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日本/子どもの貧困問題解決
(公開日:2019.11.01)

新たな「子どもの貧困対策大綱」について要望書を提出しました

 
11月1日、「子どもの貧困対策大綱」について2度目の要望書を内閣府に提出しました。


衛藤晟一・内閣府特命担当大臣宛て。受け取りは、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(子どもの貧困対策担当)牧野利香氏

この大綱は、日本で7人に1人の子どもが相対的貧困にあるという状況を解消するために、国が定めている行動計画で、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に基づき定められています。立法から5年が経った同法律が今年6月に改正されたことを受けて、大綱も今年度中に見直されることとなっています。

なお、11月3日(日)まで、大綱についての「パブリックコメント」を内閣府が募集しています。インターネット上の専用フォーム、郵送、またはFAXにて、どなたでも意見を送ることができます。
このブログ内容も参考にしながら、皆さんもぜひ意見を送ってみてください。

法改正では、いくつか大きな変更がありましたが、特に「子どもの権利条約」の精神にのっとり(第一条)、「子どもの意見を尊重」しながら対策を進めること(第二条)が新たに盛り込まれたことは、画期的な前進です。(正確な条文が気になった方は、ぜひ改正法をチェックしてください。)


セーブ・ザ・チルドレンは、7月にも「国連子どもの権利委員会の勧告に則して大綱を見直してほしい」と要望しましたが、勧告の内容に関連した「『子どもの意見を聴きながら貧困対策を進める』という、今後の展開が期待される新しい方針について、どう考える?」ということを子どもたち自身に聴くため、9月から10月にかけて協力を申し出てくれた26人の子どもたちに直接意見を聴き、その声などをもとに今回の要望書をまとめました。

要望のポイントは、大きく6つに絞りました。(要望書はこちら



10月25日に内閣府より「大綱案」が示されましたが、その案では、改正法の変更点や8月に開かれた内閣府の「子供の貧困対策・有識者会議」による提言が複数反映された一方、「子どもの権利条約」にのっとり「子どもの意見を尊重」しながら貧困対策を進めるという、改正法の目的・基本理念が十分に反映されていないように見受けられます。

そのため要望書では特に、子どもの権利条約にならって含めてほしい具体的な文言案や、対策において子どもたちの意見を聴く際に踏まえるべき点などについて、詳細に求めました。要望書とともに提出した、子どもたちの意見をまとめた資料については、後日改めてご紹介する予定です。



内閣府の牧野参事官は、要望内容を受けて、「セーブ・ザ・チルドレンが聴き取った子どもたちの意見には大変関心がある」とコメントしました。そのうえで、子どもの権利を大綱に反映していくことや、子どもの意見表明の在り方などについて、意見交換がなされました。
  
セーブ・ザ・チルドレンは、改正された子どもの貧困対策推進法の目的・基本理念に、子どもの権利や子どもの意見の尊重が盛り込まれたことは、非常に大きな進展だと考えています。意見を聴かれる権利をはじめ、子どもの権利が大綱の定める施策に反映されるよう、引き続き、国の子どもの貧困対策について注視しつつ、必要な働きかけを重ねていきます。

(報告:国内事業部 松山晶)

 

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