モンゴル(公開日:2012.12.11)
「世界こどもの日」をモンゴルでもお祝いしました。(2012.12.11)
モンゴル事務所の柴田です。日本の皆様お元気ですか?
さて、先月11月20日は「世界こどもの日」で、1989年に「子どもの権利条約」が国連総会において採択された記念日です。モンゴル事務所でも、この日を記念して、多くの権利を奪われている子どもたちの置かれた現状を見直す機会にしようと、今回はモンゴルの企業に呼びかけ、参加者と一緒に、チャイルドセンターの子どもたちや活動の支援を通して子どもの権利について考えるイベントを行いました。当日は13の企業から19名の参加がありました。
(チャイルドセンターに集まってくださった企業の方々)
今回のイベントの目的について、企画の発案者である広報担当のナラは、参加者にこう伝えました。
(チャイルドセンター職員。左から、オユンマー・アリウンツェツェグ・ダンディンスレン・ツォルモン・アルタンチメグ。右端は今回の企画者ナラ)
「このチャイルドセンターでサービスを受けている子どもの数は、決して多くありませんが、誰からも見放されている子どもたちを助けていることは事実です。そしてそのための運営費は、大きな金額ではありませんが、小さなお金でもありません。残念なことにここ最近、財政的に大変困っています。今の私たちから、『○○がほしい』という特定の要望はありません。まず、生きる権利、健康でいる権利、教育を受ける権利を奪われたモンゴルの子どもたちの状況を知ってください。そして、『一個人としてできることは何か』を考えてみてください。そして『一企業人としてできることは何か』を提案してください。それで十分です」
次に、私たちモンゴル事務所が直接運営するチャイルドセンターでは、どんな支援が行われており、そのような支援活動を提供するには、一体どれぐらいのサービス・資機材・経費が必要なのか、以下のように報告しました。
このように「子ども支援」といっても、そのサービス内容や必要な資機材は多岐に渡ります。ですので、どのような得技のある方も、どのようなタイプの企業でも、何かしら関わる方法があります。
例えば、基本的生活支援の部分で、無料で診察してくださった医師が紹介されました。センターに来る子どもたちは、身体的に大変弱っているので、医療機関受診が常に必要となります。これは本当にありがたいご支援でした。
(左から3番目が、無料で診察してくださった医師)
また、「講師料」なしで、ボランティアで読み書きを教えに来てくださった学生さんも紹介されました。子どもへの教育支援は重要な活動の1つです。多くの子どもたちが学校を中退しており、読み書きができません。読み書きができるようになれば、復学意欲も沸いてきます。また仕事を見つけるチャンスも増えます。
そして、一企業として手伝ってくださった方として、子どもが使用する文房具を、大変安価で提供してくださった文房具店が紹介されました。子どもが学校に行かなくなる理由の1つとして、「みんなと同様に学校に必要な文房具やかばんなどが準備できず、恥ずかしい思いをした。いじめられた。」ということがあります。ですので、チャイルドセンターでは、復学支援の1つとして、文房具などを子どもたちに提供することがあります。どれぐらいあっても足りないこれらの消耗品を、安価で購入できる支援は、本当にセンター運営費を助けてくれます。
さらに、職員が事務処理に使うパソコンやプリンターを寄付してくださった電機販売店が紹介されました。この電機販売店は、現在、メンテナンスサービスもしてくださっています。
イベントを終えたナラに感想を聞いてみると、こんな応えが返ってきました。
「改まって招待状を出しても、きっと企業の人たちは『私たちに何ができるの?何もできないよ』と、きっと躊躇して来てくれないと思いました。ならば、『友達感覚で気楽に招待しよう』と、事務所の全スタッフに、企業に勤めている自分の友人を招待してもらうよう呼びかけました。結果、13の企業から、19人の企業関係者が、チャイルドセンターに集まってくれたのです!私たちのその強い思いが通じたのか、イベントの最後には、参加者の1人である木工品を生産・販売する企業が、無料の木工作業訓練機会の提供を申し出てくれました。これは、子どもや仕事のない親の自立のために、とてもうれしい提案です。社会に貢献する活動に取り組むモンゴルの企業は、だんだんと増えてきました。でも、子どものために、子どもの将来を考えて何かする企業は、残念ながらまだまだ少ないのが現実です。これから模索が始まるのだと思います。でもこんな風に一人ひとりが、子どもや私たちの取り組みを知ることで、無理なく気負うことなく貢献できる方法を見つけてくれるようになると信じています」
2012年、ご支援をいただきました多くの方々に心から感謝するとともに、2013年も、あたたかいご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
(報告: モンゴル事務所 柴田)
(子どもたちが書いた将来の夢メッセージ: ある女の子は「もし私の両親がお酒を飲むことをやめたら、仕事を見つけて働いてくれれば、一緒に楽しく住めるのになぁ。」と書いています。また、ある男の子は「将来、専門的な技術を身に付けて、良い仕事を見つけたい。」と書いています。)
