日本/子どもの貧困問題解決(公開日:2022.09.07)
「ハロー!ベビーボックス」利用者アンケート結果:「ベビー用品をそろえる余裕もない」7割以上が妊娠中・産後の経済的支援を希望
■アンケート結果(全文)はこちら https://bit.ly/3RWUhcy
その結果、利用者の悩みとして「生活費の不足」「子育て費用の不足」がいずれも7割を超えており、必要とする支援についても出産費用や妊婦健診費用の自己負担の軽減、またマタニティグッズ・育児用品を買うための経済的サポートを求める利用者が7割以上となりました。
若年妊娠、未婚またはひとり親、利用者本人の病気や障害、精神疾患、コロナ下による収入減、親の支援・協力がないなど、経済的困窮の理由は多岐にわたるものの、今回の調査では、もともと経済的に困難な状況にあった利用者が、妊娠を機にさらに経済的に苦しい状況に置かれ、経済的・精神的不安を抱えたまま妊娠期を過ごしている実態が明らかとなりました。
また、妊娠・出産期を通した経済的支援については、入院助産制度、出産費貸付制度などの出産に関する制度はあるものの、妊娠を機に退職した場合や産休・育休といった制度を利用できない低所得世帯に対する支援制度はなく、日々の生活を営んでいくための不安は非常に大きいことも調査からわかりました。
アンケート結果から赤ちゃんの誕生前に、すでに「子どもの貧困」の問題が始まっており、貧困の連鎖が懸念される実態がうかがえます。
<調査結果のハイライト>(有効回答数:117人)
- 「ハロー!ベビーボックス」利用者の65%が応募時に未婚またはひとり親であり、次いで多子世帯(お腹の子を含めて18歳未満の子どもが3人以上)が23.9%、若年妊娠が21.4%であった。(複数回答)
- 利用者の現在の就業形態について、「無職」が53%ともっとも多く、19.7%が「パート・アルバイト」と回答、「正職員・正社員」と回答したのは13.7%であった。また、無職と回答した人のうち、25.6%が「もともと働いていない」、27.4%が「妊娠を機に退職」と回答した。
- 利用者の24.8%が入院助産制度*を、12.0%が出産費貸付制度*を利用または利用予定と回答した。
- 悩んだり困った時の相談先について、49.6%が「実母」、次いで43.6%が「インターネット・SNS」、41.9%が「友人」と回答した。一方で10.3%が「相談できる相手がいない」と回答した。
- 悩みについて尋ねたところ、76.9%が「生活費の不足」、76.1%が「子育て費用の不足」と回答した。「子育て全般についての不安」と回答したのは41.0%であった。
- 希望する支援については「マタニティグッズ・育児用品を買うためのクーポンや経済的サポート」が76.1%ともっとも多く、次いで「出産費用・妊婦健診費用の自己負担を少なくしてほしい」との回答が72.6%であった。
- 希望する支援について、上記6.の経済的支援以外に50.4%が「妊娠中・産後のお金のことや仕事のことなど生活全般についての利用しやすい相談窓口」と回答した。
<本結果を受けての今後の活動>
セーブ・ザ・チルドレンは今回の結果を踏まえ、低所得世帯の育児費用の負担を軽減し、少しでも安心して赤ちゃんを迎える準備ができるよう、引き続き「ハロー!ベビーボックス」を通じて「安心、安全な環境に生まれ育つ」といった子どもの権利を保障するため、支援を継続していきます。
※現在、「ハロー!ベビーボックス」応募受付中です!(応募締め切り10/24まで) 詳しくはこちらの特設サイトをご覧ください。