モンゴル(公開日:2011.08.22)
チャイルドセンターの社会サーカス研修(2)(2011.08.22)
こんにちは。モンゴル事務所で子どもの保護、特に「チャイルドセンター」を担当していますウヤンガです。
モンゴルの公立の学校や幼稚園は、6月から8月まで3ヶ月間の長い夏休みがありますが、この時期、大人も1ヶ月近い夏休みを取ります。多くの人が、田舎の実家やゲル(モンゴルの伝統的な家)キャンプに移動し、大自然の中での生活を楽しみます。草原の上で食事や昼寝をしたり、川で遊んだり、長い冬を迎えるための十分なエネルギーを蓄えているかのようです。
さて、約1ヶ月ぶりのブログ更新になりましたが、前回のブログでお知らせしましたように、チャイルドセンターのサーカス研修に参加する子どもたちとサーカス指導員の声を以下にお伝えします。
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●アンフホヨルくん(15歳)
ジャグリングの練習
(上の写真のように、目の前でジャグリングを見せてくれました。とても上手でした。)
<研修に参加して自分に起こった変化>
人がこわくなくなりました。友だちができました。
<将来の夢>
サーカスの団員になりたいです。
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●ビルクトゥーテーくん(12歳)
友だちと一緒に来て、おもしろそうだったからです。2008年から参加しています。
<研修で1番楽しいこと>
棒を使う演技をしているとき。
<研修に参加して自分に起こった変化>
まだわからない。両親は僕の演技を見たことがあります。
<将来の夢>
サーカスの団員になりたいです。
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●シンジモウさん(15歳) ※下の写真の右の女の子
<研修に参加しようと思ったきっかけ>
学校にソーシャルワーカーがサーカス研修の説明をしにきてくれて、おもしろそうと思ったからです。12歳の時から参加しています。
<研修で1番楽しいこと>
棒を使う演技
<研修に参加して自分に起こった変化>
もし、このサーカス研修がなくなると、いやです。
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●指導員のエルデネ・ツェツェグさん(1999年から指導員の仕事をしています。)とのQ&A
A:何も話さない子どもや、暴力をふるってくる子、騒ぐ子、何も言うことを聞かない子など、さまざまです。
Q:サーカス研修に参加した子どもたちの変化を何か感じ取りますか?
A:多くの子どもは、このサーカスをもっと学びたいと思うようになっていきます。また、人と接するようになるため、自分の身の回りをきれいにするようになってきます。中には、学校に行きたいと思うようになった子、親と会いたいと思うようになった子、働くようになった子もいます。
Q:指導員として気をつけていることはありますか?
A:子どもの接し方です。自分からこのサーカスをしようと誘うのではなく、子どもたちのほうから、「先生、これを教えてください」と言われたら、教えるようにしています。いつも子どもたちから言われるまで、こちらからは、強制しないようにしています。
Q:これから、このサーカス研修に望むこと、期待することはなんですか。
A:私は以前、演技者として仕事をしていました。でも、自分自身も2歳の時に両親を亡くしており、子どものために何かしたいといつも思っていました。子どもたちは、やはり学校に行かないといけないと思います。そして、学力だけではなく、心身共に健康にならないといけない。また、いろんな人と出会い、社交性を身につけることはとても大切です。このサーカス研修を通じて、これらのことを教えられたら嬉しいです。
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以上が、社会サーカス研修でひろった子どもたちと指導員の声です。練習をしている時は、一人ひとりが本当に楽しそうに練習をしていました。
この社会サーカス研修は、「シルク・ドゥ・ソレイユ」のご支援で実現しています。子どもたちに良い変化をもたらす活動を支えてくださり、改めて、ここで感謝を申し上げたいと思います。
ウランバートルのウヤンガより。