(子どもたちが描いた将来の夢)
さて、先月11月20日は「世界こどもの日」で、1989年に「子どもの権利条約」が国連総会において採択された記念日です。モンゴル事務所でも、この日を記念して、多くの権利を奪われている子どもたちの置かれた現状を見直す機会にしようと、今回はモンゴルの企業に呼びかけ、参加者と一緒に、チャイルドセンターの子どもたちや活動の支援を通して子どもの権利について考えるイベントを行いました。当日は13の企業から19名の参加がありました。
(チャイルドセンターに集まってくださった企業の方々)
今回のイベントの目的について、企画の発案者である広報担当のナラは、参加者にこう伝えました。
(チャイルドセンター職員。左から、オユンマー・アリウンツェツェグ・ダンディンスレン・ツォルモン・アルタンチメグ。右端は今回の企画者ナラ)
「このチャイルドセンターでサービスを受けている子どもの数は、決して多くありませんが、誰からも見放されている子どもたちを助けていることは事実です。そしてそのための運営費は、大きな金額ではありませんが、小さなお金でもありません。残念なことにここ最近、財政的に大変困っています。今の私たちから、『○○がほしい』という特定の要望はありません。まず、生きる権利、健康でいる権利、教育を受ける権利を奪われたモンゴルの子どもたちの状況を知ってください。そして、『一個人としてできることは何か』を考えてみてください。そして『一企業人としてできることは何か』を提案してください。それで十分です」
次に、私たちモンゴル事務所が直接運営するチャイルドセンターでは、どんな支援が行われており、そのような支援活動を提供するには、一体どれぐらいのサービス・資機材・経費が必要なのか、以下のように報告しました。
このように「子ども支援」といっても、そのサービス内容や必要な資機材は多岐に渡ります。ですので、どのような得技のある方も、どのようなタイプの企業でも、何かしら関わる方法があります。
例えば、基本的生活支援の部分で、無料で診察してくださった医師が紹介されました。センターに来る子どもたちは、身体的に大変弱っているので、医療機関受診が常に必要となります。これは本当にありがたいご支援でした。
(左から3番目が、無料で診察してくださった医師)
また、「講師料」なしで、ボランティアで読み書きを教えに来てくださった学生さんも紹介されました。子どもへの教育支援は重要な活動の1つです。多くの子どもたちが学校を中退しており、読み書きができません。読み書きができるようになれば、復学意欲も沸いてきます。また仕事を見つけるチャンスも増えます。
そして、一企業として手伝ってくださった方として、子どもが使用する文房具を、大変安価で提供してくださった文房具店が紹介されました。子どもが学校に行かなくなる理由の1つとして、「みんなと同様に学校に必要な文房具やかばんなどが準備できず、恥ずかしい思いをした。いじめられた。」ということがあります。ですので、チャイルドセンターでは、復学支援の1つとして、文房具などを子どもたちに提供することがあります。どれぐらいあっても足りないこれらの消耗品を、安価で購入できる支援は、本当にセンター運営費を助けてくれます。
さらに、職員が事務処理に使うパソコンやプリンターを寄付してくださった電機販売店が紹介されました。この電機販売店は、現在、メンテナンスサービスもしてくださっています。
イベントを終えたナラに感想を聞いてみると、こんな応えが返ってきました。
「改まって招待状を出しても、きっと企業の人たちは『私たちに何ができるの?何もできないよ』と、きっと躊躇して来てくれないと思いました。ならば、『友達感覚で気楽に招待しよう』と、事務所の全スタッフに、企業に勤めている自分の友人を招待してもらうよう呼びかけました。結果、13の企業から、19人の企業関係者が、チャイルドセンターに集まってくれたのです!私たちのその強い思いが通じたのか、イベントの最後には、参加者の1人である木工品を生産・販売する企業が、無料の木工作業訓練機会の提供を申し出てくれました。これは、子どもや仕事のない親の自立のために、とてもうれしい提案です。社会に貢献する活動に取り組むモンゴルの企業は、だんだんと増えてきました。でも、子どものために、子どもの将来を考えて何かする企業は、残念ながらまだまだ少ないのが現実です。これから模索が始まるのだと思います。でもこんな風に一人ひとりが、子どもや私たちの取り組みを知ることで、無理なく気負うことなく貢献できる方法を見つけてくれるようになると信じています」
2012年、ご支援をいただきました多くの方々に心から感謝するとともに、2013年も、あたたかいご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
(報告: モンゴル事務所 柴田)
(子どもたちが書いた将来の夢メッセージ: ある女の子は「もし私の両親がお酒を飲むことをやめたら、仕事を見つけて働いてくれれば、一緒に楽しく住めるのになぁ。」と書いています。また、ある男の子は「将来、専門的な技術を身に付けて、良い仕事を見つけたい。」と書いています。)
(子どもたちが描いた将来の夢)