日本/東日本大震災/子どもの保護(公開日:2012.12.18)
釜石市 中妻仮設集会所の1日 (2012.12.18)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下:SCJ)は、東日本大震災で被災した子どもたちが遊び、学び、発達するための安全かつ保護的な環境づくりを目指しています。これまでも、仮設住宅で暮らしている子どもたちが各仮設団地の集会所や談話室で安心して過ごせるよう、さまざまな活動を行ってきました。その一環として、岩手県の仮設団地で「子どもの遊び場がない」「放課後に安心して自習出来る場所がない」といった声が聞こえてきた為、SCJは行政と連携して支援要望のあった仮設団地を対象に子どもの居場所が確保出来るよう仮設集会所を県内で9件建設しました。
今回ご紹介するのは釜石市で仮設団地が最も早く出来上がった中妻町仮設団地の仮設集会所(以下:集会所)についてです。昨年、仮設団地が出来上がった際に、「子どもから大人までみんなで集まる場所が無い」「子どもたちの遊び場や大人の憩いの場が欲しい」「放課後子どもたちの勉強部屋にしたい」などといった声がありました。そこでSCJはユニリーバ・ジャパン株式会社の「ユニリーバこども笑顔プロジェクト」のご支援の基で、仮設団地の皆さんが使用できる集会所の建設を進め、今年1月に待望の集会所が完成しました。
【完成後の様子】
子どもも気になって窓から覗いています
完成直後、半月ほどは集会所の備品は中々集まりませんでしたが、行政や外部ボランティアの様々なご支援で少しずつ備品が集まり「中妻仮設団地仮設集会所」が始まりました。
【備品が少しずつ集まって中妻仮設団地集会所が始まりました】
そして現在、中妻仮設団地集会所は外部からの多く支援や仮設団地みなさまの団結力で集会所が大きく発展し、みんなの憩いの場となり、開いていない日がほとんど無いくらい毎日利用されるようになりました。昼間は住民の大人の皆さんの集会所として、午後は下校した子どもたちの遊び場として機能しています。一日のうちに誰か必ず大人がいるので、子どもたちも安心していつでも遊びに来ることができる場所となっています。
【外壁の模様がカラフルです】
【室内も活気づき毎日大人も子どもも一緒に集まるようになりました】
【子どもたちがいつ遊びにきてもいいように遊び道具が充実しています】
さて、今回はこの集会所のある平日の1日をご紹介したいと思います。
◆朝8時30分ごろ
鍵当番の方が鍵を開けて1日が始まります。今日はどんな人が訪問するか楽しみですね。
◆午前10時30分ごろ
今日は恒例の手芸で住民のみなさまがいっぱい集まってきました。頑丈なプラスチックテープ
を使って大人の方が「籠(かご)入れ」を真剣に作っています。
◆午後1時30分ごろ
「お茶飲み」をしながら色々な方が集まり、大人の方が楽しくくつろいでいます。
子どもたちが遊びに来る放課後の時間までもう少しです。今日は何人遊びに来るか楽しみですね。
◆午後4時ごろ
初めに子どもたちが3人遊びに来ました。LEGOブロックで仲良く遊んでいます。
お家の中を組み立てているようです。自由に作れるので楽しそうですね。
◆午後4時30分ごろ
野球スポーツ少年団に通っている男の子が2人遊びに来ました。今日は将棋遊びのようで
お互い真剣に競っています。がんばれー!!
そして今度は将棋の上手なおじいちゃんと真剣勝負です。おじいちゃんに勝てるかな!?
このような世代を超えた交流も多く見られるといいですね。
◆午後5時30分ごろ
集会所の鍵が閉まり、長い1日が終了します。
集会所へ通う子どもたちは
「集会所に来ると、たくさんの人がいて一緒に遊べるのが楽しい」
「放課後、仮設住宅では狭くて遊べないので集会所で楽しく遊んでいる」
「夏休みや冬休みにみんなで学習する所があり楽しい」
「集会所に来ると、おじいちゃんやおばあちゃんと色々話が出来て楽しい」
と声を聞く事が出来ました。
SCJは子どもたちが積極的に仮設団地の集会所・談話室を利用し、居場所として活用出来るよう今後も活動を進めていきたいと思います。
(報告:遠野事務所 後藤)