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(公開日:2013.05.23)
国連防災子ども会議(仮称)に関するセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの見解(2013.05.23)

国連防災子ども会議(仮称)に関するセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの見解


先ず、日本政府が第3回国連防災世界会議の公式プログラムの一環として子ども参加の機会を設けることを真剣に考慮されていることにつき、セーブ・ザ・チルドレンとして心より感謝申し上げます。

その上で、以下のとおり私たちの考えをお伝えしたいと思います。

セーブ・ザ・チルドレンは1919年、第一次世界大戦で被災した子ども達を支援する目的で英国人女性エグランタイン・ジェブによって創設された、国際的な子ども支援団体です。
エグランタイン・ジェブは子どもの権利に関する最初の国際的な公式文書とされる「ジュネーブ子どもの権利宣言」(1924年9月26日に国際連盟第5回総会で採択)の草案を起草したことで知られています。
それ以来、セーブ・ザ・チルドレンは常に世界の子どもの権利運動を主導する、国際的な子どもの権利のパイオニア団体として、活動してきました。
近年は子ども達が自分達に影響を与える全ての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障するための活動*1に積極的に取り組んでいます。
その際、全ての子ども達に対して平等で公平な参加の権利を保障することが重要であると私たちは考えています。
特に障がいのある子ども、幼い子ども等、様々な理由から人前では発言できない子ども達の声こそ政策決定過程に反映させていかなければならないと考えています。


私たちは、そのために2015年の世界防災子ども会議(仮称)が第3回国連防災世界会議の公式プログラムの一環として実施され、福島の子ども達を含む世界の子ども達の声が実質的に同世界会議における議論およびポスト兵庫行動計画に反映されることを強く希望しています。
したがって、世界防災子ども会議は本会議が開催される都市で実施することを想定しています。
さらに、開催地に招聘される子どもの人数は実質的な議論が可能な範囲にとどめるべきと考えています。
このために、2015年の第3回国連防災世界会議に向けて最新の情報通信技術を最大限活用して、開催地以外の世界各地の子ども達が自由に安心して議論を行うことができる場を設けることを検討しています。

私たちは、また、2015年に向けて、できる限り多くの子ども達が自然災害や複合災害の経験を共有し、そこから将来に向けた教訓を明らかにし、さらに2015年後にはそれらの教訓が実際に生かされているのかどうか、子ども達自身が検証出来るような、持続可能な子ども参加の制度設計をしていきたいと考えています。


私たちは、また、郷里を愛しその復興に全身全霊をもって取り組んでおられる関係者の皆さまのご献身に対して心より敬意を表すると同時に、セーブ・ザ・チルドレンも引き続き福島復興事業に取り組んでいく決意であることをお伝えしたいと思います。
しかし、昨年11月に日本政府の招聘で来日した、健康の権利に関する国連人権理事会特別報告者のアナンド・グローバー氏*2が指摘されているように、放射能による健康への影響について様々な懸念が存在する中で、世界防災子ども会議を福島で開催することは考えておりません。

「東日本大震災の経験を世界へ、そして世界の英知を日本へ」という日本政府の希望は、私たちの願いでもあります。

2015年の世界防災子ども会議の実現に向けて、有意義で公正な子ども参加の機会を保障すべく、セーブ・ザ・チルドレンはさらに努力を続けてまいりたいと考えています。

皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。



 *1子どもの権利条約第12条 (意見表明権)
1. 締約国は、自己の見解をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障する。その際、子どもの見解が、その年齢および成熟に従い、正当に重視される。
2. この目的のため、子どもは、とくに、国内法の手続規則と一致する方法で、自己に影響を与えるいかなる司法的および行政的手続においても、直接にまたは代理人もしくは適当な団体を通じて聴聞される機会を与えられる。
 *2 国連人権理事会第23回通常会議(5月27日または28日)において、福島に関する最終報告を行なう予定。




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