日本/東日本大震災/子どもの保護(公開日:2014.03.05)
東日本大震災からの学び:「災害後の子どもの育つ環境の変化と支援体制への影響に関する調査」に関する報告会(2013.03.05)
先日のブログでお知らせした、『東日本大震災からの学び:「災害後の子どもの育つ環境の変化と支援体制への影響に関する調査」』に関する報告会を、岩手県陸前高田市(2月17日開催)、福島県南相馬市(2月20日開催)、宮城県石巻市(2月28日開催)の3会場で開催しました。
今回の報告会は、調査のヒアリングや質問紙記入でご協力を頂いた各地域の方々、および各地域で子どもの支援に携わる方々をお招きしました。本報告会の目的としてまず、調査にご協力を頂いた方へ調査結果がどういうものであったのかをきちんと説明をするということがありました。また、この調査を受けて今後どのような支援活動を協力・連携して行っていくのかについて考える場としたいという思いもありましたので、各地で日々、子どもの支援を行っている方々にもご参加頂きました。各回とも、第一線で虐待予防や対策を行っている専門機関の方から、広く子育て支援を行っている民間団体の方々まで多岐に渡る団体からご参加を頂きました。
報告会では、以前この活動ブログにて報告をした通り、今回調査で得た声を分類すると、虐待につながる可能性がある状況で、一定の適切な支援が必要であるというグレーゾーンに集中したということや、「子どもの虐待・ネグレクトの現状」、「ドメスティックバイオレンス(DV)」、「避難・移動する家族」、「仮設住宅団地での生活」、「家族構成・主たる養育者の変化」、「原子力発電所事故の影響」、「里親」というテーマを抽出し、個別に分析を行った結果などを説明しました。
参加してくださった方々からのご意見では、「行政でできることは限られており、民間の方々と対等なパートナーとして協力していくことが大切」」といった行政の方からのお言葉や、「子どもの育ちを見守り、気にかけているのはやはり地域の人々である。」といった地域の力を高めることの重要性を訴える発言、「グレーゾーンという家庭や子どもへの支援が大事だということをきちんと結果でだしてもらえた」という専門機関の方からのお言葉を頂きました。報告会後のアンケートでは、本報告書の有用性については、多くの方から「ある」という回答を頂きました。
今後、調査の提言を踏まえ、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとして何ができるのかを考えていくことになりますが、報告会の中では、既に取り組みを始めている子ども虐待予防の一環として、養育者の孤立化防止を目的とした「遊びのレシピ」や、叩かない子育てを促すセーブザチルドレンの事業である「ポジティブ・ディシプリン」の紹介も行いました。
報告会で頂いたご指摘・ご意見なども踏まえ、現在報告書の編集を行っています。完成のお知らせはまたこちらにて行います。
(報告:東日本復興支援事業部 子どもの保護セクター)