モンゴル(公開日:2014.05.23)
【子ども保護事業】「国際体罰反対デー」キャンペーンを、ウランバートル市と4つの県で実施しました(2014.05.23)
こんにちは。モンゴル事務所の柴田です。
4月30日は、何の日か知っていますか?「国際体罰反対デー(International Spank Out Day) 」です。モンゴルの子どもの46%は、何らかの体罰や暴力を受けていると言われています(モンゴル政府統計局2012年)。モンゴル事務所では、「子どもへの体罰撲滅」を目指して、毎年4月30日にキャンペーンを行っています。
しかし、今年のキャンペーンは、今までとは違いました!!!
1つ目の違いは、過去のキャンペーンよりも地域を広げて、キャンペーンを実施することが出来たということです。今まではウランバートル市とドルノド県だけでキャンペーンを実施していましたが、今年はその他に3つの県が加わりました。また、県の中心地だけでなく、県の中心から遠く離れた30以上の村々でもキャンペーンが行われました。それに加えて、国営テレビや映画館、公共電子掲示板でもキャンペーン番組が報道されました。
2つ目の違いは、当会の事業が実施されている学校や幼稚園の職員、子どもの問題を担当する県や村の職員が、当会のスタッフと一緒に、キャンペーンを企画・実施したということです。今後、地域の人々によってキャンペーン活動が引き継がれていけば、当会の活動に関わらず、地域の人々は、繰り返し体罰について考える機会を持つことが出来るでしょう。それは、今後の波及効果を考えると、とても意義深いことです。
3つ目の違いは、キャンペーンが当日だけで終わることなく、数日に渡り行われた地域もあったということです。その結果、数多くの催しが、長い期間に渡り企画され、子どもへの体罰についてより深く考える機会となりました。
では次に、今までとは違う今年のキャンペーンの様子を、一部お伝えしたいと思います。
モンゴル事務所スタッフ ⓒ Save the Children Japan
モンゴル事務所企画のキャンペーン
キャンペーンの様子 ⓒ Save the Children Japan
モンゴル事務所では、事務所裏の公園でキャンペーンを実施しました。あいにくの雨模様で寒い日になりましたが、エルデネンチメッグ国会議員、チンギルテイ地区13番ホローの子どもクラブメンバー、2つの施設のサーカス研修受講メンバーなど、子どもの権利のために活動する大勢の支援者の方々が駆けつけてくれました。そして約300人が「子どもへの体罰反対を推進する運動」に署名してくれました。
署名をしてくれた1人の男の子です。「全国のお父さん、お母さん。どうか自分の子どもを叩かないで!」と書いてくれました。
署名をする男の子 ⓒ Save the Children Japan
アルハンガイ県でのキャンペーン
パンフレット配布の様子 ⓒ Save the Children Japan
県内12の村々で、キャンペーンが行われました。2種類のパンフレットの配布、TV番組の放送、「保護者からの謝罪の手紙」コンテスト、クイズ大会などなど、いろいろな催しがなされ、約2,170人が参加しました。村での署名活動は、12の村の内エルデネブルガン村のみで行われ、約210人の署名が集まりました。
署名をするアルハンガイ県民 ⓒ Save the Children Japan
キャンペーンに参加した3年生の女の子の話です。
「今日は、おばあさんと来ました。私のお母さんは、いつも、だめ!だめ!といいます。さわってはだめ!してはだめ!あなたはできない!その言葉を聞くと、私は本当にやる気がなくなります。でも今日、本当にわかりました。お母さんはそうするべきではありません。おばあさんが、今日このキャンペーンで学んだことを、私のお母さんに話すと、約束してくれました。私はうれしいです。」
ウブルハンガイ県でのキャンペーン
県内の10の村々で、キャンペーンが行われました。約3,800人が参加し、パンフレットを受け取ったり、講義を聴いたりしました。また、約1,400人が署名活動に参加しました。参加した村の1つであるサント村では、他の村とは少し違った企画がなされました。子ども地域教育協議会メンバーが、地区の行政に重要な組織を1件ずつ訪問し、キャンペーンの意義を説明し、署名を求めるというものです。
村行政において一番重要な組織は、村役場です。村役場では、村長さんに会いました。ベカバット村長は、「今後、子どもたちが主催で行う活動は、全て支援するようにします。」と約束されました。
署名をするベカバット村長 ⓒ Save the Children Japan
