日本/子どもの貧困問題解決(公開日:2019.07.23)
「子供の貧困対策に関する大綱」見直しに向け、内閣府に要望書を提出しました
2019年6月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が改正・公布されました。公布後、3ヶ月以内に法律が施行されることになっています。法律の具体的な行動計画である「子供の貧困対策に関する大綱」は、すでに有識者会議で検討が重ねられてきましたが、法施行後に大綱の見直しが閣議決定される見込みです。そこで、セーブ・ザ・チルドレンは今回の法改正を踏まえ、大綱の見直しに向けて、内閣府へ要望書を提出しました。
※牧野参事官へ要望書を提出する国内事業部の部長川上
要望書は、宮腰光寛内閣府特命担当大臣宛とし、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(子どもの貧困対策担当)牧野利香氏へ7月5日に提出しました。
今回の法改正では、子どもの権利条約の精神に則って対策を推進することが明記されています。特に、1)子どもの権利を理念の基本に据えたこと、2)子どもの将来のみならず「現在」の貧困状態の改善を目的に加えたこと、3)子どもの意見の尊重ならびにその最善の利益が優先して考慮されること、などが明記され、子どもの権利実現の観点からも大きな前進が見られました。
一方、国連子どもの権利委員会からの勧告で指摘されたような資源配分やデータ収集、余暇やスポーツ・文化的活動、意見表明における意味ある参加とエンパワーメントに関しては、さらなる具体的な施策を講じる余地があると考えられます。そのため、勧告の内容を子供の貧困対策に関する大綱の中に反映していくことが不可欠です。そこで、2019年2月に出された国連子どもの権利委員会による勧告を考慮し、大綱を見直すように求める要望書をまとめました。
要望書はこちら
要望書提出後、牧野参事官からは、今年1月に行われた国連子どもの権利委員会による日本報告審査に内閣府職員も日本政府団の一員として随行しており勧告の内容を受け止めていることや、改正された法律の趣旨を尊重し、セーブ・ザ・チルドレンからの要望を含め、各方面の意見を聞きながら見直しを進めていくというコメントがありました。
※要望書の内容を説明している様子
これからも、セーブ・ザ・チルドレンは、国が進める子どもの貧困対策において子どもの権利条約の理念が真に実現されるために、関連団体と協力しながら働きかけを続けていきます。
(報告:東京事務所 田代 光恵)