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(公開日:2017.06.21)
イエメンでコレラ感染拡大〜1分に1人の子どもが感染の危機

コレラの感染が拡大するイエメンでは、少なくとも1分ごとに1人の子どもが感染し、流行の拡大を抑えきれなくなっている、とセーブ・ザ・チルドレンは警鐘を鳴らします。


6月前半の2週間だけで、1日あたりの感染者数は3倍以上に増加し、コレラの感染が疑われる症例、および急性水様性下痢症の1日あたりの新規推定症例5,470件のうち、46%が15歳未満の子どもたちです。また、毎日30人以上が犠牲になっており、その多くが子どもたちです。今後数ヶ月間に、報告される症例数は30万件にのぼると予想され、何千人もの人々の命が犠牲になるおそれがあります。イエメンでは、2015年の紛争激化以降、子ども200万人以上が急性栄養不良に陥っており、免疫力が大人より弱い子どもたちは、特に脆弱な状態にあります。

イエメンは、本格的なコレラの流行に直面しています。コレラの治療は可能であり、治療費も安価です。しかし、機能不全に陥っている公共インフラや、現在も続く紛争、食料危機、後退する経済といった要因により、多くの人々は、必要な支援や治療を手遅れになる前に受けることができません。そして、保健医療サービスへのアクセスがほとんど、あるいは全くない遠隔地においては、特に状況は悪化しています。こうした状況が、コレラの流行に拍車をかけています。

サーレハさん(53歳)は、セーブ・ザ・チルドレンに対し、「はじめに、子どもたちをハッジャ県アブスの病院に連れて行きました。錠剤とシロップをもらいましたが、病院内は大勢の患者で溢れていたので、院内には入れてもらえませんでした。そこで、私たちは車を手配して200km以上離れたサヌアの病院に行きました。最も困難なのは交通費を工面することでした。 村からアブスまで45ポンド(約6,340円)払わなければならず、そこからサヌアに行くために60ポンド(約8,450円)かかりました」と話します。

イエメンの保健医療施設は、下痢や嘔吐、脱水症状を訴える大勢の人々に対応できていません。コレラは伝染病であり、病院が正常に稼働していないために急速に拡大しています。また、紛争当事者の標的になっている病院もあります。

セーブ・ザ・チルドレンのイエメン事務所代表グラント・プリチャードは、「病気や飢餓、紛争は、イエメンの人々に計り知れない代償を負わせています。 中東の最貧国であるイエメンは、崩壊の危機に瀕しており、子どもたちは基礎的な保健医療サービスを受けられないため命の危機に直面しています。主要港ホデイダ港への入港規制やサヌア空港の閉鎖を含む、イエメンへの支援物資と医療用品の輸送制限は、感染拡大を防ぐことを一層困難にしています。セーブ・ザ・チルドレンは、緊急支援の援助額の大幅な増額を求めます。イエメンに暮らす何千人もの子どもたちが、予防可能な病気で犠牲になる前に、世界は今、行動を起こすべきです」と訴えます。

セーブ・ザ・チルドレンをはじめとする人道支援団体は、保健や衛生、コレラの知識の啓発といった分野でさらに支援をおこなうため包括的なコレラ対応計画を策定し、この実施には5,200万ポンド(およそ73億2,400万円)の資金が必要です。各国政府や企業、市民社会などに対し、より多くの命が失われる前に、今すぐの支援を求めます。



【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報 田代範子、太田しのぶ
TEL: 03-6859-0011 E-mail: press@savechildren.or.jp

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