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モンゴル
(公開日:2015.07.01)

サェンバェノー(こんにちは)!タニルツイ(初めまして)!

 
日本の支援者の皆様、初めまして。2015年5月からモンゴル事務所で勤務を開始した岡本啓史(おかもとひろし)と申します。どうぞ宜しくお願いいたします。

首都ウランバートルに到着してから、早くも1カ月半が過ぎようとしています。私はモンゴル入りする前に南米チリに住んでいたので、季節も真逆、言葉も文化も全く違うといった、まさに地球の裏側にやってきたという思いです。まだまだ慣れないことばかりですが、持ち前の行動力と学びに対する意欲を生かして、モンゴル事務所の子ども支援活動に貢献できるよう精進していきたいと思います。

まず、本ブログでは、モンゴルに住んでみた感想、そしてセーブ・ザ・チルドレンが遊牧民の子どもたちを対象に地方遠隔地で実施している、基礎学力向上支援事業の実施地を訪れた際の印象などについて簡単に紹介したいと思います。

【モンゴルに住んでみた感想】
モンゴルには今までに訪れたことがなかっただけに「大自然・遊牧民・お相撲・極寒の土地」というイメージが膨らんでいましたが、首都のウランバートルに来てみると、かなりの都会であり、初夏は意外と暖かいという印象を抱きました。生活に欠かせない食事に関しては、羊肉料理が多いところは流石モンゴルといったところでしょうか。

        
首都ウランバートルのチンギスハーン広場    モンゴル定番料理「ボーズ」(羊肉の餃子)

また、モンゴル語には苦戦の日々を過ごしています。文法は日本語と似ているため覚えやすいようですが、ロシア語のキリル文字を使用しているため、店の看板でも何が書かれているのか分からないことに困惑することがあります(例えば、「ӨДӨР」は、パッと見て日本の顔文字を連想させるのですが、モンゴル語で、「日」という意味を持つ言葉です)。これからも当地で挑戦できることに日々感謝しながら、モンゴル生活に慣れていきたいと思います。

【遊牧民の子どもたちの基礎学力向上支援事業の事業実施地を訪れてみて】
先日、私たちの事業地の一つである、アルハンガイ県(首都ウランバートルから西に約400km)を訪れる機会がありました。当地までは車で6時間くらいかけて移動し、舗装されていない道路が途中増えてきたために少しタフな旅だったのですが、イメージしていたようなモンゴルの大自然や動物たちを道中に見ることができたので、飽きることの無い旅路でした。


大自然と放牧されている家畜たち

この事業に関しては過去のブログ記事でも何度か紹介していますが、簡単にまとめ直すと、小学校中途退学の子どもが特に多いモンゴル遠隔地4県において、標準的な幼児教育を受けていない、もしくは受けられないでいる子どもたちの初等教育における学力の維持、さらに向上を目指すものです。

主な活動内容としては、コミュニティ参加型「遠隔就学前教育」、学校教育現場における「放課後子ども教室」、そして学校に通学できない子どもたちの「遠隔補習教育プログラム」の構築・実践となっており、ちょうど事業開始から約3年が経とうとしています。

今回の訪問では、事業に関わった学校関係者や子どもたちと面談する機会がありました。その時にあがった声をご紹介します。

■教師や学校関係者の声
「この事業で提供された学習用玩具と絵本のセット(就学前教育キットと呼んでいます)の返却や貸し出しのために、子どもの保護者が月に2回のペースで学校に訪問するようになった。そのため、学校と保護者間のコミュニケーションの場が頻繁に設けられるようになった。」
「以前は子どものケアは母親が主体で行っていたが、事業開始後は父親も積極的に子どもの世話や家庭学習に関わることが増えた。」
「子どもの社会スキルや表現力にも変化が見られ、自分の見たもの・感じたものをより具体的に、恥ずかしがらずに他の人に表現できるようになった。」

■子どもたちの声
「おもちゃを通して、色々な形を覚えたり、友達と遊ぶ時間が増えた。」
「親が読み聞かせてくれる本の内容を覚えた。」(実際に内容を聞かせてくれる子どももいました)
「親に会えないのは寂しいけど、会ったときに学校であったことなどを話すのが楽しみ。」

親に会えないというのは、都市部の子どもにはなかなか見られない、遊牧民特有の問題を示唆しています。事業の対象者である地方遠隔地に住む遊牧民の子ども達は、学齢期(6歳)になると学校に行くために親元を離れ、寄宿舎又は学校付近の親戚の家で生活しなければなりません(遊牧民の子どもが抱える問題に関しては、過去のブログ記事でも紹介しています)。

本事業では、このように両親に会えず精神的につらい思いをしている子どもたちが、少しでも暖かで家庭的な環境で過ごせるよう、寄宿舎の部屋の改装も行っています。訪問中、改装された部屋で元気よく遊ぶ子どもたちの姿が印象的でした。今後も本事業の進捗状況をお伝えしていく予定です。


訪問先のコミュニティ教育協議会関係者による会議


学校に通う、元気一杯の遊牧民の子どもたち

 
親元を離れて寄宿舎で遊ぶ子どもたち。これら寄宿舎の部屋は、本事業の支援を受けて改装されました。

次回のブログでは、首都ウランバートル市都市部、特にゲル地区と呼ばれる地域に住む子どもたちを対象にした「新入生の『学びの基礎力』育成に向けた学校体制強化プロジェクト」の進捗状況について紹介する予定です。引き続き、皆様の温かいご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。


本ブログ記事で紹介した事業は、皆さまからのご支援と、世界銀行による「日本社会開発基金(JSDF: Japan Social Development Fund)」の助成金を受けて実施しています。

報告:モンゴル事務所 岡本 啓史


 

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