また村文化センターも訪問しました。センター長ポロジ氏は、「今まで、国際体罰反対デーがあること自体知りませんでした。これからは、毎年我村で、このキャンペーンを企画するべきです。今までの古い育児法を忘れ、このポジティブ・ディシプリンという新しい育児法を、我村でも奨励すべきです。」
署名をするセポロジ氏 ⓒ Save the Children Japan
3つ目の組織は、国立銀行サント村支部です。支部長であるムンフネット氏は、「このパンフレットの内容は、とてもすばらしいと思います。特に若い世代は、これを読むべきです。」
署名をするムンフネット氏(写真左) ⓒ Save the Children Japan
ドルノド県・スフバートル県でのキャンペーン
署名をするドルノド県民 ⓒ Save the Children Japan
2つの県内12の村々で、キャンペーンが行われました。当日は、パンフレットが配布された他、TV番組の放送、「私の家族に願うこと」をテーマにした絵画コンテストなどが催されました。それに先立ち4月29日には、ポジティブ・ディシプリンの特別講義が各村で企画され、合計130人の教育関係者、保護者が参加しました。
パンフレットの配布を手伝った生徒の1人は、「パンフレットをもらった人々は、とても嬉しそうでした。1人のお母さんは、『私はたった今、娘を叩いて家を出てきました。だめですね。家に戻ったらすぐに娘に謝ります。』といいました。私は、こんなイベントが毎日あればいいな、と思いました。」
キャンペーンに参加したドルノド県の子どもたち ⓒ Save the Children Japan
さて上で述べられている2種類のパンフレットですが、1つはキャンペーン用のパンフレット、もう1つはポジティブ・ディシプリンについて説明したパンフレットです。この2種類のパンフレットは、モンゴル事務所で合計7,500部印刷し、各村々に配布しました。
キャンペーン用のパンフレット ⓒ Save the Children Japan
ポジティブ・ディシプリンのパンフレット ⓒ Save the Children Japan
広がったこの子どもへの体罰反対の動きが止まらぬよう、私たちはこれからも活動を続けていきます。今後ともご支援のほど、よろしくお願いします。
署名をするウランバートル市民 ⓒ Save the Children Japan
(ポジティブ・ディシプリンについては、以下のリンクでも紹介しています。)
4月30日は、何の日か知っていますか?「国際体罰反対デー(International Spank Out Day) 」です。モンゴルの子どもの46%は、何らかの体罰や暴力を受けていると言われています(モンゴル政府統計局2012年)。モンゴル事務所では、「子どもへの体罰撲滅」を目指して、毎年4月30日にキャンペーンを行っています。
しかし、今年のキャンペーンは、今までとは違いました!!!
1つ目の違いは、過去のキャンペーンよりも地域を広げて、キャンペーンを実施することが出来たということです。今まではウランバートル市とドルノド県だけでキャンペーンを実施していましたが、今年はその他に3つの県が加わりました。また、県の中心地だけでなく、県の中心から遠く離れた30以上の村々でもキャンペーンが行われました。それに加えて、国営テレビや映画館、公共電子掲示板でもキャンペーン番組が報道されました。
2つ目の違いは、当会の事業が実施されている学校や幼稚園の職員、子どもの問題を担当する県や村の職員が、当会のスタッフと一緒に、キャンペーンを企画・実施したということです。今後、地域の人々によってキャンペーン活動が引き継がれていけば、当会の活動に関わらず、地域の人々は、繰り返し体罰について考える機会を持つことが出来るでしょう。それは、今後の波及効果を考えると、とても意義深いことです。
3つ目の違いは、キャンペーンが当日だけで終わることなく、数日に渡り行われた地域もあったということです。その結果、数多くの催しが、長い期間に渡り企画され、子どもへの体罰についてより深く考える機会となりました。
では次に、今までとは違う今年のキャンペーンの様子を、一部お伝えしたいと思います。
モンゴル事務所スタッフ ⓒ Save the Children Japan
モンゴル事務所企画のキャンペーン
キャンペーンの様子 ⓒ Save the Children Japan
モンゴル事務所では、事務所裏の公園でキャンペーンを実施しました。あいにくの雨模様で寒い日になりましたが、エルデネンチメッグ国会議員、チンギルテイ地区13番ホローの子どもクラブメンバー、2つの施設のサーカス研修受講メンバーなど、子どもの権利のために活動する大勢の支援者の方々が駆けつけてくれました。そして約300人が「子どもへの体罰反対を推進する運動」に署名してくれました。
