日本/東日本大震災/子どもの保護(公開日:2014.02.28)
折って、やぶいて、楽しい冒険 〜『遊び』を通して学ぶ〜 (2014.02.28)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)では、学童保育施設指導員の先生方がスキルアップできるような、様々なサポートを行っています。今回、元学童保育指導員のSCJスタッフが岩手県釜石市栗林学童育成クラブを訪問し、「遊び」をテーマに指導員研修を行いました。
「遊び」の研修を行ったきっかけは、指導員の先生方から「子どもたちの人数も少なく、遊びが単調になってしまう。子どもたちを喜ばせるための工夫はないか」と相談を受けたことです。そこで、学童指導員経験が豊富な弊会のスタッフが学童クラブを訪問し、工夫を取り入れた「遊び」を紹介しました。学童指導員の先生方も「ぜひ、その遊びを実践したい」ということで、先生方と一緒に準備を進め、新しい「遊び」を実施しました。
影絵、大型紙芝居、折り紙演劇(別名:新聞シアターまたは新聞紙シアター)、紙人形劇など、いつもと違う遊びの世界。子どもたちはみるみるうちに引き込まれていきました。
その中でも特に、学童指導員の先生方が中心となってシナリオを考え、登場人物である「ねずみ」の衣装を準備し、海のセットをつくり臨んだ、折り紙演劇「ねずみ君のぼうけん」について、ぜひ皆さんにご紹介したいと思います。
ではまず、こちらの動画(約1分半)をご覧ください。
http://youtu.be/OSbNolgMiz0
動画: 折り紙演劇『ねずみ君のぼうけん』
いかがでしたか。このように、ただ演劇を見るのではなく、ただ折り紙を折るのではなく、それらを組み合わせたものが、折り紙演劇です。なによりも、子どもたちを巻き込み参加を促すことで、子どもたち一人ひとりが主人公である「ねずみ」になりきり、演劇の世界をつくり上げていきました。
主役は子どもたち、それを見事に指導員の先生方が支えていました。
予想以上の出来栄えに、先生方も思わずにっこりです。
折り紙演劇の他にも、影絵、大型紙芝居、紙人形劇などの遊びに取り組みました。それぞれの遊びを写真とともに紹介します。
子どもたちは、いつもの絵本とは違う迫力ある手づくりの絵に、目をまあるくして興味津々。
上演を終えると、子どもたちは、遊び道具の周りに集まってきました。
そして、子どもたち同士協力しながら、紙人形劇を演じてみたり、影絵の仕掛けについて考え実際にやってみたり、大型紙芝居をめくってみたり、初めての遊びに果敢に挑戦していきました。
中でも、傍でやさしく見守る指導員の応援も得て、影絵の長い長いストーリーを最初から最後まで読み上げた低学年2人の子どもたちには、周りの大人たちも脱帽。
参加した子どもたちや指導員の先生方は、下記のような感想をお話ししていました。
子どもたちの声:
・「紙人形劇がとってもきれいで、おもしろかった。私は絵を描くのが大好き、描いてみたい!」
・「『ねずみ君のぼうけん』がすごく楽しかった。折り紙がいろんなものに変わってびっくりした!」
・「『めっきらもっきらどおんどん』がすごくおもしろかった。ぼくのクラスにも本があるんだよ!」
指導員の先生方の声:
・「折り紙演劇は子どもたちがとても楽しんでくれたので、これからも日々の保育で取り組んでいきたいと思いました。子どもたちが食い入るように集中していた姿が見られ、絵本の読み聞かせの工夫もしていきたいと思いました。」
冬休みの最後の日、学童指導員からの新しい「遊び」のプレゼントは、大成功となりました。
学童指導員の先生方は、日々、子どもたちへの保育を通して、働く保護者を支えています。SCJでは今後も、学童指導員の先生方への支援活動に取り組んでいきます。
(報告: 遠野事務所 釜台いく子・桜井良平)