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日本/子どもの貧困問題解決
(公開日:2023.03.22)

【速報値】申請時アンケート調査結果「子ども給付金〜新入学サポート2023〜」子どもの卒業・新入学準備のため約4割が親族・友人やクレジットカード、銀行、消費者金融などからの借入を利用

 
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子どもの貧困問題解決への取り組みの一環として2023年1月から2月にかけて申請を受け付けた「子ども給付金 〜新入学サポート2023〜」(以下「新入学サポート2023」)の申請時アンケート調査結果速報値を発表しました。


本調査は、経済的困窮に加えて障害や疾病、ヤングケアラー、在留資格が不安定など生活上特定の困難がある子育て世帯の生活状況や卒業・新入学にかかる保護者の経済的負担感などを把握することを目的に、「新入学サポート2023」申請時に実施されました。有効回答数は1月18日から2月8日までに申請のあった全国47都道府県の1,815人です。(速報値のため最終的な人数は変動の可能性有。)

調査の速報値では、制服代の費用の用意が難しいと回答した人が8割、また卒業・新入学にかかる費用について、家族・親族・友人・知人からの借入やクレジットカード、銀行・消費者金融などからの借入などのいわゆる借金をすると回答した人が4割を超えており、物価高騰に加えて卒業・新入学にかかる費用が世帯の家計に大きな負担を及ぼしている状況が明らかとなりました。

■アンケート調査結果報告書(速報値)はこちら

<調査結果(速報値)から明らかになったこと(抜粋)>(有効回答数:1,815人)

1. 回答者の約95%が物価高騰による生活の影響を「おおいに感じる」、約5%が「ある程度感じる」と回答し、「あまり感じない」「感じない」との回答はゼロであった。物価高騰が家計に与える影響は深刻であり、卒業・新入学準備の費用を用意するのは容易ではない状況が推察された。

2. 卒業・入学準備にかかる費用について、家族・親族・友人・知人からの借入やクレジットカード、銀行・消費者金融などからの借入などのいわゆる借金をすると回答した人が4割を超えていた。学年別にみると新中1に比べ、新高1でこうした借入の割合がやや高くなっており、また生活福祉資金といった公的貸付制度についても新高1の利用の割合が高くなっている。就学援助制度の利用だけでは卒業・入学準備にかかる費用を十分にまかなえず、また新高1は、より費用を準備することに苦心している状況が推察される。

制服代の費用の用意が難しいと回答した人が8割にのぼるなど、卒業・入学にはさまざまな費用負担が必要である。一方、2022年の同様の調査*ではそうした費用の捻出のために借入を選択したのは3割であったが、2023年はその割合が4割へと増加している。このことから、物価高騰が卒業・入学費用の工面にも影響していると推察される。本調査の回答者は、経済的・生活上より困難な世帯ではあるものの、子どもたちの新入学のスタートが借入によってまかなわれている現実があることは、重く受け止められるべきである。

これらの結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの権利を保障するために、教育費をはじめとした子どもに関する公的支出を増やしていくことを中長期的に国や関係省庁、自治体に求めるほか、喫緊に対応すべき課題として、以下についての対策を速やかに講じるよう、同様に国や関係省庁、自治体に対し提言します。


■提言1:低所得世帯向けの迅速な特別給付金の提供
■提言2:就学にかかわる私費負担額軽減のための見直し、高校入学前の準備金提供
■提言3:就学援助制度の入学前支給の徹底した周知と、すべての自治体での入学前支給の導入


<本調査結果を受けての今後の活動>
セーブ・ザ・チルドレンは、本調査結果を関係省庁や関係国会議員に提出し、経済的に困難な状況にある子どもや子育て世帯への政策・施策が充実するよう、国や自治体に働きかけていきます。また、「子ども給付金〜新入学サポート2023〜」で給付が決定した世帯へ向けた利用後アンケート調査を4月から5月に実施、今回の申請時アンケート調査結果とともに、その結果を7月中に公表予定です。



*2022年度「子ども給付金〜新入学サポート2022〜」利用者アンケート調査結果はこちらから
https://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/3843/1668668278132.pdf

 

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