署名をしてくれた1人の男の子です。「全国のお父さん、お母さん。どうか自分の子どもを叩かないで!」と書いてくれました。
署名をする男の子 ⓒ Save the Children Japan
アルハンガイ県でのキャンペーン
パンフレット配布の様子 ⓒ Save the Children Japan
県内12の村々で、キャンペーンが行われました。2種類のパンフレットの配布、TV番組の放送、「保護者からの謝罪の手紙」コンテスト、クイズ大会などなど、いろいろな催しがなされ、約2,170人が参加しました。村での署名活動は、12の村の内エルデネブルガン村のみで行われ、約210人の署名が集まりました。
署名をするアルハンガイ県民 ⓒ Save the Children Japan
キャンペーンに参加した3年生の女の子の話です。
「今日は、おばあさんと来ました。私のお母さんは、いつも、だめ!だめ!といいます。さわってはだめ!してはだめ!あなたはできない!その言葉を聞くと、私は本当にやる気がなくなります。でも今日、本当にわかりました。お母さんはそうするべきではありません。おばあさんが、今日このキャンペーンで学んだことを、私のお母さんに話すと、約束してくれました。私はうれしいです。」
ウブルハンガイ県でのキャンペーン
県内の10の村々で、キャンペーンが行われました。約3,800人が参加し、パンフレットを受け取ったり、講義を聴いたりしました。また、約1,400人が署名活動に参加しました。参加した村の1つであるサント村では、他の村とは少し違った企画がなされました。子ども地域教育協議会メンバーが、地区の行政に重要な組織を1件ずつ訪問し、キャンペーンの意義を説明し、署名を求めるというものです。
村行政において一番重要な組織は、村役場です。村役場では、村長さんに会いました。ベカバット村長は、「今後、子どもたちが主催で行う活動は、全て支援するようにします。」と約束されました。
署名をするベカバット村長 ⓒ Save the Children Japan
また村文化センターも訪問しました。センター長ポロジ氏は、「今まで、国際体罰反対デーがあること自体知りませんでした。これからは、毎年我村で、このキャンペーンを企画するべきです。今までの古い育児法を忘れ、このポジティブ・ディシプリンという新しい育児法を、我村でも奨励すべきです。」
署名をするセポロジ氏 ⓒ Save the Children Japan
3つ目の組織は、国立銀行サント村支部です。支部長であるムンフネット氏は、「このパンフレットの内容は、とてもすばらしいと思います。特に若い世代は、これを読むべきです。」
署名をするムンフネット氏(写真左) ⓒ Save the Children Japan
ドルノド県・スフバートル県でのキャンペーン
署名をするドルノド県民 ⓒ Save the Children Japan
2つの県内12の村々で、キャンペーンが行われました。当日は、パンフレットが配布された他、TV番組の放送、「私の家族に願うこと」をテーマにした絵画コンテストなどが催されました。それに先立ち4月29日には、ポジティブ・ディシプリンの特別講義が各村で企画され、合計130人の教育関係者、保護者が参加しました。
パンフレットの配布を手伝った生徒の1人は、「パンフレットをもらった人々は、とても嬉しそうでした。1人のお母さんは、『私はたった今、娘を叩いて家を出てきました。だめですね。家に戻ったらすぐに娘に謝ります。』といいました。私は、こんなイベントが毎日あればいいな、と思いました。」
キャンペーンに参加したドルノド県の子どもたち ⓒ Save the Children Japan
さて上で述べられている2種類のパンフレットですが、1つはキャンペーン用のパンフレット、もう1つはポジティブ・ディシプリンについて説明したパンフレットです。この2種類のパンフレットは、モンゴル事務所で合計7,500部印刷し、各村々に配布しました。
キャンペーン用のパンフレット ⓒ Save the Children Japan
ポジティブ・ディシプリンのパンフレット ⓒ Save the Children Japan
広がったこの子どもへの体罰反対の動きが止まらぬよう、私たちはこれからも活動を続けていきます。今後ともご支援のほど、よろしくお願いします。
署名をするウランバートル市民 ⓒ Save the Children Japan
(ポジティブ・ディシプリンについては、以下のリンクでも紹介しています。)
http://www.savechildren.or.jp/sc_activity/japan/pd.html