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日本/東日本大震災/子どもの保護
(公開日:2012.12.10)

いっぱい遊んで大きくなろう〜始まっています!地域の遊び場づくり!!〜(2012.12.10)

 
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)は、2011年3月以降、子どもたちが遊び、学び、発達するための安全、且つ保護的な環境づくりを進めてきました。そして今年9月、宮城県内で新しい活動「地域の遊び場づくり」を立ち上げました。本活動は、持ち帰り弁当ブランド「ほっともっと」の1食1円キャンペーンのご支援のもと、毎月活動を重ねてきています。今日はその活動について、ご紹介いたします。


小さな子どもたちの遊び場がない…
震災後、応急仮設住宅団地が建設された頃から、SCJは団地内の子どもたちの遊び場づくりの一環として、集会所や談話室に対し、子どもにやさしい家具やおもちゃの配布を行ってきました(過去のブログ)。それらの活動から、子どもの屋内・屋外の遊び場へのアクセスが限られていたり、特に保育園や幼稚園に通わない乳幼児をもつ養育者の方々が交流する機会が少なかったりする現状が見えてきました。


子どもたちは、遊ぶ権利をもっています!
子どもたちの「遊び」は、身体的な発達だけではなく、知的、情緒的、社会的な発達を促すと考えられ、特に心身ともに著しく発達する乳幼児期における「遊び」は非常に重要と言えます。その一方、公園の敷地には仮設住宅が建設されたり、仮設住宅は狭く壁が薄かったりするなど、就学前の子どもの遊びはより限られているのが現状です。また新しい環境で、子育てに関する情報交換や、同じ年頃の子育てに励む養育者同士の交流が少ないと、家にこもり地域から孤立してしまうことがあります。


そこで、「地域の遊び場づくり」では、在宅で子育てをしている養育者が月に1回以上、
仮設住宅集会所を利用して集まり、子ども同士の遊びを楽しんだり、養育者同士で気軽に情報交換をしたり、交流したりする機会をつくっています。家庭でも、「地域の遊び場づくり」の活動内でも、簡単に取り入れられる「遊び」の引出を増やしたり、養育者同士が「あそこの小児科どうだった?」「あそこのお店かわいくて安い子ども服があるよ」など情報を交換したりできる…子育ての仲間をつくることが目的です。









発達の視点から「遊び」を広げるために
10月以降、ほぼ毎月、テーマを定めて「遊び」を紹介し始めています。
最初に行っているのは「からだを動かす遊び」です。

10〜11月には、任意団体SENDAI NPO子育て応援隊ピンポンパン☆に依頼し、「からだを動かす遊び」を紹介しました。様々な曲に合わせて体を動かした後、月齢に合わせて、気をつけるポイントや遊びのヒントなどを教えていただきました。みんなで一緒に体を動かすのを恥ずかしがっていた子どもたちも、最後には元気いっぱい走り回る姿も見られました。





子どもたちの遊びは明確に分類できるものではありませんが、私たちは遊びを5つに分け、乳幼児期の「遊び」を発達の視点から、順を追って見直し、楽しむことがねらいです。
【5つの遊びとは】
✔ 創作する遊び:絵や粘土といった自分自身の感情や考えを表現することを促す
✔ 想像する遊び:ダンスや演劇など創造的技能や社会的技能、対処技能、自尊心に働きかける
✔ 体を動かす遊び:体操やボール遊びなど運動技能や筋肉を発達させる
✔ コミュニケーションを用いる遊び:読み聞かせなど自分自身の体験とは関係ないもの・ことについても感情を言葉で表現できることを促す
✔ 手を使った遊び:パズルや積木など問題解決技能を高める


地域の遊び場づくり〜これまでとこれから〜
9月以降、私たちは石巻市や東松島市の4箇所で「地域の遊び場づくり」説明会を実施し、22組の親子のみなさんと出会いました。そして現在、3つのグループ、15組の親子が参加しています。これから、仲間を増やしていく予定です。
また、「地域の遊び場づくり」は養育者のみなさんが運営していくことを目指しており、活動日や時間、活動に必要な備品の管理なども養育者のみなさんが行うことになっています。SCJはその応援役として、発達に基づいた視点を取り入れた「遊び」を専門的な団体と共に紹介し、子どもの発達について学んだり、少しの工夫で日常の子どもとの「遊び」の幅を広げるヒントを得たりする機会を提供していくなど…
養育者のみなさんと子どもたちの伴走役を務めていく予定です。





来年の春頃には、現在あるグループ同士の交流会の企画を進め、またグル―プ数を増やしていく予定です。また、本活動からの学びを「実践集」としてとりまとめていく準備も始めています。


引き続き、みなさんにご報告いたしますので、どうぞお楽しみに!!


(報告:阿部里佳子(仙台事務所))

 

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