日本/子どもの貧困問題解決(公開日:2024.06.24)
子ども給付金申請世帯の保護者から届いた声〜入学時の経済的負担への不安。そして国・社会に望むこと〜
セーブ・ザ・チルドレンは、新入学に関わる経済的負担を軽減するために、新中学1年生・新高校1年生を対象に「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 〜新入学サポート2024〜」 を実施しました。申請時アンケートでは、卒業・入学に必要な費用や生活上の不安、国・社会への要望について、さまざまな声が寄せられました。また、実際に給付金を届けた世帯の声もご紹介します。
「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 〜新入学サポート2024〜」実施結果はこちら
*自由記述は、原文のまま抜粋しています。ただし、明らかな誤字・脱字の修正、また個人情報保護の観点などから原文から一部を抜粋して文意が変わらない範囲で編集している場合があります。
【卒業・入学に必要な費用に関する不安の声】
●現在貯金も殆どなく、障害年金と児童扶養手当の一部支給のみで生活している為、高校入学時の制服、教科書、学校で使うタブレットなど入学に必要なお金を工面する事が大変困難な状況です。
(千葉県・新中学1年生の母)
●子どもが周りの友だちと同じ事ができない事を避けたいけれど、我慢させなくてはならない。卒業式後の約束や入学式までに揃えたいものを約束してもそれを叶えてあげられないのは辛い。(神奈川県・新中学1年生の母)
●制服が高すぎるし、コートの色など指定されると、わざわざ買わないといけなくなり困る。中学準備に、諸々かかり過ぎて、びっくりした。さらに、今の時代、スマホやパソコンなどの通信機器も早くから必要となっているし、塾に行くのも当たり前になっているところがある。毎月の教育費がさらに重くのしかかる。部活の諸費用も、バカにならない。中学校生活、不安です。(埼玉県・新中学1年生の母)
【生活上の不安の声】
●家族に介助支援が必要な者がいるため、外で仕事が出来ず、身動きが困難で経済的にも精神的にも苦しいです。(千葉県・新高校1年生の父)
●母が仮放免であるため就労が難しい。そのため学費や生活費をどのように捻出していくか不安である。(長野県・新高校1年生の支援者)
●私自身、パニック障害を持っているために働けず、収入は児童扶養手当・児童手当のみの生活で家計はマイナスです。次女が中学生に上がる際の制服代が足りずに困っています。買えるか不安で仕方ありません。(神奈川県・新中学1年生の母)
●現実的にお金がないのに、どうやって学校に通わすのか逆に知りたい。本気で苦しいよ。見て欲しい、今の必死な生活を。289円のキャベツ買えずに捨てる葉っぱを拾ってみたり、半額探したり、お金が無いから。お財布には5千円しかないよ。大嫌いです、優しくない日本(神奈川県・新高校1年生の母)
【国・社会へ伝えたいこと】
●卒業、入学はすごく喜ばしい事のはずなのに、すごく不安な気持ちしかありません。就学援助などもありますが、一度手元から現金を出さないといけなくて大変です。国や社会の保障を手厚くしてほしいと思います。(沖縄県・新中学1年生の母)
●教育格差を感じること正直あります。親の違いで子どもの色んな可能性を潰すようなことがなくなって欲しい。教育費に関して、家計の負担がもっと減ってほしいと願っています。(三重県・新中学1年生の母)
●就学援助、授業料の無償化といっても、その他にかなりの金額が必要であること、お金がないために修学旅行を諦めている子どもがいること等、諸々を知って欲しいです。(栃木県・新中学1年生の父)
申請時のアンケートに寄せられた声からは、新入学時の制服や学校用品の家計負担は、もともと経済的に困難な状況にある世帯に大きくのしかかり、子どもの教育のさまざまな制約へとつながっている状況がうかがえます。
■給付金を利用した世帯から届いた声
「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 〜新入学サポート2024〜」を利用して、子どもの入学準備のために制服など学用品を揃えることができたという声もたくさん寄せられています。
● 中学校が統合されるため、制服やジャージなどお下がりが使えず、いちから揃える必要がありました。市の就学支援は利用しましたが全然足りず、自転車の購入をあきらめていましたが、今回、給付していただき自転車を買ってあげることができました。筆箱も新調し、子どももとても喜んでます。本当にありがとうございました!(新高1と新中1の母)
