モンゴル(公開日:2012.02.06)
モンゴル事務所スタッフより(2012.02.07)
日本の皆さま、こんにちは。モンゴル事務所の柴田です。
今年も昨年に引き続き、モンゴルからさまざまな情報をお届けしたいと考えています。私たち日本人にとって、「お相撲」や「ゴビ砂漠」、「ゲルの家」・・・といった、わずかなイメージしかない近くて遠い国モンゴルですが、皆さまにモンゴルをもっと身近に感じていただくために、支援事業の情報だけでなく、その魅力をぜひ皆さまにご紹介したいと思います。
さて、今回は4人のモンゴル事務所のスタッフをご紹介します。私たちの事務所には、支援事業に直接関わるスタッフだけでなく、その支援事業を、影から支える様々なスタッフがいます。そんな縁の下の力持ち4人のスタッフからのメッセージをお届けします。
***
今年で18年目を迎える、運転手のガンバ―より
「皆さま、はじめまして。私は1994年から働き始め、今年で18年目を迎える一番の古株です。セーブ・ザ・チルドレンでは、子どもたちのために働けることが何よりも魅力です。私は普段、首都ウランバートルを運転し、事業スタッフの送迎をしていますが、2010年のゾド(雪害)が発生したときには、バヤンホンゴル(首都から620km)、ザフハン(首都から1,021km)、ゴビアルタイ(首都から1,011km)、ホブド(首都から1,445km)などの各県を飛び回りました。あの時は、大雪と厳しい寒さのために、生計を支える大切な家畜を亡くし困っている同じモンゴルの人々を支援することで、心がとても澄んでいくのを感じました」
受付・秘書・図書室管理担当のビルグーンより
「セーブ・ザ・チルドレンでは、2009年から働いています。幼いころに見た、テレビのある特集番組がきっかけで、将来、人権分野で活動をする国際機関で働きたいという夢を持つようになりました。今こうして、セーブ・ザ・チルドレンの一員となれたことを、とてもうれしく思っています。
子ども支援の現場での事業実施からは遠い立場にいますが、時々調査にも同行することがあります。2010年の3月に、学校に通うことができない子どもたちの実態調査に同行した時に出会ったある家族のことは、今でも心に残っています。お父さんとお母さんと3人暮らしのその子は、学習障害を持つ男の子でした。本人は学校に行きたいという希望を持っていますが、学校には受け入れる体制が整っていません。この地域には、以前から国際機関や民間団体が調査のために来ることがあったそうです。しかし、男の子の障害が重度であることを理由に、この家庭を調査団が直接訪れることは一度もなかったとのことです。そのような背景があったため、私たちが訪れた時は、家族全員でとても喜んでくれました。そして、これは後から聞いたのですが、そのお父さんは、私たちのほぼ初めての訪問を、周囲の人々にとてもうれしそうに話し、涙を流していたそうです。私たちの訪問は、あくまで調査のためであって、何か具体的な支援をしたというものではありませんでした。それでもそのお父さんは、「セーブの人たちが来てくれたんだよ。息子や自分たちの話を真剣に聞いてくれたんだよ。」と、繰り返し周囲の方に話していたとのことです。私はこの話を聞き、目頭が熱くなりました。そして、子どもたちのためにできることをしたいという思いをますます強くしました」
備品在庫管理・清掃担当のゲレルより
「セーブ・ザ・チルドレンでは、2003年から働いています。セーブは、子どものための国際NGOとしてモンゴルでもとても有名で、私は誇りに思っています。それぞれのスタッフは専門性にとても長けていますが、歌や踊りの才能に秀でた楽しいスタッフも大勢いて、忘年会などを盛り上げてくれます。職場の雰囲気も自由で温かく、とても居心地がいいです。
支援している子どもたちに触れる機会はほとんどありませんが、2004年にSCJが企画したサマーキャンプに参加したとき、チャイルド・センターの子どもたちと初めて触れ合いました。そのことは今でもとてもよく覚えています。チャイルド・センターの子どもたちと一緒にサーカス研修に参加しましたが、初めはどのように接すればいいのだろうと不安な気持ちを抱えていました。一緒に体を動かしたことで、子どもたちと気持ちが通じ合えたように感じ、とてもうれしかったです」
庶務担当のザヤより
「日本が東日本大震災に見舞われたとき、チャイルド・センターに通う子どもたちが中心となり、自主的に支援金の募金活動を始めました。子どもたち一人あたり10トゥグルグずつ、合計7,000人分から70,000トゥグルグ(およそ5,000円)を集めました。そして、集めたお金だけではなく、たくさんの心の込もった手紙や絵などと一緒に、『大好きな日本の皆さんへ届けてください!』と、私たちの事務所へと持って来てくれました。これまで日本の皆さんからの支援を受けてきた子どもたちが、このように逆に日本の方々へと想いを届けるべく、自主的に行動を起こしたことに私たちが感動し驚かされ、学ばせてもらいました。支援すべき子どもたちに、私たちがエネルギーをもらいました」
***
皆さま、4人のメッセージいかがでしたでしょうか。実は、4人にメッセージの執筆をお願いした際、「自分たちは事業に直接関わっていないから・・・」と、困惑していたようです。ですが、4人が一緒に働いてくれるからこそ、子どもの支援事業も展開できるのです。私たちの事務所には、こんな素晴らしい縁の下の力持ちがいるということで、今回は皆さまにご紹介しました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
(報告:モンゴル事務所 柴田)
