日本/東日本大震災/教育(公開日:2011.12.28)
山田中学柔道部を支援しました。「柔道を通して感謝の心を!」(2011.12.28)
セーブ・ザ・チルドレンでは、ウォルマートの支援のもと、被災地域の子どもたちのスポーツ・文化活動を通じて、教育的、知的および社会的な発達を容易にする環境と機会づくりに貢献します。12月3、4日に、岩手県営武道館で行われた全日本柔道連盟柔道教室に参加する山田中学校の柔道部部員(1、2年生 計20名)の遠征費(山田町から盛岡までの往復バスと宿泊費)の支援をしました。柔道教室に参加した山田中柔道部の皆さんの活動をお届けします。
「こうやって、違う学校の人たちと練習ができるのはとてもいい練習になります!」山田中柔道部部長の黒澤さん(中2)は語ります。「部活動が始められるようになったのは4月の末頃です。震災後は、大会で優勝しよう!とみんなで話し合いました。柔道場は震災の被害はなく、午後の授業が終わってから毎日練習しました。地区大会では優勝しましたが、県大会では優秀な成績は残せませんでした。地区によって被害が大きかった部員もいますが、みんなで練習に励んでいます。」
今回の全日本柔道連盟柔道教室には、岩手県内の小学校から高校の柔道部員全517名(2日間)が集まりました。部員たちは、基本動作、対人技能の習得などを、全日本柔道同連盟の派遣講師による講義と実技で学びます。柔道教室は、講師の講義のあと実技、そしてまた講義、それから実技と休む間もなく練習が続きます。お昼の休憩時間を短縮して午後の練習に入ります。息を荒げ、肩を上下させながらも、部員たちは何よりも柔道ができることがとてもうれしそうです。
「3月11日は、新しい柔道場の武道館開きの日で、みんなわくわくしていました。ところが大震災が起こって、、。」山田中柔道部の監督、菊池正幸先生は言います。山田中学校は高台にあったため、学校自体に大きな被害はなかったそうですが、震災によって家を流された生徒や、職を失った家庭、親や親族を失くした生徒もおり、4月の後半に学校が再開された当初は部活どころではない状況だったといいます。「みんなが着ている柔道衣は先輩が寄付してくれたり、日本中体連柔道専門部から支援していただきました。山田中柔道部員も7割が家を流されて仮設に住んだり学区外へ移転しており、私自身も、土日の練習には、避難した生徒たちの送り迎えや、生徒たちの柔道衣を自分の家に持って帰って洗濯したりしました。普段から、礼儀を厳しく指導していますが、こうしてたくさんの支援をいただいて部活が再開できたことで、生徒たちは感謝の心や人の思いやりを知ったのではないかと思います。こうした経験によって、きっと強い人間になってくれると信じています。この状況に慣れることなく、いつまでも感謝の心を忘れないでほしいです」と語りました。それでも、菊池監督も部活動再開当初はどのように生徒に接していいのかとても悩んだそうです。「震災後の子どもたちの環境を思うと、指導とはいえこれまで通り厳しく注意したり叱ったりしていいものか、戸惑う日々でした。」と当時の心の葛藤を話してくださいました。私たちも震災後の活動の中で、何か特別なことではなく、普段と変わらない、通常通りの生活をさせてあげること、その環境を作ってあげることが何よりも大切であることを実感しています。こうした文化活動の支援を通して、生徒たちがいままでどおりの生活を取り戻し、少しずつ将来への夢や希望を持てるようになってくれたらと願っています。
山田中柔道部の皆さんにウォルマートのバッグを手渡しました。“明日学校に持っていきます!”という男子も。
練習が終わってバスに乗り込むころには、みぞれが降りだしました。冷たい風が吹き肌を刺します。みなさん、これからの厳しい冬も乗り越えて、柔道に励んでください。応援しています!!
(報告:広報 佐藤則子)
山田中柔道部 部長 黒澤孝海さん(右)
「こうやって、違う学校の人たちと練習ができるのはとてもいい練習になります!」山田中柔道部部長の黒澤さん(中2)は語ります。「部活動が始められるようになったのは4月の末頃です。震災後は、大会で優勝しよう!とみんなで話し合いました。柔道場は震災の被害はなく、午後の授業が終わってから毎日練習しました。地区大会では優勝しましたが、県大会では優秀な成績は残せませんでした。地区によって被害が大きかった部員もいますが、みんなで練習に励んでいます。」
講義を聞き逃さないようにと、講師を囲んで真剣な参加者
今回の全日本柔道連盟柔道教室には、岩手県内の小学校から高校の柔道部員全517名(2日間)が集まりました。部員たちは、基本動作、対人技能の習得などを、全日本柔道同連盟の派遣講師による講義と実技で学びます。柔道教室は、講師の講義のあと実技、そしてまた講義、それから実技と休む間もなく練習が続きます。お昼の休憩時間を短縮して午後の練習に入ります。息を荒げ、肩を上下させながらも、部員たちは何よりも柔道ができることがとてもうれしそうです。
午後の後半は乱取り。次々と相手を変えて稽古します。
女子も果敢に練習に励みます。
柔道は、礼に始まり礼に終わる。
「3月11日は、新しい柔道場の武道館開きの日で、みんなわくわくしていました。ところが大震災が起こって、、。」山田中柔道部の監督、菊池正幸先生は言います。山田中学校は高台にあったため、学校自体に大きな被害はなかったそうですが、震災によって家を流された生徒や、職を失った家庭、親や親族を失くした生徒もおり、4月の後半に学校が再開された当初は部活どころではない状況だったといいます。「みんなが着ている柔道衣は先輩が寄付してくれたり、日本中体連柔道専門部から支援していただきました。山田中柔道部員も7割が家を流されて仮設に住んだり学区外へ移転しており、私自身も、土日の練習には、避難した生徒たちの送り迎えや、生徒たちの柔道衣を自分の家に持って帰って洗濯したりしました。普段から、礼儀を厳しく指導していますが、こうしてたくさんの支援をいただいて部活が再開できたことで、生徒たちは感謝の心や人の思いやりを知ったのではないかと思います。こうした経験によって、きっと強い人間になってくれると信じています。この状況に慣れることなく、いつまでも感謝の心を忘れないでほしいです」と語りました。それでも、菊池監督も部活動再開当初はどのように生徒に接していいのかとても悩んだそうです。「震災後の子どもたちの環境を思うと、指導とはいえこれまで通り厳しく注意したり叱ったりしていいものか、戸惑う日々でした。」と当時の心の葛藤を話してくださいました。私たちも震災後の活動の中で、何か特別なことではなく、普段と変わらない、通常通りの生活をさせてあげること、その環境を作ってあげることが何よりも大切であることを実感しています。こうした文化活動の支援を通して、生徒たちがいままでどおりの生活を取り戻し、少しずつ将来への夢や希望を持てるようになってくれたらと願っています。
山田中柔道部の皆さんにウォルマートのバッグを手渡しました。“明日学校に持っていきます!”という男子も。
バッグを受けとる菊池監督と柔道部員のみなさん。
3人の講師(後列中央)とともに。山田中柔道部 1、2年生20名と菊池先生(後列右端)
会場となった岩手県営武道館
会場となった岩手県営武道館
練習が終わってバスに乗り込むころには、みぞれが降りだしました。冷たい風が吹き肌を刺します。みなさん、これからの厳しい冬も乗り越えて、柔道に励んでください。応援しています!!
(報告:広報 佐藤則子)