モンゴル(公開日:2017.04.17)
【モンゴル 寒雪害「ゾド」】2年連続の被害発生に対し、遊牧世帯の子どもたちへの支援を開始
2016年モンゴル国内で20万人以上の被災者を出した寒雪害ゾド。今年もまた、50センチを超える積雪や、マイナス50度を下回る極寒状態など、深刻なゾドが発生しています。突発的に起こる地震のような災害と異なり、ゾドは遅発型災害と呼ばれ、その被害は徐々に広がるのが特徴です。特に3〜5月には、冬を越すための飼料が底を尽き、家畜が体力を消耗したまま繁殖期に入るため、家畜の大量死が発生します。昨年の被害から十分な復興に至っていない中で、2年連続のゾド発生により、特に貧困層の遊牧世帯やその子どもたちは深刻な被害を受けています。
現地では国連等による支援も行われていますが、多くの場合畜産や食料援助に比重が置かれ、遊牧民の子どもたちに対する支援は限定的です。しかし、ゾド被害を受けた遊牧世帯では子どもたちが労働力と見なされ、家畜の被害を減らすために遊牧の手伝いに従事することが多く、新学期が始まっても学校になかなか戻れなかったり、特に貧しい遊牧世帯では子どもの学用品や制服など教育への支出が減らされるなど、子どもたちへの支援ニーズが非常に高くなっています。
これを受けセーブ・ザ・チルドレンでは、ゾドの影響を受けたもっとも脆弱な立場の遊牧世帯の子どもたちを対象に、教育面における負の影響を減らすため2017年3月1日よりアルハンガイ県、ドルノド県、ザブハン県、バヤンウルギー県の4県で子どもにやさしい学習環境の整備や補習授業実施に向けた活動を開始しました。また、モンゴルでは今後も数年おきにゾド等の災害の発生が懸念されることから、将来への備えとして、学校を主体とした災害リスクへの対応力を向上するための活動も実施していきます。今冬、ゾドの被災者へ教育支援を行う団体は、2017年4月時点でセーブ・ザ・チルドレンのみとなっています。
次の極寒期が訪れる2018年2月まで、被災地域の子どもたちに寄り添いながら、緊急援助と中期的な復興活動を実施していきます。
本事業は、みなさまからのご寄付と、ジャパン・プラットフォームのご支援により実施しています。
海外事業部 藤井麻衣子
本事業は、みなさまからのご寄付と、ジャパン・プラットフォームのご支援により実施しています。
海外事業部 藤井麻衣子