日本/東日本大震災/教育(公開日:2012.08.29)
「気仙沼に中国から高校生30人がやってきた!」
〜地元の中高生からはじまる地元密着イノベーション・クラブi.club活動報告〜〜(2012.08.29)
ソニー株式会社とセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン協働の東日本大震災復興支援プロジェクト「RESTART JAPAN」で支援しているi.club(主催:NPO法人Motivation Maker)が、7月25日、宮城県気仙沼市にて中国からの留学生30名と国際交流を行いました。
留学生はソニーが実施している「Sony Student Project Abroad(China)」で中国から来日している30名の高校生。i.clubはトライアルプログラムの第1弾として地元の4つの高校から23名が参加しました。生徒たちは午前中から一緒に気仙沼を見て回り、一緒に食事をして、気仙沼という場所の「いいね!」を「外の視点」と「内の視点」から探し、午後のワークショップで意見交換をしました。
「中国人留学生の見た気仙沼の魅力」と「地元高校生が予想する地元の魅力」にはどんな違いがあったのでしょう。
午前中は気仙沼の魚市場を訪問。初めて見るセリの様子に留学生たちは興味深々。魚市場の屋上で東日本大震災発生後から地元で活躍されているNPO法人の方からお話をしていただきました。気仙沼の高校生たちも初めて知る話も多く、震災後いろいろな支援活動が行われていることを再認識していました。
魚市場を後に、お昼は唐桑へ移動してランチです。地元の水産業の方のお話を聞いた後、気仙沼のお弁当を一緒に食べました。高校生たちの表情も徐々に柔らかくなり、言葉の違いに戸惑いながらもコミュニケーションをとっていました。
お弁当の後は巨釜へ移動。
ここでも地元で活躍されている方々のお話をききながら、長い階段をおりて折石(おれいし)を見学しました。
ここまでのプログラムの中で、高校生たちはそれぞれ気仙沼の「いいね!」のタネをいくつ見つけられたのでしょうか?
折石の絶景を楽しんだ後、唐桑を離れ、いよいよワークショップ会場の松岩公民館へ移動します。
中国の高校生には気仙沼のどんなところにグッときたのかを伝えてもらい、日本人の高校生には中国の高校生にとってどんなところがグッときたのかを予想してもらいました。高校生たちはお互いの言語をしゃべることはできませんが、伝えたい・知りたいという思いを大切にし、絵・写真・ジェスチャー等を駆使することで、一生懸命コミュニケーションをとりました。最後には各グループから、どのような点で中国と気仙沼の高校生の予想に違いがあったのかを発表してもらいました。
気仙沼の高校生にとっては意外な回答も多く出てきました。
例えば、中国の高校生にとっては気仙沼の自然、特に海と山が一体となっている様子に感動を覚えた学生も多かったのですが、それは気仙沼の高校生にとっては、当たり前すぎて気づいていなかった地元のよさでした。その他にも、「生まれて初めて、海と山に囲まれた自然の中でお弁当を食べたことに感動した」という意見もありました。中国の高校生にとって気仙沼の高校生と一緒に、唐桑の大自然の中でお弁当を食べるということは、とても衝撃的だったようです。気仙沼のお弁当を「一緒に食べる」という行動自体がお互いの距離をグッと縮めてくれることに気づいたようです。
夜は全員でバーベキューを行い、そこでは地元の気仙沼ホルモンなどもふるまわれました。さらに気仙沼の伝統芸能である虎舞を見せて頂きました。
日本・中国両方の高校生の代表の生徒から、本日お世話になった気仙沼市のみなさんへの感謝の想いを伝えてもらい、プログラムのすべては無事終了となりました。
今回の交流を通して、気仙沼の高校生たちは今まで気づいていなかった、たくさんの地元のいいね!を発見することができたのはないでしょうか。
i.clubの活動には、地元のいいね!に「気づく」「形にする」「伝える」の3つのステップがあります。今回見つけたたくさんの気づきを、次回以降のi.clubの活動の重要なポイントになっていきます。
「RESTART JAPAN」は引き続きi.clubの活動支援を通じて、被災地の子どもたちがいろいろなことにチャレンジする機会を応援します。
【i.clubとは】
「地元密着イノベーション・クラブ i.club 未来の地元のイノベーターへの第一歩。」
【Sony Student Project Abroad(China)とは】
(仙台事務所 宮川淳)