(公開日:2020.02.13)報告書『子どもに対する戦争を止める2020』を発表 紛争下に暮らす子ども4億1,500万人 性別によって異なる影響を受ける子どもたち
セーブ・ザ・チルドレンは紛争下の子どもに関する最新の報告書『子どもに対する紛争を止める2020:ジェンダーと紛争(Stop The War on Children 2020: Gender matters)』を発表し、過去数年で、紛争は激しさを増し、紛争下に暮らす子どもたちの安全とウェルビーイング(健やかな成長)が大きく脅かされていることを明らかにしました。また、本報告書では、紛争下に暮らす子どもの人数は4億1,500万人にのぼり、さらに、紛争に関連する年間死者数が1,000 人を超える「高強度の紛争」地域に住む子どもたちの人数は1億4,900万人にのぼることも明らかになっています。
くわえて、今年の報告書では、特に、紛争下で、子どもたちは性別の違いによってどのような影響を受けているのか、国連が定める武力紛争下の6つの重大な人権侵害*1ごとに分析し、次のことが明らかになりました。
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長インゲル・アッシングは、次の通り訴えます。
「今回の報告書は、現代の紛争が子どもたちにとって、より大きな脅威となっていることを明らかにしています。紛争下に暮らす子どもたちは、より一層、殺害され、重傷を負わされたり、武装勢力に強制的に加入させられたり、性虐待などの暴力を受ける危険に直面しています。
加害者が不処罰のまま子どもたちが暴力を受けている状況に、世界が傍観したままでいるのは恐ろしいことです。2005年以降、少なくとも9万5,000 人の子どもたちが殺されたり、重傷を負っていると報告があります。そして、数万人の子どもたちが誘拐され、数百万人の子どもたちが学校や病院が攻撃されたために教育や医療を受けることができていません。すべての政府と紛争当事者は、国際法の下での義務を遵守すべきであり、また、加害者の責任を問わない限り、子どもたちの命は失われ続けます。
報告書では、紛争下で性別に違いによって被害の状況も異なることも明らかになっています。性別を含め子どもたちそれぞれの支援ニーズに対応し、個々の回復のためには巨費を投じる必要があります。子どもたちは、自身の回復や将来のために何が必要か分かっています。子どもたち自身がそれらを語れるように、私たちは彼らの声に耳を傾けなければなりません。」
報告書全文(英語)はこちら
報告書の概要(日本語)はこちら
グローバルキャンペーン #この手で止める Stop the War On Children 紛争下の子どもを守ろう 特設サイトはこちら
*1 2005年以降国連は、紛争下における「6つの形態の子どもの権利の重大な侵害行為」を報告しています。6つの重大な権利侵害とは、1)子どもの殺害と傷害行為、2)子どもの軍への徴兵と利用、3)子どもに対する性的暴力、4)子どもの誘拐、5)学校や病院に対する攻撃、6)子どもに対する人道支援のアクセスの拒否、を指します。2018年、この侵害件数は過去最高となりました。
くわえて、今年の報告書では、特に、紛争下で、子どもたちは性別の違いによってどのような影響を受けているのか、国連が定める武力紛争下の6つの重大な人権侵害*1ごとに分析し、次のことが明らかになりました。
- ・女子は、男子と比較して、レイプや児童婚、その他の形態の性的虐待を受ける可能性がはるかに高い。
- ・国連の報告書で性暴力の被害者の87%が女子であるのに対し、男子は1.5%だった (性別の報告無しは全体の11%)。また、ソマリアとコンゴ民主共和国が少女にとって最も危険な国であった。2005年から2018年末までに、およそ2万件の子どもに対する性暴力があったことが記録されている。しかし、この件数は、氷山の一角に過ぎないと考えられている。というのも、性暴力の持つスティグマや社会的障壁により性暴力は報告されていない数が非常に多く、実際にはさらに多くの性暴力が起こっていると考えられている。
- ・少なくとも1万2,125人の子どもたちが、紛争に関連した暴力で2018年だけで死傷しており、前年比13%の増加であり、アフガニスタンが子どもにとって最も危険な国となっている。2018年の学校や病院への攻撃件数は、前年比32%増の1,892件となった。
- ・男子は、殺害される、重傷を負う、誘拐される、強制的に兵士にされるといった暴力を受ける危険が高い。報告された殺害・重傷件数の44%が男子に対して、17%が女子だった。さらに、青少年の男子は、同時期の女子よりも攻撃対象になることが多いため、戦闘で殺される可能性が圧倒的に高い。女子が、殺されたり重傷を負うのは、都市あるいは人口密集地域で無差別に人を殺傷する爆発物を使用したケースで多く起こっている。くわえて、2018年に武装勢力に誘拐された2,500 人以上の子どもたちの80%は男子だった。
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長インゲル・アッシングは、次の通り訴えます。
「今回の報告書は、現代の紛争が子どもたちにとって、より大きな脅威となっていることを明らかにしています。紛争下に暮らす子どもたちは、より一層、殺害され、重傷を負わされたり、武装勢力に強制的に加入させられたり、性虐待などの暴力を受ける危険に直面しています。
加害者が不処罰のまま子どもたちが暴力を受けている状況に、世界が傍観したままでいるのは恐ろしいことです。2005年以降、少なくとも9万5,000 人の子どもたちが殺されたり、重傷を負っていると報告があります。そして、数万人の子どもたちが誘拐され、数百万人の子どもたちが学校や病院が攻撃されたために教育や医療を受けることができていません。すべての政府と紛争当事者は、国際法の下での義務を遵守すべきであり、また、加害者の責任を問わない限り、子どもたちの命は失われ続けます。
報告書では、紛争下で性別に違いによって被害の状況も異なることも明らかになっています。性別を含め子どもたちそれぞれの支援ニーズに対応し、個々の回復のためには巨費を投じる必要があります。子どもたちは、自身の回復や将来のために何が必要か分かっています。子どもたち自身がそれらを語れるように、私たちは彼らの声に耳を傾けなければなりません。」
報告書全文(英語)はこちら
報告書の概要(日本語)はこちら
グローバルキャンペーン #この手で止める Stop the War On Children 紛争下の子どもを守ろう 特設サイトはこちら
*1 2005年以降国連は、紛争下における「6つの形態の子どもの権利の重大な侵害行為」を報告しています。6つの重大な権利侵害とは、1)子どもの殺害と傷害行為、2)子どもの軍への徴兵と利用、3)子どもに対する性的暴力、4)子どもの誘拐、5)学校や病院に対する攻撃、6)子どもに対する人道支援のアクセスの拒否、を指します。2018年、この侵害件数は過去最高となりました。
【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報
TEL: 03-6859-0011 E-mail: japan.press@savethechildren.org
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