●給付金を利用させていただき、制服を購入しました。今まで、中学校の制服も買えず、学校から古着をお借りしておりました。それでも文句ひとつ言わない子でした。今回、初めて新しい制服に袖を通す事ができ、「可愛い制服姿を友達に送りたいから写真撮って」と、とても嬉しそうでした。
(新高1の母)
●制服一式、体操着一式・・・ほか諸々で10万近くかかるので、本当に本当に嬉しかったです。気持ちに余裕ができたので、久しぶりにファミレスに行ってランチができました。このような機会を与えてくださって、本当にありがとうございました。(新高1の母)
●メールが来た際もメールを開くのが怖くてドキドキしていました。結果を見たいけれど怖かったのです。ですが支給が決まりました。と書かれていて何度も見返しているうちに涙が溢れました。すぐに子どもにも報告しました。部活にも入部予定なので制服代や体操服代などに給付金を使わせていただきました。筆箱も新しい物を購入してあげることができました。子ども本人も凄く喜んでいました。本当にありがとうございました。(新中1の母)
●教育無償化と言われるものの、無償部分の一旦立替払い、無償にならない諸経費等、事前に準備していたよりも出費がかさみ、進学に向けて新しいものを買ってやりたい気持ちと躊躇してしまう現実に振り回され、子どもにも「高いからいい」「無くてもいい」と気をつかわせてしまう日々が続いていました。そんな中で給付金の連絡を受け、子どもにも説明した時の笑顔に救われました。「こんなタイプのカバンが欲しい」「大きめのお弁当箱が助かる」などのリクエストに親子の会話も弾みます。(新高1の母)
保護者から寄せられる声からは、喜ばしいはずの子どものまなびのスタート時に、想像を超えてかかる費用に不安を抱えている保護者の様子がうかがえます。公的な経済支援の不十分さや支援の拡充・拡大を求める声も多く聞かれます。
セーブ・ザ・チルドレンは、本給付金を利用した子どもや保護者の声をさらに詳しく聴きながら、求められている支援の拡大や制度の改善について国や国会議員へ働きかける予定です。
今後も、困難な状況にある子どもたちが周りの環境に左右されず、すこやかな成長や学びの機会が保障されるよう、行政・学校・地域関係者などと連携し、必要な支援を届ける活動を続けていきます。
(報告:国内事業部 岩井)
セーブ・ザ・チルドレンでは「子ども給付金〜新入学サポート〜」以外にも、子どもの貧困問題解決に向けさまざまな取り組みを行っています。活動の最新情報は随時こちらのページ で更新しています。ご関心がある方はぜひご覧ください。
「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 〜新入学サポート2024〜」実施結果はこちら
*自由記述は、原文のまま抜粋しています。ただし、明らかな誤字・脱字の修正、また個人情報保護の観点などから原文から一部を抜粋して文意が変わらない範囲で編集している場合があります。
【卒業・入学に必要な費用に関する不安の声】
●現在貯金も殆どなく、障害年金と児童扶養手当の一部支給のみで生活している為、高校入学時の制服、教科書、学校で使うタブレットなど入学に必要なお金を工面する事が大変困難な状況です。
(千葉県・新中学1年生の母)
●子どもが周りの友だちと同じ事ができない事を避けたいけれど、我慢させなくてはならない。卒業式後の約束や入学式までに揃えたいものを約束してもそれを叶えてあげられないのは辛い。(神奈川県・新中学1年生の母)
●制服が高すぎるし、コートの色など指定されると、わざわざ買わないといけなくなり困る。中学準備に、諸々かかり過ぎて、びっくりした。さらに、今の時代、スマホやパソコンなどの通信機器も早くから必要となっているし、塾に行くのも当たり前になっているところがある。毎月の教育費がさらに重くのしかかる。部活の諸費用も、バカにならない。中学校生活、不安です。(埼玉県・新中学1年生の母)
【生活上の不安の声】
●家族に介助支援が必要な者がいるため、外で仕事が出来ず、身動きが困難で経済的にも精神的にも苦しいです。(千葉県・新高校1年生の父)
●母が仮放免であるため就労が難しい。そのため学費や生活費をどのように捻出していくか不安である。(長野県・新高校1年生の支援者)
●私自身、パニック障害を持っているために働けず、収入は児童扶養手当・児童手当のみの生活で家計はマイナスです。次女が中学生に上がる際の制服代が足りずに困っています。買えるか不安で仕方ありません。(神奈川県・新中学1年生の母)
