日本/東日本大震災/教育(公開日:2012.01.27)
スキーをしているとき“自由”を感じる! (2012.01.27)
セーブ・ザ・チルドレンでは、ウォルマートの支援のもと、スポーツ・文化活動を通じて、被災地の子どもたちの教育的、知的および社会的な成長に資する環境と機会づくりに貢献しています。昨年に引き続き、1月12日より、岩手県内での第二弾の支援として、新たにスポーツ・文化、地域の郷土芸能活動14団体への支援を開始しました。1月中に二次募集も受け付け、岩手県内では計35程度の団体を支援する予定です。
このたびは、支援団体の一つ、大船渡市スキースポーツ少年団のジュニア・スキースクールにおじゃましました。
大船渡市スキースポーツ少年団の子どもたち28名(小1〜中3)が越路スキー場に到着。
1月22日、水沢江刺から車で40分ほどの越路スキー場に、大船渡市スキースポーツ少年団の子どもたち(小学校1年〜中学校3年生) 28人を乗せたバスが到着しました。子どもたちはシーズン中毎週日曜日、大船渡から1時間ほどかけて団体のホームグラウンドである越路スキー場に練習にやってきます。
団体の代表者、菊池 隆さんは「正直、あの大震災の後でスキーを続行できるとは思っていませんでした。大船渡も大打撃を受けましたし、被災した家庭も多い。スキーの用具も失ってしまいました。でも、みなさんのご支援でこうしてスキーを再開することができました。何よりもスキーをすることで子どもたちは、震災前と同じ生活を取り戻すことができます」と語ります。
「スキーで子どもたちが日常を取り戻してくれれば」と語る、団体代表の菊池さん。
「うちの団体は、とにかくスキーを楽しむことを目的としています。大船渡からスキー場へ行くのも楽しみの一つになっています。設立から40年近くになりますが、大家族のようにOBも会員も結束が固く、以前はカナダなど海外に遠征に行っていた時代もありますし、例年、盛岡の雫石で合宿も行っています。40人ほどの会員の中には昨年の震災で被災した家庭も多く、今日の参加者は28名。震災後、スキーの道具やウェアなどは、団体OBや全国からご支援いただきました。でも、スキーはスキー場に行かないことには滑れません。震災後、参加者数が減ったことで遠征用のバス1台をチャーターするのに個人の負担が大きくなっていました。行政の補助金だけではどうしても足りなかったところに、こうして交通費を支援していただくことによって、子どもたちがスキーに来られるようになったことを何よりも喜んでいます」と話してくださいました。
小学校6年〜中学生のクラス。コーチの指導で上級テクニックを学びます。
小学校低学年の子どもの多いビギナークラス。まずは、雪の感覚を知ることから始めます。
この日、一ノ関からお母さまと一緒にスキーに参加していた田村 巧(こう)君(9歳)。小学一年生の時から大船渡市スキースポーツ少年団に所属していますが、東日本大震災で家を失い、家族で大船渡から一ノ関に引っ越したため、父親の運転する車で合流しました。「将来は自衛隊になりたい!」という巧君。避難所での自衛隊の活躍を見て、憧れの存在になったようです。スキーのどこが好きか尋ねると、「スキーをしているときは、自由を感じる。友達にも会えるし」とちょっとはにかみながら答えてくれました。
「スキーに来ると友達に会えるから楽しい」と言う巧君とお母さん。
「転校をして慣れ親しんだ友達とも別れてしまい、今、子どもながらに我慢をしていると思います。
1日も早く何か打ち込めるもの、居場所を見つけてほしいと思っています。新しいことではなく、今までやってきたこと、大好きなスキーがそれになってくれれば、と親としてできる限りのことをしてスクールに参加させています。幼なじみにも会えますし、何よりもスキー場に来ると笑顔で楽しそうなんですよ」と、お母様が打ち明けてくださいました。
スキーを楽しむことで子どもたちが日常を取り戻してくれれば、という思いで、震災後は団体も保護者もスキーの続行に奔走しました。その熱意を受けてか、ゲレンデを滑る子どもたちの姿は真剣ながらも楽しそうです。帰りのバスの出発時刻ぎりぎりまで、めいっぱいゲレンデを滑る子どもたち。本当にスキーが大好きでたまらない様子がうかがえます。バスに乗り込む子どもは「今日はいっぱい滑って疲れたけど、来週もまた来たい!!」と元気に答えてくれました。
こうして、交通費補助によるスポーツ活動への支援が、子どもたちが心も体ものびのびとでき、被災によるストレスを軽減する助けになればと思います。また、コーチ曰く「ストレスを感じているのは、子どもだけでなく大人も同じ」。だからこそ、子どもたちがのびのびと活動する姿を見て、大人も癒され、安心感を得ることに寄与できればうれしいです。
