日本/子どもの貧困問題解決(公開日:2022.08.17)
「生まれてきてくれてありがとう」〜新生児の育児用品を詰めこんだ「ハロー!ベビーボックス」500箱をお届けしました。
セーブ・ザ・チルドレンは、初めての試みとして、誕生時から「健康に、安心、安全な環境で育つ」といった子どもの権利を保障するため、また、低所得世帯の育児費用の負担軽減を目的として、新生児に必要な育児用品を詰め合わせた「ハロー!ベビーボックス」の提供を行いました。初回となる2022年6月には、全国117世帯と、連携する10自治体、1医療機関に合計500箱を提供しました。
妊娠・出産は公的医療保険の適用外とされており、基本的に全額自己負担となります。各自治体による妊婦健診の補助券や、健康保険法による出産一時金42万円の支給などの助成はありますが、補助券だけでは賄いきれない場合や、医療機関によっては一時金の42万円*以上かかる場合も多く、妊娠・出産にかかる自己負担額は、自治体によって数万円から数十万円にのぼります。こうした費用は、特に低所得世帯にとって大きな経済的負担となります。
加えて、赤ちゃんを迎えるためのオムツやおしりふき、新生児用衣類、抱っこひも、ベビーカー、チャイルドシードなどのさまざまなベビー用品をそろえるにも数万円単位の費用がかかり、経済的に困難な状況にある世帯では、こうしたベビー用品を準備できずに不安な気持ちで妊娠期を過ごす方もいます。
妊娠・出産にかかわる経済的負担を少しでも軽減し、安心して赤ちゃんを迎える準備をサポートするため、セーブ・ザ・チルドレンは、経済的に困難な状況にある妊産婦・ご家族を対象に「ハロー!ベビーボックス」の提供を始めました (「ハロー!ベビーボックス」の概要はこちらから)。
さまざまな企業が「ハロー!ベビーボックス」の趣旨に賛同し、育児用品を提供いただきました。ボックスには、オムツやおしりふき、肌着、おもちゃ、ベビーソープ、体温計などが入っています。
今回、このボックスを受け取った方から多くの感想が寄せられたので、その一部をご紹介します。
※紹介する声や写真は了承を得て掲載しています。また、原文から一部を抜粋し、文意が変わらない範囲で編集しています。
今回寄せられた感想では、
「金銭的余裕がなく出産準備のお金の余裕がない」
「妊娠を機に仕事を辞めざるを得なくなり、その中で妊婦健診や出産費用を準備しないといけなくて経済的に厳しい」
「妊婦健診は助成券だけではまかなえず、出産費用も一時金では全然足りない」
など、妊娠・出産にかかる費用を工面することに精いっぱいで、ベビー用品まで購入する経済的余裕がないという声も多くありました。
また、本ボックス実施に際しては、応募時と提供後にアンケート調査も行いました。集計ができ次第、妊産婦を取り巻く経済状況や妊娠中・産後に必要とする支援についてご報告します。
*出産一時金については政府による増額が検討されていますが、具体的な額については今後審議されることになっています。(2022年7月25日現在)