日本/東日本大震災/教育(公開日:2013.07.26)
「手作り電池実験ワークショップ」
ソニー・サイエンスプログラム@石越小学校(2013.7.26)
7月4日、セーブ・ザ・チルドレンとソニー株式会社(以下ソニー)の協働プロジェクト「RESTART JAPAN」によって登米市立石越小学校でソニー・サイエンスプログラムが開催されました。
小学5年生43名とその保護者37名を対象に「手作り電池実験ワークショップ」が行われました。
2012年度は宮城県の5つの小中高校で様々なワークショップを開催してきましたが、今年度はより地域に根差した活動を行うために、地元にあるソニーの事業所【ソニー(株)仙台テクノロジーセンター、ソニーセミコンダクタ(株)白石蔵王テクノロジーセンター、ソニーストレージメディア・アンド・デバイス(株)】のみなさんを中心に運営をすすめています。
今回の石越小学校はテレビCMでソニー・サイエンスプログラムの様子を知ったPTAの方からリクエストを頂き、PTAのみなさんとの協働授業として実現に至りました。では、さっそく当日の様子を紹介します!
■身の回りにはどんな電池が使われているかな?
初めに講師の大槻先生から、身の回りで使われている電池にはどの様なものがあり、どの様に使われているか子どもたちに質問しました。「アルカリ電池!」、「リモコンに使われている!」、「携帯電話?」と子どもたちは思いつくものをたくさん挙げていました。
電池の大きさや種類を細かく分けるとおよそ4000種類もあることを教わって、子どもたちと保護者のみなさんもビックリ!
■電池の仕組みを知ろう!
次に電池の仕組みを知るために、ブリキ製のバケツを使い、電気を発生させる実験をしました。
バケツの中には「銅でできた板」「水」「塩」だけが入っていて、バケツを覗いた子どもたちは「これだけで電池ができるの?」と不思議そうです。
実際に自分たちのテーブルに バケツ、銅板、水、塩を準備して実験してみます。
水と塩をペットボトルに入れて、塩が溶けるまで良く振って、それをバケツの中に銅板と入れて、テスターでチェックすると、どのグループも見事に電気が発生しています。
先生から「バケツや塩を使っても電池はできるけど、こぼれたり持ち運びが大変です。そこで発明されたのが『乾電池』なんですよ!」と教わり、電池の仕組みを身近に感じたところでいよいよ自分だけの乾電池をつくってみます!
■マンガン電池をつくってみよう!
亜鉛でできた筒の中紙に水を染み込ませてから、その筒へ二酸化マンガンという黒い粉を入れていきます。二酸化マンガンの粉はこぼしたり手につくと黒くのびてしまうので、保護者の方々にも手伝ってもらいながら、みんな慎重にゆっくり作業します。この二酸化マンガンはバケツ電池の時の、食塩水の役割をはたします。
二酸化マンガンを無事入れることができたら、そこに真ん中に穴のあるふたをします。その穴に炭素棒を入れ、炭素棒をハンマーでたたいて押し込みます。炭素棒が完全に筒に埋もれないよう、先端を3mm程度残すようにこれも慎重にハンマーをたたきます。
それからキャップをかぶせてもう一度ハンマーでしっかりキャップを打ち込んで乾電池の完成です!
仕上げはラベルに好きな絵や文字を書いて電池に貼りつけていきます。
最後に絶縁リングを上部に乗せて、熱で収縮する性質のチューブでコーティングします。そこへドライヤーの熱を加えて、自分だけのオリジナル乾電池が出来あがりました!
■修了証の授与
豆球をつかって自分のつくった乾電池はちゃんと使えることを確認すると、みんなの豆球はばっちり光っていました。
授業の最後には先生から「手作り電池実験ワークショップ修了証」が手渡されました。
上手に完成した自分だけの乾電池をしっかり握りしめた子どもたちは、保護者のみなさんの前で誇らしげで、笑顔でいっぱいでした。
「RESTART JAPAN」ではこれからも子どもたちが楽しく理科に触れる機会をつくっていきます。
(報告:仙台事務所 宮川淳)