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日本/子どもの貧困問題解決
(公開日:2019.04.11)

宮城県石巻市で経済的に困難な状況にある高校生に給付金を提供しました(2018年)

 

セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの貧困問題解決へ向けた取り組みの一環として、2016年から子どもたちへの給付金提供を実施しています。2018年には、宮城県石巻市で経済的に困難な状況にある世帯の高校生を対象に、環境に左右されずに、夏休みの学習や文化・スポーツ活動、修学旅行、資格取得、進学・就職に向けた準備などができるよう給付金を提供しました。2018年6月から8月までの間に、宮城県石巻市の高校1年生から最終学年の子どもたち459人に、支援を届けることができました。



 
 給付金を受給した家庭の保護者の声を紹介します*。


・中学生の修学旅行では資金不足により行かせることができなかったため、高校では少しでも修学旅行の費用で使わせていただきます。また、その他必要に応じて、学用品購入に充てたいです。

・離婚後養育費など一切いただいておらず、一緒に住んでいる両親(祖父母)もほとんど年金で生活している状況です。子どもの年齢が上がるにつれ、手当なども減ります。上の娘の大学費用のため借金し、自分たちの生活費など毎月私だけの給料だけではきびしいです。その上、高校通学バス費用が年間34万円ほどに値上がりしました。来年は下の娘も高校に入るため、年間60数万円のバス代になります。それにあわせて大学の授業料もあり、どうしたらいいのかと悩んでおります。今回支援を受けられるのであれば、通学バス代に充てたいと考えております。

・本当は進学したいはずなのに、ひとり親の私を気づかって就職するという息子の夢に近づける会社を見つけるための経費にしてあげたいです。

・仕事をしているので、ある程度の収入はありますが、部活で必要な物などあったりしても買えませんし、合宿などもお金がかかるのでがまんしてもらったりしています。進学校なので、塾に行きたいといわれても、入れてやることができません。

・契約社員として、仕事をしているため、私自身の収入は不安定で、毎月ぎりぎりの中で生活をしています。就学支援金の申請をしていますが、授業料分の負担が無くなることは大変助かる反面、授業料以外の教材費や、PTAなどの経費、検定費など、学校徴収金の負担が大きく、困窮しているのが現状です。今年は、修学旅行もあるため、その費用の事も考えると、生活が不安。今回のこの給付金をそれらの費用に充てられれば、子どもも学校生活を充実して過ごせると思います。

・中学校までは、就学援助制度に救われていましたが、高校へ進学してから、支援を受けてはいるものの、学費や通学費(定期代)、自主学習のためにかかるテキスト等、支出も多く、修学旅行の費用も用意することが不安なため。

・家庭の経済状況がとても悪く、高校生になり児童手当もなくなり、病院すら健康保険料を払うのが精一杯で連れて行けない状況です。修学旅行代や日々のお弁当代、電車代、学年諸経費などどこからお金を借りようか悩みのたねでした。

・母子家庭で他に身よりがないため、子どもたちには日々、金銭的にも精神的にも心配をかけてしまっています。これから先の進路を考えるにあたっても少しでも不安を軽減させてあげられるのであればと願っています。

・今回学校の方からこちらの案内を紹介していただきました。本人は大学へ進学を希望しています。私一人の収入ではなかなか難しい状況ですが、本人の希望を叶えてあげたいと思っています。少しでも収入を増やそうと現在は、昼、夜とダブルワークをしています。応援していただけると助かります。


こうした保護者の声や、給付金受給世帯へのアンケート調査結果 からも義務教育段階と比べて公的支援の薄い高校生に対して、生活実態に即した支援の充実や既存の高校生等奨学給付金制度の支給金額や周知・申請方法に対する改善が求められています  。
セーブ・ザ・チルドレンではそうした状況に対して、関係省庁や地方自治体に対策を講じるよう提言するとともに、2019年も引き続き給付金の提供や、子どもの権利保障の観点から経済的に困難な状況にある子どもたちが国や社会に意見を伝えられる機会をつくる活動を実施する予定です。


*保護者の声は、原文から一部を抜粋し、文意が変わらない範囲で編集しています。


(報告:東京事務所 山田心健)


 

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