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日本/子どもの貧困問題解決
(公開日:2019.07.01)

参院選を前に、就学援助や教育費の私費負担に関して政党向けのアンケート調査を実施しました

 

報道でも取り上げられているように、今月、参議院議員通常選挙がおこなわれます(74日公示、721日投開票予定)。セーブ・ザ・チルドレンでは、これまで、子どもの貧困問題解決に向けた国などへの提言として、就学援助制度の拡充や教育費の私費負担の軽減を求めてきました。

そこで、私たちは、今回の選挙に先立ち、各政党がどのような方針で、これらの課題に取り組むのかについて、政党向けのアンケート調査を実施しました。




「就学援助制度」とは、経済的に困難な家庭向けに、小・中学校における各家庭の支出を市町村が一部補助する公的サービスで、年間140万人を超える子どもたちが利用しています1

この制度がある背景として、義務教育課程でも、学用品や学校給食、クラブ活動や修学旅行などに多くの家庭負担(私費負担)が生じている実態があります。年間平均で、公立小学校では約10万円、公立中学校では約18万円の私費負担があり2、経済的に厳しい家庭ほど家計が圧迫されているのが現状です。

これらの私費負担を補助する目的で、市町村が就学援助制度を実施していますが、その基準や支援内容は市町村が決めることとなっているため3、子どもがどこに住んでいるかによって利用できるサービスに地域間格差が生まれています。

そのため、セーブ・ザ・チルドレンでは、子どもが生まれ育った場所に関係なく安心して教育を受けられるよう、就学援助制度の拡充や地域間格差の是正、そして教育費の私費負担全般の軽減を求めてきました。


今回の政党アンケート調査では、7政党に対し、(1)これらの課題への関心 (2)これまでの取り組み内容 (3)参院選の公約にこれらの課題を盛り込むか ?盛り込む予定の内容について質問しました(回答期間:612日〜626日)。

その結果、全政党より回答が寄せられました。各政党からの回答内容を、以下にご紹介します。

<政党アンケート調査回答票(回答日順)>

(1)社会民主党 (2)立憲民主党 (3)日本維新の会 (4)国民民主党
(5)自由民主党 (6)公明党 (7)日本共産党


7政党に共通する点として、次の3つが確認されました。

(1)就学援助制度の拡充、または教育費の私費負担の軽減については、すべての政党が「関心を持っている」と回答しました。
(2) 多くの政党が「教育の無償化」を視野に入れており、いくつかの政党が「義務教育における学校給食の無償化」に向けた取り組みにも言及しました。
(3) すべての政党が調査テーマへの取り組みを「公約(公約に準ずるものを含め)に盛り込んでいる/盛り込む予定」と回答しました。



なお、今回のアンケート調査では、政党のみを調査対象としましたが、無所属・会派の国会議員の中にも子どもの貧困や教育費をめぐる課題に関心の高い人たちはいます。


セーブ・ザ・チルドレンでは、アンケートへの回答内容などを基に、今後もこれらの政党や国会議員をはじめ、政策を決定・実施する立場にあるステークホルダーに対して、子どもたちが安心して学べる環境づくりのための働きかけを継続していきます。


1 文部科学省 「就学援助ポータルサイト
2 文部科学省 平成28年度「子供の学習費調査」
3 就学援助制度の実施主体は市区町村になります。ご関心のある方は、お住まいの自治体(教育委員会)にお問い合わせください。


(報告:東京事務所 松山晶)







 

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