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(公開日:2017.02.28)
【モンゴル・寒雪害「ゾド」】遊牧民の生活が危機に直面−家畜大量死の季節が始まる

セーブ・ザ・チルドレンは、昨年に続くモンゴル特有の寒雪害「ゾド」により「モンゴルの遊牧民は、今後予想される家畜の大量死に備えながら、食料を購入するためにさらに借金をし、家畜を低価格で売り、食事を抜いている」と、警告します。

夏の干ばつによる牧草の欠乏に始まり、冬の大雪とマイナス40度以下の極寒が続くモンゴル特有の寒雪害「ゾド」により、すでに4万頭以上の家畜が死んでいます。


セーブ・ザ・チルドレンのモンゴル事務所代表豊田光明は、この状況に警鐘を鳴らします。
 「気温がマイナス50度近くにまで下がり、極めて厳しい冬を迎えています。国土の四分の三以上が雪に覆われています。

こうした人道危機においては、貧しい人々が最も苦しい思いをするものですが、今モンゴルでは、昨年の「ゾド」で多くの家畜を失った家族が、厳しい状況に直面しています。昨年、家畜の半数以上を失った家族が、今回のゾドでさらに大量の家畜を失えば、もはや遊牧で生計を立てることはできなくなるでしょう。

「ゾド」の影響を受けたコミュニティへの支援を通じて、私たちは、遊牧民が食料を購入するためにさらに借金をしたり、親族から食料をもらったりしていることを把握しています。十分な食事をせずに何日も暮らしている人々がいる一方で、何とか収入を得るために、市場価格よりも安く家畜を売っている人もいます。

越冬用の飼料が底を尽き、家畜が体力を消耗している春先には、1日で数万頭の家畜が死ぬこともありますが、春を迎える前にすでに大量の家畜が死んでいます。これは憂慮すべき事態です。何千世帯もの遊牧民が、ギリギリの生活をしています」

昨年は、100万頭以上が死にましたが、2010年のゾドでは、800万頭もの家畜が犠牲になりました。

気候変動の影響と頻発するゾドのため、過去30年間で50万人を超える遊牧民が首都ウランバートルに移住しています。特に、わずかな家畜しか飼育していない最も脆弱な立場の遊牧民が、伝統的な遊牧生活をあきらめ、職とより良い暮らしを求めて都市に移住してきますが、都市で職を得るための技能などがないため、職に就けずに終わってしまいます。

セーブ・ザ・チルドレンは昨年に引き続き、ゾドで深刻な被害を受けた多くの地域で活動をおこない、緊急支援として、家畜を守るための干し草や栄養剤などを含む家畜パッケージの提供、家畜の世話のために学校を休みがちな遊牧民の子どもたちへの補習授業の実施、さらには防寒着や生活必需品購入のための現金支給などを行います。



※本件に関して、日本語での電話取材や現地取材が可能です。

ご取材および本件に対する報道関係者のお問い合わせ先
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報 田代範子 太田しのぶ
TEL: 03-6859-0011 E-mail: press@savechildren.or.jp

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