●現実的にお金がないのに、どうやって学校に通わすのか逆に知りたい。本気で苦しいよ。見て欲しい、今の必死な生活を。289円のキャベツ買えずに捨てる葉っぱを拾ってみたり、半額探したり、お金が無いから。お財布には5千円しかないよ。大嫌いです、優しくない日本(神奈川県・新高校1年生の母)
【国・社会へ伝えたいこと】
●卒業、入学はすごく喜ばしい事のはずなのに、すごく不安な気持ちしかありません。就学援助などもありますが、一度手元から現金を出さないといけなくて大変です。国や社会の保障を手厚くしてほしいと思います。(沖縄県・新中学1年生の母)
●教育格差を感じること正直あります。親の違いで子どもの色んな可能性を潰すようなことがなくなって欲しい。教育費に関して、家計の負担がもっと減ってほしいと願っています。(三重県・新中学1年生の母)
●就学援助、授業料の無償化といっても、その他にかなりの金額が必要であること、お金がないために修学旅行を諦めている子どもがいること等、諸々を知って欲しいです。(栃木県・新中学1年生の父)
申請時のアンケートに寄せられた声からは、新入学時の制服や学校用品の家計負担は、もともと経済的に困難な状況にある世帯に大きくのしかかり、子どもの教育のさまざまな制約へとつながっている状況がうかがえます。
■給付金を利用した世帯から届いた声
「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 〜新入学サポート2024〜」を利用して、子どもの入学準備のために制服など学用品を揃えることができたという声もたくさん寄せられています。
● 中学校が統合されるため、制服やジャージなどお下がりが使えず、いちから揃える必要がありました。市の就学支援は利用しましたが全然足りず、自転車の購入をあきらめていましたが、今回、給付していただき自転車を買ってあげることができました。筆箱も新調し、子どももとても喜んでます。本当にありがとうございました!(新高1と新中1の母)
●給付金を利用させていただき、制服を購入しました。今まで、中学校の制服も買えず、学校から古着をお借りしておりました。それでも文句ひとつ言わない子でした。今回、初めて新しい制服に袖を通す事ができ、「可愛い制服姿を友達に送りたいから写真撮って」と、とても嬉しそうでした。
(新高1の母)
●制服一式、体操着一式・・・ほか諸々で10万近くかかるので、本当に本当に嬉しかったです。気持ちに余裕ができたので、久しぶりにファミレスに行ってランチができました。このような機会を与えてくださって、本当にありがとうございました。(新高1の母)
●メールが来た際もメールを開くのが怖くてドキドキしていました。結果を見たいけれど怖かったのです。ですが支給が決まりました。と書かれていて何度も見返しているうちに涙が溢れました。すぐに子どもにも報告しました。部活にも入部予定なので制服代や体操服代などに給付金を使わせていただきました。筆箱も新しい物を購入してあげることができました。子ども本人も凄く喜んでいました。本当にありがとうございました。(新中1の母)
●教育無償化と言われるものの、無償部分の一旦立替払い、無償にならない諸経費等、事前に準備していたよりも出費がかさみ、進学に向けて新しいものを買ってやりたい気持ちと躊躇してしまう現実に振り回され、子どもにも「高いからいい」「無くてもいい」と気をつかわせてしまう日々が続いていました。そんな中で給付金の連絡を受け、子どもにも説明した時の笑顔に救われました。「こんなタイプのカバンが欲しい」「大きめのお弁当箱が助かる」などのリクエストに親子の会話も弾みます。(新高1の母)
保護者から寄せられる声からは、喜ばしいはずの子どものまなびのスタート時に、想像を超えてかかる費用に不安を抱えている保護者の様子がうかがえます。公的な経済支援の不十分さや支援の拡充・拡大を求める声も多く聞かれます。
セーブ・ザ・チルドレンは、本給付金を利用した子どもや保護者の声をさらに詳しく聴きながら、求められている支援の拡大や制度の改善について国や国会議員へ働きかける予定です。
今後も、困難な状況にある子どもたちが周りの環境に左右されず、すこやかな成長や学びの機会が保障されるよう、行政・学校・地域関係者などと連携し、必要な支援を届ける活動を続けていきます。
(報告:国内事業部 岩井)
セーブ・ザ・チルドレンでは「子ども給付金〜新入学サポート〜」以外にも、子どもの貧困問題解決に向けさまざまな取り組みを行っています。活動の最新情報は随時こちらのページ で更新しています。ご関心がある方はぜひご覧ください。