日本/東日本大震災/子どもの保護(公開日:2012.07.20)
みんなの集会所・談話室をつくろう!!〜 (2012.07.20)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、東日本大震災で被災した子どもたちが遊び、学び、発達するための安全かつ保護的な環境づくりをめざしています。これまでも、仮設住宅で暮らしている子どもたちが各仮設団地の集会所や談話室で安心して過ごせるよう、さまざまな活動を行ってきました。その一環として、岩手・宮城両県の行政と連携し、支援要望のあった県内の仮設住宅集会所および談話室へ、子ども向けの家具やおもちゃの配布を実施しています。
2012年6月には、デンマークに本社があるレゴ社より寄贈された、たくさんのレゴ®ブロックが日本に届きました。6月から7月にかけて、これまでにSCJが備品配布を行った集会所や談話室にレゴ®ブロックをお届けし、うち21か所では、子どもたちとレゴ®ブロックで楽しく遊ぶワークショップを実施。合わせて157人の子どもたちと55人の保護者の皆さんが参加してくれました。
ワークショップの始まりには、子どもたちが仮設住宅集会所や談話室の利用について考える時間を設けました。子どもたちが積極的に仮設住宅団地集会所・談話室を利用し、居場所として活用できるよう、働きかけるためです。「どんなときに集会所(談話室)を使っているの?」「集会所(談話室)は、何時から何時に開いているの?」「鍵が閉まっていたらどうするの?」といった質問を子どもたちに投げかけると、子どもたちは、「友達と遊ぶ」「宿題をする」「本を読む」や「9時から5時まで開いているよ」などと答えてくれました。いつも集会所を使っている子どもたちから、集会所での遊び方についての紹介があると、はじめて集会所に入った子どもたちは「ここで遊んでいいんだね!」と驚きの顔。新しい遊び場の発見につながったようです。
さて、いよいよレゴ®ブロックを使ったアクティビティの開始!まず1つ目は、どれだけ高くブロックを積み上げることができるかを競うチーム戦です。ゲームは2回行い、1回目と2回目との間に、チームごとに作戦会議をする時間があります。このゲームはチーム戦なので、初めて会った子どもたちも、小さい子も小学生のお兄さん・お姉さんも一緒になって「どうやったら次は勝てるか」「どうやったらより高く積み上げることができるか」を考えました。
2つ目は、2人1組になり、SCJスタッフが作ったモデルと同じものを作るというものです。2人のうち1人(目の役)しかモデルを見ることができません。また、もう1人(手の役)は、目の役から言葉だけでモデルについて教えてもらい、想像力をいっぱい働かせて、同じ(と自分が思う)ものを作ります。手の役の子は見られないもどかしさ、目の役の子はうまく伝えられないもどかしさがあり、それぞれ悪戦苦闘!最後に、スタッフの作ったモデルと照らし合わせてみると、完璧にできあがったペアもいれば、左右逆に作って「あともう少し!」というペアもいました。伝える難しさや、伝えられたことを形にする難しさを感じるアクティビティだったのではないでしょうか。
3つ目は、これまでに見たことのない新しい動物を作ろうというものです。ブロックで作り始める前に、SCJスタッフから「これまでに見たことない動物」が紹介され、子どもたちと一緒に「なんていう名前をつけようか!」「どこに住んでいそうかな?」「なにを食べると思う?」など、その動物についていろいろ考えました。最後は、たくさんのレゴ®ブロックを広げ、思い思いに「新しい動物」をつくりました。
このプログラムは、レゴ社の教育事業部であるレゴ エデュケーションより提供され、スタッフが研修を受けた上で実施いたしました。この研修では、レゴ®ブロックの魅力やレゴ®ブロックを使ったアクティビティについてだけでなく、子どもの想像力や学びを最大限に引き出すかかわり方について、改めて考える場となりました。レゴ エデュケーションのご協力で、子どもたちとのワークショップがより実り多いものとなりましたこと、心より感謝を申し上げます!
ワークショップの終わり、子どもたちからは「レゴ®ブロック楽しかった!」、「また遊びたいな」、「また集会所(談話室)で遊びたい」と、すてきな笑顔がこぼれていました。子どもたちが積極的に仮設住宅団地集会所・談話室を利用し、居場所として活用できるよう、今後も活動を進めていきたいと思います。
(報告:仙台事務所 阿部)