モンゴル(公開日:2013.11.11)
【幼稚園プロジェクト(12)】ポジティブ・ディシプリンで変わったすばらしい人々に出会いました(幼稚園編)(2013.11.11)
皆さん、こんにちは。モンゴル事務所のウルジです。前回のブログで、2008年から3年間に渡りポジティブ・ディシプリンの研修と普及を支援しましたウランバートルの第60番小中高一貫学校の「今」をお伝えしました。
(ウルジ)
今私は、同じようにポジティブ・ディシプリンを幼稚園の先生に普及しています。普及を初めてまだ2年足らずですが、すでに「こんな素敵に変われるの?」と驚かされる保護者の方々に出会いました。ビデオをご覧ください。
このビデオに出てくるお父さんは、私たちが現在支援している第19番幼稚園の保護者会のメンバーです。私たちの事業では、まず幼稚園の先生に「ポジティブ・ディシプリンとは?」の研修を行いました。続いて「ポジティブ・ディシプリンを保護者に伝えるには?」の研修を行いました。そして、その幼稚園の先生たちが、少しずつ「ポジティブ・ディシプリンとは?」ということを保護者に伝えてきました。すでに、こんな大きな変化が起こっている保護者がいることを、本当に嬉しく思っています。
更に、この幼稚園の保護者会メンバーは、「ポジティブ・ディシプリンとは?」を保護者会のメンバーでない保護者に伝えるため、ドラマを作成しました。子どものために時間を割く親と、仕事と自身の関心に時間を割く親。全く対照的な2つの家庭で大きくなったそれぞれの子どもたちが将来どうなるのか?というストーリーです。だれもが「あ!」と驚かされ、自分自身の生活を見つめ直すきっかけをくださいました。
(演技をする第19番幼稚園の保護者会メンバー)
またもう1つ紹介したい保護者がいます。第165番幼稚園に通うアヌウジンのお父さん、ムンフエルデネさんです。
(ムンフエルデネさん)
「私が子どものころ、私の両親は仕事をしていました。また6人もの兄弟がいましたので、掃除や食事の支度など家の仕事をたくさんしなければなりませんでした。このような家の仕事をしていないと、両親からよく体罰を受けました。兄や姉もとても厳しかったです。ポジティブ・ディシプリン研修を受ける前、私はただ毎日、娘を幼稚園に連れて行くだけでした。幼稚園の掲示版に目を向けることも、娘と本を読むことも、遊ぶこともしませんでした。そして時々妻に『何でアヌウジンは、他の子どものように上手に歌が歌えないんだ!お前のせいだ!』と怒っていました。
ポジティブ・ディシプリン研修を受けて、私は気がつきました。どうしてアヌウジンは、テレビが大好きで、いつもテレビばかり見ているのかと。私がいつもテレビを見ているからです、私がいつも遊んであげないからです。
私は自分の子どものため、自分の家族のため、良いモデルになろうと決めました。まず今まで十分に遊んであげなかったことをアヌウジンに謝り、毎日遊ぶようにしました。アヌウジンが何か間違ったことをしたときは、アヌウジンの将来を考えて、言葉を選んで話すようにしました。毎日幼稚園に行くとき、先生と必ず今日のできごとについて話すようにしました。掲示板もいつも目を通します。アヌウジンの教育上で違ったことを妻と言い合うことをやめ、アヌウジンの前で、けんかをすることをやめました。
私は、今、他の保護者と幼稚園の先生と一緒に何かをしたいと思っています。幼稚園の先生にも、私たちの大切な子どもに対して、叫んだり怒鳴ったりしてほしくありません。また特に若い親たちに、もっと子育てのこと、ポジティブ・ディシプリンのことを、知ってもらいたいと思っています。子どもの人生の中で、最も大切なこの時期は、二度と取り戻せないからです。」
(ムンフエルデネさんの話は、9月20日に、現地新聞“Today“にも掲載されました。)
実は、このような多くのすばらしい人たちに出会うきっかけとなったのは、私たちが今年5月にモンゴルで開催したポジティブ・ディシプリンに関する国際フォーラムです。
(国際フォーラム報告書)
私は国際フォーラム企画者として、ポジティブ・ディシプリンの研修を受けて変わった多くのすばらしい方々に再度出会いたいと思いました。そして、このすばらしい方々の経験を、モンゴル国内や世界中で、ポジティブ・ディシプリンをまだ知らない方々、ポジティブ・ディシプリンを普及している方々に、ぜひ紹介したいと思いました。そうすることで、もっともっとポジティブ・ディシプリンを普及できると思ったからです。
これからもポジティブ・ディシプリン普及のために、いろいろな取り組みをしたいと思っています。ご支援のほどよろしくお願いします。
(報告;モンゴル事務所 ウルジ)
(国際フォーラムで演技をした幼稚園の子どもたちと第19番幼稚園の保護者たち)
*この「子どもにやさしい幼稚園推進」プロジェクトは、外務省・日本NGO連携無償資金協力の助成金により実施されております。