今年も昨年に引き続き、モンゴルからさまざまな情報をお届けしたいと考えています。私たち日本人にとって、「お相撲」や「ゴビ砂漠」、「ゲルの家」・・・といった、わずかなイメージしかない近くて遠い国モンゴルですが、皆さまにモンゴルをもっと身近に感じていただくために、支援事業の情報だけでなく、その魅力をぜひ皆さまにご紹介したいと思います。
さて、今回は4人のモンゴル事務所のスタッフをご紹介します。私たちの事務所には、支援事業に直接関わるスタッフだけでなく、その支援事業を、影から支える様々なスタッフがいます。そんな縁の下の力持ち4人のスタッフからのメッセージをお届けします。
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今年で18年目を迎える、運転手のガンバ―より
「皆さま、はじめまして。私は1994年から働き始め、今年で18年目を迎える一番の古株です。セーブ・ザ・チルドレンでは、子どもたちのために働けることが何よりも魅力です。私は普段、首都ウランバートルを運転し、事業スタッフの送迎をしていますが、2010年のゾド(雪害)が発生したときには、バヤンホンゴル(首都から620km)、ザフハン(首都から1,021km)、ゴビアルタイ(首都から1,011km)、ホブド(首都から1,445km)などの各県を飛び回りました。あの時は、大雪と厳しい寒さのために、生計を支える大切な家畜を亡くし困っている同じモンゴルの人々を支援することで、心がとても澄んでいくのを感じました」
受付・秘書・図書室管理担当のビルグーンより
「セーブ・ザ・チルドレンでは、2009年から働いています。幼いころに見た、テレビのある特集番組がきっかけで、将来、人権分野で活動をする国際機関で働きたいという夢を持つようになりました。今こうして、セーブ・ザ・チルドレンの一員となれたことを、とてもうれしく思っています。
子ども支援の現場での事業実施からは遠い立場にいますが、時々調査にも同行することがあります。2010年の3月に、学校に通うことができない子どもたちの実態調査に同行した時に出会ったある家族のことは、今でも心に残っています。お父さんとお母さんと3人暮らしのその子は、学習障害を持つ男の子でした。本人は学校に行きたいという希望を持っていますが、学校には受け入れる体制が整っていません。この地域には、以前から国際機関や民間団体が調査のために来ることがあったそうです。しかし、男の子の障害が重度であることを理由に、この家庭を調査団が直接訪れることは一度もなかったとのことです。そのような背景があったため、私たちが訪れた時は、家族全員でとても喜んでくれました。そして、これは後から聞いたのですが、そのお父さんは、私たちのほぼ初めての訪問を、周囲の人々にとてもうれしそうに話し、涙を流していたそうです。私たちの訪問は、あくまで調査のためであって、何か具体的な支援をしたというものではありませんでした。それでもそのお父さんは、「セーブの人たちが来てくれたんだよ。息子や自分たちの話を真剣に聞いてくれたんだよ。」と、繰り返し周囲の方に話していたとのことです。私はこの話を聞き、目頭が熱くなりました。そして、子どもたちのためにできることをしたいという思いをますます強くしました」
備品在庫管理・清掃担当のゲレルより
「セーブ・ザ・チルドレンでは、2003年から働いています。セーブは、子どものための国際NGOとしてモンゴルでもとても有名で、私は誇りに思っています。それぞれのスタッフは専門性にとても長けていますが、歌や踊りの才能に秀でた楽しいスタッフも大勢いて、忘年会などを盛り上げてくれます。職場の雰囲気も自由で温かく、とても居心地がいいです。
支援している子どもたちに触れる機会はほとんどありませんが、2004年にSCJが企画したサマーキャンプに参加したとき、チャイルド・センターの子どもたちと初めて触れ合いました。そのことは今でもとてもよく覚えています。チャイルド・センターの子どもたちと一緒にサーカス研修に参加しましたが、初めはどのように接すればいいのだろうと不安な気持ちを抱えていました。一緒に体を動かしたことで、子どもたちと気持ちが通じ合えたように感じ、とてもうれしかったです」
庶務担当のザヤより
「日本が東日本大震災に見舞われたとき、チャイルド・センターに通う子どもたちが中心となり、自主的に支援金の募金活動を始めました。子どもたち一人あたり10トゥグルグずつ、合計7,000人分から70,000トゥグルグ(およそ5,000円)を集めました。そして、集めたお金だけではなく、たくさんの心の込もった手紙や絵などと一緒に、『大好きな日本の皆さんへ届けてください!』と、私たちの事務所へと持って来てくれました。これまで日本の皆さんからの支援を受けてきた子どもたちが、このように逆に日本の方々へと想いを届けるべく、自主的に行動を起こしたことに私たちが感動し驚かされ、学ばせてもらいました。支援すべき子どもたちに、私たちがエネルギーをもらいました」
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皆さま、4人のメッセージいかがでしたでしょうか。実は、4人にメッセージの執筆をお願いした際、「自分たちは事業に直接関わっていないから・・・」と、困惑していたようです。ですが、4人が一緒に働いてくれるからこそ、子どもの支援事業も展開できるのです。私たちの事務所には、こんな素晴らしい縁の下の力持ちがいるということで、今回は皆さまにご紹介しました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
(報告:モンゴル事務所 柴田)