日本/東日本大震災/子どもの保護(公開日:2015.08.29)
【宮城:学童(6)】「子どもたちの前に立つのであれば学び続ける支援員になるよう努力しなければ」自治体主催による放課後児童支援員等の研修会開催!
7月宮城県石巻市と東松島市で、それぞれ放課後児童支援員等(旧:学童保育指導員、以下学童指導員)を対象に自治体主催の研修会が開催されました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)では、震災以降、学校再開後の子どもたちの放課後の居場所づくりの一環として放課後児童クラブ(通称:学童保育)に対するサポート事業を行っています。その事業の一つである「学童指導員研修」は、学童指導員が日々の保育に役立つ知識や技術を身に付けることができる機会を提供することを目的としています。今回の2つの市では、県外から研修実績豊富な講師を迎え、研修会が開催されました。
【1】石巻市研修会
「学童保育は学校と家庭を繋ぐ重要な仕事。子どもの目線で関わることが大切である。新制度は何なのか、自分たち(放課後児童支援員等)の役割は何なのか、今回の研修では大先輩の方を講師に話が聞くことができる。今回の研修が、質向上の一助となるように。」(開会の挨拶:石巻市子育て支援課 道家課長)
7月9日(木)震災後何度も石巻市を訪問し、講師を務めている山本博美氏を講師に迎え、学童指導員研修を実施しました。研修開催に至るまでには、石巻地区、河北地区、河南地区、桃生地区、牡鹿地区を担当する自治体担当者が朝から会場準備を行っていました。
当日は、学童指導員116名が参加し、「放課後児童支援員の果たす役割と仕事」について学びました。手元に厚生労働省から出された「省令63号」や「放課後児童クラブ運営指針」を使いながら、子ども・子育て支援新制度を理解し、改めて求められている仕事内容を確認していきました。参加者からは、「(講師の話が)現場での経験も含めてとても分かりやすかったです」、「日々子どもたちと接する支援員にとって、とても大切なベースとなるもの、意識づけのためにすばらしい講演内容と思います」とコメントがありました。他にも「もう少し話を聞きたい」というコメントもあり、研修受講について意欲的な様子が窺えました。
【2】東松島市研修会
「今回の研修を受けてどうだっただろうか。ただ“勉強になった”だけではダメ。皆さんの目の前にいる講師は、ここにいる皆と同じ“指導員(放課後児童支援員等)”である。東松島市としても、子どもたちのために研修講師ができる人材を出していきたい。」
(閉会の挨拶:東松島市子育て支援課 高橋課長)
昨年度も講師として訪問した永松範子氏、岡村美由紀氏を講師に迎え、7月6日(月)から7日(火)2日間学童指導員研修を実施しました。研修実施に至るまでには、東松島市の自治体担当者が朝から会場準備を行っていました。
?1日目(全体講義)
1日目は永松講師による全体講演を行い、学童指導員35名が参加。永松講師が勤務する学童保育でのDVDを上映し、視覚的に子どもたちの様子を確認し、「支援員・補助員(放課後児童支援員等)の仕事上の役割」、「新制度による高学年の受け入れ」について学びました。
?2日目(グループワーク)
(講師:岡村美由紀氏(山形県天童市内 現役学童指導員))
勤続年数2年未満の学童指導員を対象に「放課後児童クラブと支援員等の仕事とは」について、岡村講師がグループ研修しました(14名参加)。参加者より「現在悩んでいる事に類似した例題のお話を聞く事ができたので、これからのヒントにすることができると思いました」、「大人発信ではなく、子供たちが主役の学童保育をする。主体的に子供たちが楽しめる環境をつくるという目線に立つことができた」というコメントがありました。
勤続年数2年以上の学童指導員を対象に「支援員等のチームワーク・職場作り」について永松講師がグループ研修しました(15名参加)。参加者より「永松先生の講話は仕事の深さを教えてくれるので、楽しみにしていました。支援員(学童保育指導員)にとって、仕事上の役割について、又、チームワークの大切さを学ばせて頂いた2日間でした。『子どものための学童保育』を念頭に、支援員として、子どもたちの前に立つのであれば学び続ける支援員になるよう努力しなければと思いました」とコメントがありました。
今回は自治体担当者、宮城県学童保育緊急支援プロジェクトと共に研修の組み立てを行いました。来年以降も、研修が継続的に実施されるよう自治体担当者と振返りを行いながら検討していきたいと思います。
(報告:東京事務所 鈴木)