日本/子どもの貧困問題解決(公開日:2020.01.30)
子どもたち26人へのインタビューをまとめた冊子が完成 子どもの貧困対策の見直しを前に子どもたちから意見を聴きました
【インタビュー協力者】中学2年生以上18歳以下の子ども・若者26人(女性19人、男性7人)
【実施期間】2019年9月〜10月
【実施体制】子ども・若者1〜6人に対し、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフ2人。 学校、NPOは教員・スタッフも同席
【実施方法】個別インタビューまたはグループ・ディスカッションを、それぞれ30分〜1時間半程度
子どもたちの意見は冊子にまとめ、セーブ・ザ・チルドレンの要望書とともに、内閣府へ提出しました(報告ブログはこちら)。
以下に、子どもたちの声の一部を紹介します。
【意見を聴かれる子どもの権利について】
意見が尊重されるってあるんですけど、まずその意見を聴く機会がいつあるのかな?(高校3年)
子どもの権利?問題?を大人の中だけで考えるよりも、やっぱりこういう話し合いみたいに、子どもが自分たちの事を考えたり、一緒に大人と何か行動できる場が増えてほしいなと思います。(高校1年)
【教育の支援】
私はやっぱり奨学金の充実ですかね。今にだけ投資しても、子どもの未来のために子どもに投資してもらったほうが私たちもやりたいこと、選択肢も広がるし、将来の選択肢も増えるんじゃないかと思います。(高校1年)
国からの補助があったりとかしたほうが、一人だけお弁当持って行って、みんなになんでだみたいに言われるよりも、返済しなきゃいけないとかがあったとしても、その時はみんなと同じ給食を食べれたほうがいいと思うから、補助してほしいな。(中学3年)
金持っている人は勉強できるじゃん。金持ってない人は塾とか通えないから、差別になるじゃん。金持っている人はいろんなもの持ってるじゃん。だけどそれも、金持ってない人に合わせたらいいと思う。金持っている人、差別でいじめるじゃん、持ってない人を。最初っから、そういうところからなくせばいい。塾とかなくせば、一からできるから。(中学3年)
【生活の支援】
相談できる窓口とかがあったら、誰でも気軽に行ける窓口があれば、安心するかなって感じっす。電話かけようとしてもどうかければいいかわからないじゃないですか。気軽に歩いてとか、自転車とかで行って相談するみたいなのがあってほしいなと思う。その人に合った対応の仕方でしてくれればいいんじゃない、みたいな感じっすね。(高校3年)
【保護者の就労に関する支援】
やっぱ、国の制度でなんとかするしかないかなと思ってしまいますけど。あと、親の給料、家の世帯の所得がもっとあがれば、少しはましになるかなとは思うんですけど。(18歳)
【経済的支援】
なんか年収とかあるじゃないですか。それで大体どのくらいっていうのを―あんまりしないほうがいいかもしれないけど―いったん決めて、そこより少ないところへの支給する額を増やしたりとか。やっぱり食べないと生きていけないから、十分なご飯を食べることができたり、教育とかにあてることができるようになると思います。(中学3年)
【子どもの権利など】
夢や希望っていうのが、なんかみんな見てると思うんです、ちっちゃい時は。だんだん自分の家庭の状況がわかってくると諦めちゃう子が多いから、そこをどう諦めないようにさせるかが、国に変えてほしいなと思います。(高校3年)
現在、都道府県、市区町村で子どもの貧困対策に関する計画検討・策定などがなされていますが、セーブ・ザ・チルドレンは、その際にも、子どもたちの意見を取り入れることが重要だと考えています。
子どもの貧困解決事業では、子どもの権利条約の権利を守る前提となる四原則のひとつである「子どもの意見表明権」に着目し、子どもが意見表明をする機会をつくる活動を実施しています。今後も、子どもの貧困問題解決に向けて、子どもの意見をもとに活動を進めていきます。
(国内事業部 林)