種類
(1)みんなで振って、電車を走らせよう!
(2)みんなでためて、ヘリコプターを飛ばそう!
(3)水切り発電コーナー
(4)ペットボトル風力発電コーナー
(5)自転車発電コーナー
(6)ペルチェ発電コーナー
(7)電磁誘導コーナー”コイルと磁石の不思議な関係”
(8)手つなぎ電池コーナー
(9)なんでも電池コーナー”何がいちばん電気を起こすのか?!”
子どもたちはグループごとに用意された仮想通貨”ボルト”を受け取り、各パビリオンの体験料を”ボルト”で支払い、発電量によって新たに”ボルト”を獲得し、次のパビリオンに向かいます。
例えば「みんなで振って、電車を走らせよう!コーナー」では、各グループが体験料0.5ボルトを支払い、前半の授業で組み立てたスティックジェネレーターをたくさん振って蓄電し、その電気でNゲージ列車を走らせます。チーム対抗で早く1周したチームが3ボルトを獲得します。
チームの誰かがさぼってしまうと、列車のスピードが遅くなってしまうので、みんな本気でスティックジェネレーターを振っています!
それぞれのパビリオンを体験していくうちに子どもたちは、「電気ってこんなふうにできるんだ」、「電気をためるのってすごくたいへん!家で節電しなきゃ。」と発電・蓄電を身近に感じているようでした。
あっという間に終了時間を迎え、今回はソニー仙台FCの選手のみなさんから子どもたちへ「発電・蓄電ワークショップ修了証」が渡されました。
楽しく、安全に電気について学ぶことのできた子どもたちは、これからの理科の授業でも積極的に取り組んでくれるはずです。
RESTART JAPANではこれからも、子どもたちに楽しく理科に興味をもってもらえるよう、ソニー・サイエンスプログラムを開催していきます。
【過去のソニー・サイエンスプログラムの様子】
「植物原料プラスチック」でストラップをつくろう!@渡波小学校
「分解ワークショップ」@学都仙台・宮城サイエンスデイ
「つくって、わかる3Dワークショップ」@大塩小学校
「紙から発電?バイオ電池」@大槌中学校
「自分で電力をつくったよ!」@宮城県石巻市
「手づくりICレコーダー“伝言ちゃん”で音遊び」@岩手県山田町
(報告:仙台事務所 宮川淳)