大船渡市スキースポーツ少年団のみなさん
セーブ・ザ・チルドレンとウォルマートによる子どもたちのスポーツ・文化活動支援は、今後宮城県でも行われます。
(報告:広報 佐藤則子)
このたびは、支援団体の一つ、大船渡市スキースポーツ少年団のジュニア・スキースクールにおじゃましました。
大船渡市スキースポーツ少年団の子どもたち28名(小1〜中3)が越路スキー場に到着。
1月22日、水沢江刺から車で40分ほどの越路スキー場に、大船渡市スキースポーツ少年団の子どもたち(小学校1年〜中学校3年生) 28人を乗せたバスが到着しました。子どもたちはシーズン中毎週日曜日、大船渡から1時間ほどかけて団体のホームグラウンドである越路スキー場に練習にやってきます。
団体の代表者、菊池 隆さんは「正直、あの大震災の後でスキーを続行できるとは思っていませんでした。大船渡も大打撃を受けましたし、被災した家庭も多い。スキーの用具も失ってしまいました。でも、みなさんのご支援でこうしてスキーを再開することができました。何よりもスキーをすることで子どもたちは、震災前と同じ生活を取り戻すことができます」と語ります。
「スキーで子どもたちが日常を取り戻してくれれば」と語る、団体代表の菊池さん。
「うちの団体は、とにかくスキーを楽しむことを目的としています。大船渡からスキー場へ行くのも楽しみの一つになっています。設立から40年近くになりますが、大家族のようにOBも会員も結束が固く、以前はカナダなど海外に遠征に行っていた時代もありますし、例年、盛岡の雫石で合宿も行っています。40人ほどの会員の中には昨年の震災で被災した家庭も多く、今日の参加者は28名。震災後、スキーの道具やウェアなどは、団体OBや全国からご支援いただきました。でも、スキーはスキー場に行かないことには滑れません。震災後、参加者数が減ったことで遠征用のバス1台をチャーターするのに個人の負担が大きくなっていました。行政の補助金だけではどうしても足りなかったところに、こうして交通費を支援していただくことによって、子どもたちがスキーに来られるようになったことを何よりも喜んでいます」と話してくださいました。
小学校6年〜中学生のクラス。コーチの指導で上級テクニックを学びます。
小学校低学年の子どもの多いビギナークラス。まずは、雪の感覚を知ることから始めます。
この日、一ノ関からお母さまと一緒にスキーに参加していた田村 巧(こう)君(9歳)。小学一年生の時から大船渡市スキースポーツ少年団に所属していますが、東日本大震災で家を失い、家族で大船渡から一ノ関に引っ越したため、父親の運転する車で合流しました。「将来は自衛隊になりたい!」という巧君。避難所での自衛隊の活躍を見て、憧れの存在になったようです。スキーのどこが好きか尋ねると、「スキーをしているときは、自由を感じる。友達にも会えるし」とちょっとはにかみながら答えてくれました。
「スキーに来ると友達に会えるから楽しい」と言う巧君とお母さん。
「転校をして慣れ親しんだ友達とも別れてしまい、今、子どもながらに我慢をしていると思います。
1日も早く何か打ち込めるもの、居場所を見つけてほしいと思っています。新しいことではなく、今までやってきたこと、大好きなスキーがそれになってくれれば、と親としてできる限りのことをしてスクールに参加させています。幼なじみにも会えますし、何よりもスキー場に来ると笑顔で楽しそうなんですよ」と、お母様が打ち明けてくださいました。
スキーを楽しむことで子どもたちが日常を取り戻してくれれば、という思いで、震災後は団体も保護者もスキーの続行に奔走しました。その熱意を受けてか、ゲレンデを滑る子どもたちの姿は真剣ながらも楽しそうです。帰りのバスの出発時刻ぎりぎりまで、めいっぱいゲレンデを滑る子どもたち。本当にスキーが大好きでたまらない様子がうかがえます。バスに乗り込む子どもは「今日はいっぱい滑って疲れたけど、来週もまた来たい!!」と元気に答えてくれました。
こうして、交通費補助によるスポーツ活動への支援が、子どもたちが心も体ものびのびとでき、被災によるストレスを軽減する助けになればと思います。また、コーチ曰く「ストレスを感じているのは、子どもだけでなく大人も同じ」。だからこそ、子どもたちがのびのびと活動する姿を見て、大人も癒され、安心感を得ることに寄与できればうれしいです。
大船渡市スキースポーツ少年団のみなさん
セーブ・ザ・チルドレンとウォルマートによる子どもたちのスポーツ・文化活動支援は、今後宮城県でも行われます。
(報告:広報 佐藤則子)