日本/東日本大震災/教育(公開日:2012.06.16)
元気に育て!!〜石巻北高校、宮城水産高校「平成24年度交流会合同田植え」(2012.06.15)
「キリンSCJ『絆』奨学金」 は被災地の将来の発展を支える子どもたちの学びの機会を大切にしたいと願うキリングループと、世界中で子どもの権利が実現される社会を目指すセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)が、岩手・宮城・福島県内の県立農業高等学校及び県立高等学校の農業関係科目を履修している高校生を対象に、協働で実施しているものです。2011年10月31日より奨学金給付を開始しました。
5月31日に「キリンSCJ『絆』奨学金」の受給生が在籍する宮城県石巻北高等学校と、被災の影響で現在は石巻北高等学校内にある仮設校舎で授業を行っている宮城県水産高等学校による「平成24年度交流会合同田植え」が石巻北高等学校の水田で行われました。
2校合同の交流会は同じ第1次産業である農業と水産業を学ぶ専門高校生同士の交流を行い、友好を深め、食について考える機会をつくることを目的として昨年度から行われてきました。
今回、わたしたちSCJの職員とキリンビバレッジ株式会社様も、奨学金受給生達と交流を深め、農業高校の活動に対する理解を深めるために、田植えに参加させていただきました。当日はさわやかな五月晴れ。絶好の田植え日和のもと、石巻北高等学校食農系列3年生の33名と宮城県水産高等学校海洋総合学科3年生食品化学類型の26名が、運動着に長靴、膝まで裾をまくりあげた格好で田植えに臨みます。
両校校長先生のごあいさつ
(左は石巻北高等学校 山内明樹校長先生、右は宮城県水産高等学校 大野信之校長先生)
まず田植えをするにあたり、石巻北高等学校の農場長 ?橋伸芳先生から田植えの方法についてご説明を頂きました。
「親指、人差し指、中指の3本で苗を3〜5束をしっかり持ち、2cmほどの深さに植えてください。浅くても苗はしっかりと根を張り強く育ちます。」
?橋先生の開始の合図とともに両校の生徒たちが一人ずつ、交互に田んぼに入って行きました。植える場所は予め泥に30cm四方に引いてあった線に沿って、一人ずつ責任をもち一列植えます。
水は生暖かく、泥は非常に柔らかいおかげで足を取られ、生徒たちは一歩歩くだけでも一苦労でした。
間隔が狭いので、あちらこちらから「押すなよー!」
私たちも参加させていただきました。
30分程で田んぼ一面に苗を植えることができ、今回の交流会は誰も怪我や転倒することなく無事に終了しました。
終了後、キリングループ様から提供された飲料を田植えに参加された方全員に配り、疲れて渇いたのどを潤すことができました。
今回植えた米の品種は、山形県原産の「つや姫」。
この品種は、白くつやのある、冷めてもおいしく食べられるお米として知られています。
今後も両校の交流会は続き、10月上旬に「稲刈り」、その後石巻北高校の生徒がお米を米粉に製粉し、1月下旬にはその米粉を利用し共同で「米ぼこ」というかまぼこを作る予定です。わたしたちはこれからも農業高校の様子をお伝えしていきます。
東日本大震災は、地元の農業にも大きな打撃を与えただけではなく、将来農業を志す高校生たちの教育環境にも大きな困難をもたらしました。
「キリンSCJ『絆』奨学金」は、キリングループの「復興応援 キリン絆プロジェクト」活動の一環としてSCJと協働で設立されました。将来、農業を志す生徒の皆さんが学業に明るい未来を見出せること、東北地方に受け継がれてきた豊かな農業を未来につなげていくことに期待が込められています。
(報告:仙台事務所 早坂)